2020年10月31日 土曜日

赤城山 縦走

黒檜山 1,828 m

 3時50分起床、4時半出発。黒檜山登山口駐車場に6時半到着。黒檜山から駒ヶ岳、小地蔵岳、長七郎山、地蔵岳、見晴山と、先週の榛名山同様に、カルデラ湖周辺の山々を縦走した。紅葉はほぼ終わっていたものの、黒檜山の隣のビューポイントはもちろん、長七郎山や地蔵岳の山頂も眺めが雄大で、これほど壮観な展望コースだとは思わなかった。見えるべき山はすべて見えていたと思えるほど遠望がきいたこともあり、16年前に黒檜山に登ったときよりも赤城山の印象が格段によくなった。大沼・小沼の湖畔歩きも楽しかった。

 帰りの関越道は先週ほど混んでおらず、18時半頃に帰宅。とても満足度の高い山行になった。

登山コースデータ
単純標高差 : 483 m
累積標高差 : 1,070 m
コース距離 : 12.5 km
標準コースタイム : 7 時間 25 分
歩行データ
総歩行時間 : 7 時間
総行動時間 : 8 時間 40 分

 コースタイム

黒檜山登山口P 6:50 ⇒ 猫岩 7:15 ⇒ 黒檜山 8:15 ⇒ 8:20 天空の広場 8:35 ⇒ 9:35 駒ヶ岳 9:40 ⇒ 10:30 鳥居峠 10:35 ⇒ 小地蔵岳 11:15 ⇒ 11:30 長七郎山 12:00 ⇒ 12:30 小沼平 12:40 ⇒ 13:20 地蔵岳 13:50 ⇒ 見晴山 14:25 ⇒ 14:40 第二スキー場下 14:45 ⇒ 黒檜山登山口P 15:30

6:30 黒檜山登山口駐車場

広いがトイレはないので、手前のおのこ駐車場でトイレを済ませておく必要あり。

6:50 駐車場を出発。車道を歩いて登山口へ向かう。

数分で黒檜山登山口に到着。

最初から急な上りが続く。

段差の大きい岩ゴロが続くため、省エネで上るのが難しい。

7:15 猫岩を通過。猫岩のあたりは、大沼(おの)が見下ろせる岩場が数か所ある。大沼の向こうに縦走予定の長七郎山と地蔵岳がよく見えた。

百名山だけあって、朝から登山者の姿が多かった。

山の紅葉はほぼ終わっていたが、ところどころに綺麗な紅葉が残っていた。

後発の登山者に次々と抜かされた。

妻は馬力を要する段差のある上りが苦手なのでペースが上がらない。1歩ごとに止まる感じでリズムが出ないので、先に上って待つスタイルでしばらくは進んだ。

尾根に出て傾斜がゆるくなると山頂は近い。

8:15 黒檜山の山頂に到着。

山頂からの展望は限られているが、東側に筑波山が見えた。

黒檜山の山頂部は南北に細長く、北側に展望の利く広場があるのでそちらへ向かう。

8:20 黒檜山 天空の広場

山頂北側の天空の広場に到着。2004年にも来ているが、こんなに眺めがよいのかと、新鮮が驚きを感じた。

広場のあちこちに動いて、素晴らしい展望をカメラに収めた。

西南西方向の眺め。眼下には樹林に隠れた大沼。その向こうには南アルプスと八ヶ岳の山々、浅間山、四阿山、草津白根山などがずらりと並ぶ。

左に南アルプスの北岳や甲斐駒ヶ岳、右には赤岳から蓼科山までの八ヶ岳の山塊。

手前右の山は鈴ヶ岳、榛名山の向こうに鼻曲山や浅間隠山が並び、中央奥は浅間山。左端には御嶽山が、浅間山の右には北アルプスも幽かに見える。

中央に小野子山と子持山。奥には左から四阿山、草津白根山、右端に岩菅山と並ぶ。四阿山の左右には北アルプスの峰々が見えていた。

北西方向の眺め。真ん中に谷川岳連峰、右には武尊山も見える。

谷川岳(中央左)と朝日岳(中央右)はよく見えてきたが、左側の仙ノ倉山と万太郎山、右の巻機山には雲がかかっていた。

武尊山。右の至仏山には雲がかかっていた。

北東方向には日光連山や皇海山などが見えていた。

左に日光白根山、真ん中に皇海山。右には小真名子山、女峰山、男体山と日光の山々。

写真をお願いしてから、8:35 移動を開始した。

眺めのよい笹原の尾根を駒ヶ岳方向へ進む。

黒檜山登山口へ下る道を分けてそのまま尾根を進むと、黒檜山の南峰に当たるピークに黒檜大神石碑、鳥居、石祠などがある。

鳥居から数分で花見ヶ原分岐に到着。道標には花見ヶ原方向へ徒歩60歩で絶景ポイントとあった。

表示通りに南側が開けた絶景ポイントに出た。

左に駒ヶ岳へ至る稜線が長七郎山まで延びており、真ん中に小沼(この)、右には鉄塔の立つ地蔵岳と、これから歩く山々と稜線が一望できた。

小沼(この)の上には前橋・高崎の市街地が広がり、その奥には富士山がくっきり見えていた。

分岐まで戻り、駒ヶ岳方向へ下る。

駒ヶ岳まで周遊する登山者が多いからか、木段などがよく整備されていた。

南側の大展望を楽しみながら下っていく。

南東側には筑波山と広大な関東平野。

駒ヶ岳と地蔵岳。小沼が見えない位置まで下ってきた。

さらに下って樹林帯を抜けると傾斜が緩くなる。背後は黒檜山。

9:20 黒檜山と駒ヶ岳の鞍部にあたる大ダルミを通過。

再び樹林帯に入って木段を上る。

大ダルミから駒ヶ岳まではひと上り。60mほど上り返す。

9:35 駒ヶ岳 1,685m

駒ヶ岳に到着。狭い山頂は登山者で混んでいた。

山頂下の登山道脇にちょうど座れるスペースがあったので、そこで短い休憩をとった。

西方向の眼下には赤城山最大のカルデラ湖である大沼が一望できた。

北西方向の谷川連峰は雲が取れてくっきり見えてきた。左から平標山と仙ノ倉山、万太郎山、谷川岳、朝日岳。

東方向の筑波山方向。

南東方向の関東平野をよく見ると、東京スカイツリーと東京湾が見えていた。

南方向の長七郎山と地蔵岳。

長七郎山の向こうには丹沢の山並と富士山がよく見えた。

9:40 駒ヶ岳を後にした。

しばらくは起伏の緩やかな尾根歩きが続いた。

時間とともに駒ヶ岳登山口側から上ってくる登山者の数が増えてきた。

展望の利く開放的な尾根歩きが続く。

疎林の下りになると、多くの人の姿が見えてきた。

9:55 鳥居峠と駒ヶ岳登山口との分岐に到着。広くて眺めがよいので、多くの登山者が休憩していた。

駒ヶ岳登山口への道を分けて鳥居峠方面へ下った。分岐からは登山者の姿が少なくなった。

一気に下って緩やかな笹原に出た。しばらく進むと地図にはない分岐に出たが、簡単な案内図があり、どちらのルートも鳥居峠につながっていると分かった。

尾根側ではなく右のルートへ。岩だらけで踏み跡が分かりづらかった。

しばらく進むと鳥居峠の駐車場が見えてきた。

10:30 鳥居峠に到着。峠から眺めた覚満淵(かくまんぶち)と駒ヶ岳。覚満淵の奥には大沼も見える。平安時代に比叡山延暦寺の高僧・覚満が、赤城山で法会を行ったことが覚満淵の名の由来。

鳥居峠は東側も開けており、夜景や雲海撮影のスポットとして知られているらしい。レストランもありました。

10:35 小沼方面の登山道に入った。少し上がったところから眺めた鳥居峠の様子。

ゆるい上りが続いた後に木段が出てきた。

長七郎山へ向かうルートは家族連れが多く、子供を背負って歩くお父さんもいた。

いったん長七郎山へのルートを外れ、11:15 小地蔵岳(1,574m)へ。樹林帯の中で展望はなし。以前はお堂があったが今は跡形もなく、本尊の虚空菩薩像は桐生市の醫光寺(いこうじ)に安置されている。

分岐まで戻って、再び長七郎山へ向かう。平坦な歩きやすい道を進んでいくと、山頂が見えてきた。

11:30 長七郎山 1,579m

ひと上りで長七郎山に到着。山頂は広くて休憩場所には困らない。眺めは素晴らしいし、鳥居峠からも近いし、なるほど家族連れに人気があるのもうなづけた。

南方向の眺め。山頂はほぼ360度展望が利いた。

昼近くになっても富士山がくっきり見えていた。左手前は雲取山。

西方向には荒山がそびえる。左には南アルプスと八ヶ岳、右は浅間山と榛名山。

北方向には黒檜山と駒ヶ岳が重なって見えて、その右には日光白根山や皇海山が並ぶ。

とても気持ちのよい場所だったので、ここで昼食を取ることにした。

12:00 下山開始。荒山を前方に見ながら小沼方面へ向かった。

少し下ると広い場所に出た。賽の河原と道標に出ていた。

賽の河原から眺めた地蔵岳。

ゆるやかな下りが続く。

平坦な広い道に出たら小沼は近い。

12:15 小沼(この) 水門 1,470m

あっという間に小沼の湖畔に出た。小沼平からと思われる軽装の人たちがベンチで休んでいた。

小沼は長七郎山の火山活動でできた火口湖で、周囲は1キロほど。1周約25分の遊歩道が整備されている。

西側の遊歩道を歩いて小沼平へ向かう。

少し進むと湖畔に鎮座する天龍弁財天の赤い鳥居が目に付いた。

途中から水辺を歩いたが、とても気持ちがよかった。ベンチなどもあり、休憩場所に最適。

小沼平側から撮った小沼。

小沼駐車場のトイレに寄ってから県道16号を西へ進み、地蔵岳の登山口がある八丁峠へ向かう。

八丁峠の看板を過ぎて砂利道を右に入ると駐車場があり、登山道はその奥にあった。

木の階段がせっせと上る。

背後に見えるのは小地蔵岳。

20分ほど上ると前方に電波塔と地蔵岳の山頂が見えてきた。

山頂の南西側に立ち並ぶ電波塔群。

下から人の姿が見えたので、山頂手前でコースを外れ、踏み跡を右に入ると展望スポットがあった。

広々とした展望スポットから長七郎山と小沼がよく見えた。上から眺めると小沼が火口湖であることがよく分かる。道標などはないが、この展望ポイントを見逃さないように道標を作った方がよいと感じた。

13:20 地蔵岳 1,674m

地蔵岳の山頂に移動。この山頂も広くて休憩場所には事欠かない。

北方向には大沼と黒檜山が一望できる。

北西側には谷川連峰や武尊山、至仏山や燧ヶ岳などの名峰がずらり。

谷川連峰は雲が取れて一段とよく見えた。左から平標山、仙ノ倉山、万太郎山、真ん中左に谷川岳、右には朝日岳と巻機山。早朝はもっと白かったが、雪が解けたようだ。

武尊山の左には、至仏山と燧ヶ岳もくっきり見えた。

眼下に眺めた大沼。赤城神社が鎮座する小鳥ヶ島と、島に架かる朱塗りの啄木鳥橋がよく見える。ちなみに橋は老朽化のため昨年から通行止になったままのようだ。

ずらりと並ぶ地蔵尊。かつては地蔵堂もあり赤銅製の地蔵尊が安置されていたが、明治政府の神仏分離令に伴う廃仏毀釈により破棄されてしまった。残念なことだ。

13:50 電波塔にある西側へ移動し、新坂平への下山路に入った。

どんどん下って分岐に出たら、新坂平方面ではなく、見晴山方面へ進む。

山頂から30分ほどで車道が見えてきた。最後は車道沿いに西へしばらく進む。

県道4号前橋赤城線を渡る。車の通りが多かった。

見晴山登山口からしばらく上ると東屋に出た。

東屋から地蔵岳(左)。県道4号線の先には荒山も見える。

東屋から柵にそって平坦な道を進む。

14:25 見晴山(1,458m)に到着。疎林に囲まれていて、名前ほどにはクリアな展望を得られなかった。

見晴山から第二スキー場方面へ進む。途中の白樺林が綺麗だった。さすが三大美幹木のひとつです。ちなみに他はヒメシャラとアオギリ。

第二スキー場下へ向かうと、すぐに大沼が見えてきた。

青木旅館の横を通って湖畔の車道に出た。

青木旅館のすぐ前に小さな桟橋があったので、先まで進んでみた。

桟橋から眺めた黒檜山と駒ヶ岳。

大沼沿いの車道を時計回りに反対側の駐車場へ向かう。歩道はなかった。

途中でキャンプサイトとなる水辺へ降りることができたので、行ける所まで湖畔を進むことにした。

黒檜山と駒ヶ岳を眺めながら水辺を進む。景観がよいので疲れを忘れた。

山の紅葉はほぼ終わっていたが、湖畔にはまだ綺麗な紅葉がちらほら残っていた。

対岸に見えた小地蔵岳と地蔵岳。

キャンプサイトから赤城神社まで道がつながっているようなので、車道には上がらずそのまま進んだ。気持ちのよい紅葉ルートが続いたが、駐車場へ上がる道がないようなのでそのうち心配になってきた。

赤城神社まで車道に上がる道がなさそうなので、途中で藪漕ぎして車道まで上がった。

上った斜面。黒檜山の登山口へ上がるための赤テープが目印になった。

15:30 黒檜山登山口駐車場に到着。素晴らしい展望の連続で大満足の周遊登山となった。