2021年10月24日 日曜日
編笠山・西岳
2,524 m 2,398 m
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※地図をクリックするとルートを引いた国土地理院の地図を参照できます。
コースタイム
富士見高原B1駐車場 5:35 ⇒ 盃流し 6:20 ⇒ 臼久保岩小屋 6:55 ⇒ 9:45 編笠山 10:30 ⇒ 11:10 青年小屋 11:15 ⇒ 12:10 西岳 13:00 ⇒ 不動清水 14:20 ⇒富士見高原B1駐車場 14:55
4:55 富士見高原 B1駐車場
登山者も利用できるB1駐車場には、先客が10台前後停まっていて、出発の準備をしている登山者もいた。
ゆっくり身支度を整えて、5:35 駐車場を出発。
ゲートの脇を通って先へ進む。
何度か林道を横切りながら、道標に従って歩く。
途中、赤テープが枯れ沢の手前の角にあって、枯れ沢へ入るのかと勘違いしそうになったが、そのまま林道を進むと登山道を示す道標があった。
6:10 再び林道を横切り、五叉路分岐から「編笠山・盃流し (さかずきながし)」方面へ進んだ。西岳からの下山時はここで合流することになる。
分岐から数分進むと、工事のシャベルカーと編笠山が見えた。
工事現場まで登ってくると、南側に北岳と甲斐駒ヶ岳がくっきり見えていた。
「盃流し入口」を通過。平安時代の貴族の行楽に、水流に盃を流して、盃が流れる間に句を読む遊びがあり、そうした遊びに使われるような一枚岩があることから「盃流し」の名が付いたと云われる。
「盃流し」があったと思われる付近は、2018年の土石流で埋まっており、すっかり姿を変えていた。
2015年の編笠山・権現岳・西岳登山の際に撮影した盃流し付近の写真。流れは枯れているが、一枚岩のナメ床であったことが分かる。
土石流の岩ゴロを横切り、再び登山道へ入った。標高と編笠山山頂までの時間を示した道標が、こまめに設置されていた。
ゆるやかな樹林帯の上りが続く。
足元にたくさん落ちていたシラカバの葉。
少し標高が上がるとダケカンバの落ち葉が増えてきた。
ハウチワカエデの落ち葉。コミネカエデやイタヤカエデなど、他のカエデ系の葉もたくさん落ちていた。
標高が上がればよい紅葉が見られると思っていたが、そうでもなかった。
巨大な岩屋である「臼久保岩小屋」を通過。
修験者などが使ったと云われるが、確かに寝泊りするスペースは十分ある。
岩屋付近から標高1,900mあたりまで、白い落ち葉が目立っていた。
形のよい落ち葉を拾ってみると、ウラジロノキ (裏白木) だった。
標高2,000m前後から傾斜が増してきた。
上り始めてから3時間近くが経過。まだまだ上りが続く。
標高2,200mを越えると足元に霜柱が増えてきた。所々で積雪も見られるようになってきた。
標高2,300mを越えると大きな岩ゴロが出てきた。
歩きづらい大岩の上りが増えて、妻のペースが少し落ちてきた。
大岩のゴーロ帯に出ると、背後の眺めが一気にひらけた。
中央アルプスと御嶽山。
時間とともに雲がかかった御嶽山だが、早朝はよく見えていた。
妻もゴーロ帯まで上がってきた。
ゴーロ帯を少し上がると、北西側に西岳も見えてきた。その向こうには北アルプスがずらり。
ところどころにペンキ矢印があるので、その付近の上りやすそうなルートを選んで上っていく。
山頂まで岩ゴロとハイマツの急坂が続く。
岩ゴロの上りは段差が大きく、平らな足の置き場が少ないので自然と体力を奪われる。
背後は南アルプスの山々。大パノラマを眺めながら、呼吸を整える。
妻はキツそうだったが、前回の日光白根山みたいな大失速はなかった。
ひと足はやく山頂部に到着。風がほとんどなかった。
9:45 編笠山 2,524m
山頂に到着。多いと感じるほどではなかったが、団体の登山者などもいて、それなりににぎわっていた。
北東側には八ヶ岳の峰々がずらりと並ぶ。
左からギボシ、権現岳、三ッ頭。
左から阿弥陀岳、横岳、赤岳。
左奥に蓼科山などの北八ヶ岳。右は天狗岳の双耳峰。
左から蓼科山、北横岳、縞枯山。
南東側の富士山を眺めながら、適当な岩場でゆっくり休むことにした。
くっきり見えていた富士山。裾野の広がりが美しい。
富士山の左、西側には金峰山や大菩薩嶺が並ぶ。左端は三ッ頭。
左に三宝山、甲武信ケ岳、小川山と並び、中央に金峰山、右端は大菩薩嶺。
南側には南アルプスの峰々。
左から北岳、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳。
北岳の左に見えた鳳凰三山。
西側には中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳などが並ぶ。
空木岳と木曽駒ヶ岳を擁する中央アルプス。左端には恵那山もうっすら見える。
乗鞍岳の左奥には白山も見えていた。
北西側には西岳が近い。その向こうには諏訪市や北アルプスの山並みが一望できる。
諏訪湖とその周囲に広がる諏訪市。
諏訪市の奥には北アルプス・槍穂高連峰がずらりと並ぶ。
左から西穂高岳、奥穂高岳、涸沢岳、北穂高岳、大キレットをはさんで、南岳、中岳、大喰岳、槍ヶ岳。
立山連峰と後立山連峰。
左から爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳、五龍岳、真ん中右に唐松岳、さらに白馬三山と並ぶ後立山連峰。
10:30 青年小屋へ向かう。
青年小屋への樹林帯の下りは、凍結した積雪で滑りやすかった。
樹林帯の先にはギボシと権現岳がそびえる。その麓には青年小屋の青い屋根。
足元が滑るので樹林帯を下るのに随分時間がかかった。チェーンスパイクくらいは持ってくるべきだった。
先に樹林帯を抜けると大岩のゴーロ帯が現れた。
妻も樹林帯を無事に抜けた。
ゴーロ帯の北側に北アルプスと蓼科山が見えた。
東側には三ッ頭。
眼下に青年小屋を見ながら、岩ゴロを下る。
青年小屋まで下りてきた。初めてこのゴーロ帯を下った時はとても長く感じたが、今回はそうでもなかった。
11:10 青年小屋
年季の入った青年小屋。何日か前にテレビ東京の番組に青年小屋が出ていたことを思い出して検索してみると、いい感じの公式HP (https://yatsugatake-seinengoya-tooinomiya.net) ができていた。
振り返って眺めたゴーロ帯。
青年小屋の入口。
青年小屋のテント場。少し入った先に西岳へ続く源治新道の入口がある。
編笠山を眺めながら、テン場の端でしばらく休憩した。
11:15 西岳へ向かう。
5分ほど進むと水場に着いた。
涸れることがないと云われる水場「乙女の水」。
水場のある谷間から西岳が見えた。
崩落気味の谷間を進む。
しばらく樹林帯のゆるやかな下りが続いた。
広場のような場所を通過。
ゆるやかに上り返す。
歩きやすくて気持ちのよい道が続いた。
樹林帯の切れ間から編笠山がよく見えた。
その隣に権現岳も見えた。
さらに樹林帯を進む。
傾斜がきつくなると、山頂はもう近い。
12:10 西岳 2,398m
西岳山頂に到着。
山頂で5人前後の登山者が休んでいた。
南東側の編笠山と富士山。編笠山の山頂で動く人の姿が見えた。
南側の南アルプス。
東側の権現岳。こちらから眺めると権現岳が険しい岩稜であることがよく分かる。
座りのよい露岩で眺めを楽しみながら、のんびり過ごした。
しばらくすると我々夫婦しかいなくなったので、カメラを置いてタイマー撮影してみた。
まだ咲いていたマツムシソウ。
2015年には赤岳も見えていたはずだと思い、赤岳が見えるポイントを探したが見当たらず。どうも樹木の背が伸びてしまったようだ。
13:00 下山開始。2015年には間違えて北西側の道を下り、炎天下でえらい目にあったが、今回は間違いなく南西側の富士見高原へ下る。
南アルプスが正面によく見えていた。
しばらくは急な下りが続く。
眺めのよいザレ場を下る。
南側には編笠山と上りで歩いた稜線がよく見えていた。
急坂をどんどん下る。
標高2,138mの小広場を通過。
斜面を覆う苔の絨毯。
45分ほど下って、最初の林道を横切った。
傾斜がゆるくなって、木漏れ日が心地よい道が続いた。
紅葉のグラデーション。
真っ赤に色付いた大きな葉が目についた。
上ってくる数名の登山者とすれ違い、4人家族を追い抜かした。
14:20 清水が湧き出る「不動清水」を通過。
2013年に自然石でつくった吐水口と、湧水を受ける池が整備されたと富士見町役場のサイトに出ていた。
林道に出て、五叉路分岐へ向かう。
14:30 五叉路分岐から再び登山道に入り、富士見高原へ向かう。
赤い実がなった木。調べてみたが何の実かは分からず。
再び林道に出て、行きで登山道が続ているかと思った枯れ沢を通過。土石流の工事現場はこの上のようだ。
林道から再び登山道へ入る。
大きなヤマブドウの葉。真っ赤に紅葉した大きな葉はヤマブドウだったようだ。
ゲートが見えてきた。
富士見高原ゴルフコースの駐車場を通過。そのすぐ下にB1駐車場がある。
14:55 駐車場に到着。この後、渋滞地獄に苦しめられた。
2時起床、2時35分出発。富士見高原に4時55分到着。夜明け前に駐車場を出て、編笠山に登頂後、青年小屋へ下り、源治新道から西岳に登って下山した。朝から素晴らしい登山日和で、編笠山と西岳から富士山や南アルプスなどの展望を心ゆくまで満喫できた。風が強いと体感温度はかなり低くなるだろうと覚悟していたが、ほぼ無風で寒さはまったく気にならなかった。山頂と青年小屋以外は人と会うことも少なくて、静かな山歩きが楽しめた。ちなみに、編笠山と青年小屋付近は多くの登山者でにぎわっていたが、マスクをしている人は少なかった。
帰りは大月ICから小仏トンネルの渋滞がひどく、5時間近くの運転時間となった疲労困憊した。土日に中央道を利用するとほぼ毎回こうなるのだが、すっかり忘れていた。