2016年5月2日 月曜日

恵那山

2,191 m

 関西遠征最終日。前夜は右肩が痛くて横になっていられず、数時間のたうって寝ることを諦めたが、23時過ぎになると痛みが治まりはじめて寝ることができた。右肩をなるべく使わずに登ったが、高妻山の経験があったので、さほど苦にならなかった。山頂は樹林に囲まれて眺めはなかったが、5合目から8合目の間は東側の展望が開けて、ずらりと並ぶ南アルプスを一望できた。百名山の中では印象の薄い恵那山ではあるが、連休中ということもあってか、思いのほか登山者の姿が多く、ガイドに付き添われた人も何組か見かけた。復路の林道歩きでは、木谷川の渓谷に野生サルの群れを見かけ、ちょっとしたご褒美と感じた。また、山麓の阿智村では花桃祭りが開催中で、車中から見事な花桃を楽しむこともできた。

 長距離の移動という面でかなり無理はあったものの、3日間で百名山を4座登るという連休計画を何とか完遂することができた。帰りの高速では何度か睡魔に襲われて、PAで仮眠をとってしのぐことになったが、気分的には達成感と満足感で一杯だった。ゴールデンウィーク谷間の月曜だったためか、ほとんど渋滞もなく、17時過ぎに帰宅できた。

登山コースデータ
単純標高差 : 1,041 m
累積標高差 : 1,250 m
コース距離 : 11.8 km
標準コースタイム : 7 時間 20 分
歩行データ
総歩行時間 : 6 時間 55 分
総行動時間 : 7 時間 15 分

 コースタイム

ゲート前P 4:35 ⇒ 広河原登山口 5:15 ⇒ 5合目 6:45 ⇒ 8:10 恵那山 8:30 ⇒ 恵那山山頂小屋 8:40 ⇒ 恵那山 8:55 ⇒ 5合目 10:10 ⇒ 広河原登山口 11:15 ⇒ ゲート前P 11:50

 

未明に入ってくる車もあって、3時過ぎには目が覚めてしまったので、ゆっくり出発の準備をした。

4:35 ゲートの横を通って登山スタート。すぐヘッドライトはいらない明るさになった。

峰越林道には大きな土嚢が積まれた所もあり、崩落した大小さまざまな石がころがっていた。

途中で地図を忘れたことに気づいたが、登山口に入った後は分岐がないのでそのまま進んだ。

5:15 まだ着かないのかと不安になった頃、広河原登山口に着いた。林道から木谷川へ下りてゆく。

いったん沢に下りて、丸太橋を渡る。

登山道に入るといきなり急登が続いた。

5:55 ひたすら急登を上って2合目を通過。

カラマツなどの樹林帯を上って、6:15 3合目を通過。

登山道の脇にイワウチワが一輪咲いていた。

6:30 4合目を通過。急登が一段落して傾斜がゆるやかになった。

右肩が動かないように右手をベルトにのせて歩いた。そのため写真を撮る時以外は、あまり右肩の痛みを感じなかった。

6:45 中間点の5合目に到着。コース上に道標が完備されていたので、今回は現在地がわかりやすかった。

5合目まで来ると、見晴らしのきく場所が出てきた。早朝は逆光だったが、東側に南アルプスの山々がずらりと見えていた。

コースはクマザサの道となり、見晴らしがますますきくようになってきた。

北北東には木曽駒ヶ岳や空木岳など中央アルプスも見えた。

展望を楽しみながら、7:00 6合目を通過。

7時をまわって、後ろから追いついてくるハイカーが出てきた。

滑りやすい泥濘を越えて、7:15 7合目を通過。

展望はよくない山というイメージを持っていたので、眺めがよいことにテンションが上がった。

樹林の間から形のよい山が見えていたが、御嶽山だった。その右には乗鞍岳と北アルプスもうっすら見える。

7:45 8合目を通過して、岐阜県と長野県の県境となる尾根筋の樹林帯に入った。

7:55 9合目通過。標高2,100mを越えたあたりは、少し雪が残っていた。

最後は岩ゴロの上り。

笹原の平坦な道になると山頂はもうすぐ。

8:10 恵那山山頂に到着。樹林に囲まれた山頂で展望はなし。

おにぎりを食べて小休止。休んでいた先着ハイカー2名と話をしたが、ひとりは愛知の方で、我々の強行軍を話すと驚いていた。

展望櫓に上ってみたが、コメツガなどの樹木が邪魔してやはり展望は得られなかった。

山頂の恵那神社・奥宮本社。

8:30 避難小屋へ向かう。

少し進むと六乃宮社が祀られていた。

さらに行った先には五乃宮社が祀られていた。

尾根の樹林帯をゆるやかに下る。

8:40 開けた場所に出て、立派なトイレと避難小屋が現れた。

無人の山頂避難小屋をのぞいてみた。

10人は横になれるスッキリとした山小屋で、薪ストーブも設置されていた。

避難小屋の裏にある岩に上ると展望が得られたらしいが、知らずにそのまま引き返した。

地味な山頂という印象は否めないが、この日も心地よい登山日和で気分は上々。

8:55 山頂通過。かなりの強行軍だったが、今回の遠征は大成功だったと嫁と話しながら下山した。

9:10 9合目を通過。次々に人が来るので驚いた。やはり連休の百名山、早立ちしてよかった。

9:20 8合目を通過。展望のない尾根道をどんどん進んだ。

県境の尾根を下りてからは、眺めを楽しみながらゆっくり歩いた。

北側の眺め。左から御嶽山、乗鞍岳、穂高連峰。右端には南木曽岳も見える。

南側から見る御嶽山は裾野の広さがよく分かり、山頂部の左に継母岳、右に継子岳が見えた。

左は乗鞍岳で、右は穂高連峰。幽かに見える穂高の右端の尖峰は、槍ヶ岳ではなく前穂高だった。

陽が高くなり、南アルプスもはっきり見えるようになった。ある程度展望もきいて、帰りの高速にもすぐ乗れるので、広河原コースで正解だった。

幽かに見える左端の八ヶ岳から右へ、鋸岳、仙丈ヶ岳、北岳、間ノ岳、農鳥岳、真ん中あたりに塩見岳、さらに悪沢岳、赤石岳、聖岳、上河内岳と続く。

南アルプスの南側。左から悪沢岳、赤石岳、聖岳、上河内岳、真ん中あたりに光岳、さらに中ノ尾根山、不動岳などが続く。

すぐ近くの枯れ木に留まったホシガラス。

9:40 7合目を通過していったん樹林帯に入る。

展望のきく笹原に出て再び眺めを楽しむ。

左から仙丈ヶ岳、北岳、間ノ岳、農鳥岳、右端に塩見岳。仙丈ヶ岳の左に甲斐駒ヶ岳がちょっとだけ見えていた。

左から悪沢岳、赤石岳、聖岳。

左端は茶臼岳、真ん中が光岳で、その右隣に池口岳、右端は中ノ尾根山。

中央アルプスも時間とともに山容がくっきり見えるようになった。

左から麦草岳、木曽駒ヶ岳と宝剣岳、熊沢岳、真ん中に空木岳と南駒ヶ岳。手前の山は神坂山。

9:55 6合目を通過し、15分後に5合目を通過。展望がきかなくなってからはせっせと下った。

青空に映えるシラカバ林を抜けて、10:20 4合目を通過。

10:35 3合目あたりからは傾斜がきつくなる。10:50 2合目を通過してさらに下る。

11:05 1合目を通過。ひたすら下って、やっと木谷川が見えてきた。

丸太橋を渡る。

木谷川の清流。

11:15 広河原登山口に到着。ここからは木谷川沿いの長い林道歩きとなる。

5分ほどでトンネルに着いた。トンネルの中はひび割れや穴が空いていて、危険な状態に思えた。

林道脇にヤマザクラが満開となっていた。

騒がしいと思って渓谷をのぞき込むと、川沿いに野生ザルの群れがいた。

体格のよいサル(上)が、下のサルを激しく威嚇して、追っ払っていた。

毛並みと体格のよさが遠目でもよくわかった。ボス猿だろうか。

11:50 ゲート前の駐車場に到着。百名山4座登頂計画をついに完遂した。

ゆっくり車内を整理して、12時半頃出発。途中で人や車が多いと思ったら、阿智村の花桃祭りが開催中だった。

徐行運転をして阿智村の見事な花桃を楽しんでから帰路に就いた。