2018年8月19日 日曜日

月山

1,984 m

 4時起床、5時5分登山開始。5時頃、大型バス2台が駐車場に入ってきて、一気に人が増えたので急いで出発した。前日の疲れが抜けきらずに朝から身体は重たかったが、登山道はよく整備されていて歩きやすかった。予報が二転三転して心配していた空模様は朝から快晴で、広々とした稜線や山頂から名だたる東北の名峰を一望することができた。残っていた高山植物が度々目を楽しませてくれたし、前日同様に虫がまったくいなかった。復路は多くの団体とすれ違ったが、登山道の幅が広いので待たされることはほとんどなかった。疲労の蓄積と寝不足で最後はへろへろだったが、のんびりとした山歩きを楽しめた。

 4時起床、5時5分登山開始。5時頃、大型バス2台が駐車場に入ってきて、一気に人が増えたので急いで出発した。前日の疲れが抜けきらずに朝から身体は重たかったが、登山道はよく整備されていて歩きやすかった。予報が二転三転して心配していた空模様は朝から快晴で、広々とした稜線や山頂から名だたる東北の名峰を一望することができた。残っていた高山植物が度々目を楽しませてくれたし、前日同様に虫がまったくいなかった。復路は多くの団体とすれ違ったが、登山道の幅が広いので待たされることはほとんどなかった。疲労の蓄積と寝不足で最後はへろへろだったが、のんびりとした山歩きを楽しめた。

登山コースデータ
単純標高差 : 584 m
累積標高差 : 615 m
コース距離 : 10.1 km
標準コースタイム : 5 時間 40 分
歩行データ
総歩行時間 : 5 時間 30 分
総行動時間 : 6 時間 50 分

 コースタイム

月山八合目P 5:05 ⇒ 仏生池小屋 6:45 ⇒ 7:55 月山 8:55 ⇒ 10:00 仏生池小屋 10:10 -(ベンチで休憩10分)⇒ 月山八合目P 11:55

4:00 8合目駐車場

駐車場から眺めた庄内平野と鳥海山。前夜は22時に駐車場に着いたが、狭くて長い県道211号(月山高原ライン)の運転に疲れ果てた。幸い夜間は静かで涼しかったので、きちんと寝られた。

>4時頃起きてのんびり身支度を整えていると、5時に大型バスが入ってきた。

白装束の参拝者がぞくぞく登場。大混雑となる前にトイレを利用できたが、危なかった。

5:05 登山開始。大所帯の団体に飲み込まれては大変なので、あわてて8合目駐車場を出発した。

8合目駐車場の向こうに庄内平野と鳥海山。

観光客も歩く弥陀ヶ原周辺は遊歩道が整備されており、しばらく歩きやすい木道が続いた。

歩きやすいなだらかな木道でも身体が重く、鳥海山登山の疲れを如実に感じた。

ユリ科のイワショウブ。

5:20 東側から朝陽が昇ってきた。

月山高原ラインの終点に位置する月山弥陀ヶ原は、標高1360-1520mの溶岩台地に発達した60haの高層湿原で、ニッコウキスゲやハクサンイチゲなど130種類以上の花が咲き誇る高山植物の宝庫として知られる。

弥陀ヶ原の「弥陀」は、月山権現の本地仏が阿弥陀如来であることに由来する。また、神様が田植えをされたという伝承から御田原(みだはら)とも呼ばれ、「いろは四十八沼」と呼ばれる池塘群が美しい景観を生み出している。

御田原神社(月山中之宮)方面と道を分けて進み、散策路の木道が終わると石畳の道となる。

ウゴアザミ。花は上向きで葉の鋸歯は浅い。

キク科のミヤマアキノキリンソウ。

オヤマリンドウ。

ときおり強い風が吹き抜けていたので、歩みを止めると肌寒いくらいだった。

キク科のキオン。ミヤマアキノキリンソウより大ぶりで存在感があった。

水分補給をしながら振り返ると白装束の行列が見えた。ゆっくり上っているようで、距離がつまってくることはなかった。

最初に見えてきた三角の小ピークは一ノ岳(1,679m)。あんなに近いはずはないと頭では判っているのに、もしかしたら山頂かも? とどこかで思ってしまうから、人の心理はわからない。

キク科のシロバナニガナ。

一ノ岳を東側をトラバース気味に登っていく。

少し登ると奥に隠れていた稜線が見えてきた。

背後の北側には鳥海山。眼下には弥陀ヶ原が一望できた。

北東側にも綺麗な山波が見えていた。

葉が特徴的なキンポウゲ科のモミジカラマツ。

ヤマハハコに似ていると思ったが、キク科のゴマナだった。

しばらくは巻くように稜線の東側を進む。前方に見えるのは宮城・山形両県にまたがる船形連峰。

ウメバチソウ。いつもは白とびしてしまうが、今回はきちんと撮れた。

一ノ岳の麓で白装束の集団が休憩しているのが見えた。背後には広大な庄内平野。左が鶴岡で右の方は酒田の市街。

6:45 二ノ岳の東側を巻いてながらかな稜線に上がると、いきなり仏生池小屋が現れた。標高は約1,740mで月山の9合目にあたる。後方のピークはオモワシ山(1,828m)で、そこが山頂と思わしめることが名前の由来と云われる。

仏生池の前にある真名井神社。信仰の山だけあって、石仏や地蔵様がいくつも安置されていた。

一息ついてそのままオモワシ山へ向かった。

東側の広大な緩斜面。どこまでも見晴らしがよく、気持ちのよい山歩きが続く。

ハクサンイチゲがまだ残っていた。

東側を巻くようにしてオモワシ山を越えると傾斜が緩まり、前方に大峰が見えてくる。右奥の見えるのが月山の山頂だろうか。

背後のオモワシ山と鳥海山。

行者返しの難所。役行者が蜂子皇子に仕える除魔童子と金剛童子に修行未熟を悟されて、羽黒山に返されたと云われる。

ツツジ科の落葉小低木、ミヤマホツヅジ。

群生していたシソ科のタテヤマウツボグサ。

行者返しの後は、モックラ坂と呼ばれるなだらかな坂を上っていく。

キク科のヤマハハコ。

7:35 大峰(おみね)手前の稜線に出た。きっちり整備された「たたみ石」の向こうにやっと月山山頂の姿を捉えた。

稜線に出て、西側の眺望が一気にひらけた。

北西側に1,909mピークを振り返る。同じように稜線に出てから眺めたオモワシ山の三角と形がそっくり。

石畳が終わるところが大峰で、そこから平坦な木道がしばらく続く。月山ビジターセンターのHP等、1,909mピークを大峰と間違って表記しているサイトが散見されるが、地形図を見ると大峰は1,909mピークの先(南側)で、標高は1,920-1,930mの間と思われる。

大峰から広々とした稜線を木道の終わりまで歩くと、山頂の月山神社が見えてくる。

ここまでくればもう着いたも同然。前日の疲れが残る身体に鞭打って、せっせと上る。

月山神社の手前に山頂と思われる場所があったので、他の登山者に続いた。

7:55 月山山頂に到着。後ろの一段高い岩場は、御神体か何かが祀られているのか立入禁止になっていた。

北方面には、大峰、オモワシ山、二ノ岳、一ノ岳と歩いてきた稜線が一望できる。その先には鳥海山。

出羽富士の名で親しまれる秀麗な鳥海山。秋田県側では秋田富士、山形県側では庄内富士とも呼ばれる。

北北東に形のよい山が幽かに見えると思ったら、岩手山だった。

北東方面の山波。強風にさらされながら写真を撮っていると、いつしか他の登山者はいなくなっていた。

北東方面のアップ。左に神室山でその奥に岩手県の焼石連峰、真ん中が栗駒山でその右手前に宮城と山形にまたがる禿岳(かむろだけ)、さらに小柴山と大柴山が並ぶ。

東方面。左奥に船形連峰、右奥に蔵王連峰、真ん中右に大東岳と、奥羽山脈に属する宮城・山形県境の山々が見える。船形連峰の手前は(村山)葉山。

手前のながらかな山が(村山)葉山。その上、真ん中あたりに荒神山、その右に船形山、後白髪山(うしろしらひげやま)などが並んでいる。

蔵王連峰。蔵王とは宮城・山形の県境にそびえる火山群の総称で、真ん中あたりが熊野岳や刈田岳を含む中央蔵王にあたる。左端の大東岳も蔵王連峰に含まれる。

南方面。立入禁止の岩場の左に福島の吾妻連峰も見えていた。

吾妻連峰のアップ。右には磐梯山も幽かに見えていた。

南西方向。岩場の右に朝日連峰の北端に位置する以東岳など、山形と新潟の県境の峰々が並ぶ。右手前は姥ヶ岳で、その向こうに姥沢口につながる月山リフトがある。

西方面。左から真ん中あたりに月山・紫灯森(さいとうもり)から1,619mピーク、品倉北尾根へと続く稜線が見える。1,619mピークの上に品倉山の頭が見えるが、冬になると周辺一帯が素晴しい山スキーのオープンバーンになるらしい。

北方面。オモワシ山から1,909mピークへ続く稜線上に、月山本宮詣りの白装束集団の行列が見えた。

山頂でひと通り眺めを楽しんでから、月山神社下の適当な岩場で休憩した。

月山神社。お祓いをする声が聞こえていた。

フウロソウ科のハクサンフウロ。月山神社の周りにはたくさんの高山植物が咲いていた。

ユキノシタ科のミヤマダイモンジソウ。

花弁の艶が特徴的なミヤマキンポウゲ。

しばらく休んでから防風の石垣に囲まれた月山神社本宮を見に行った。鳥居から先は撮影禁止。御祭神は月読命(つくよみのみこと)で、参拝するためにはお祓い(500円)を受けなければならない。

月山神社の前から眺めた南側の牛首方面。すぐ下には入浴も可能な収容50名の月山頂上小屋がある。

月山神社から眺めた南西方面。山頂台地の上には朝日連峰の山々が並び、右側の姥ヶ岳の上には出羽三山の湯殿山が見える。

左から大朝日岳、中岳、西朝日岳、真ん中あたりに寒江山(かんこうざん)、北寒江山、相模山、右に以東岳。西朝日岳の上には飯豊連峰もうっすらと見えていた。昨日の雲海とは一転して、この日はずらりと並ぶ東北の名峰を一望できた。

私があちこち見て回っている間、嫁はのんびり眺めを楽しんでいたようだ。

バラ科のシロバナトウウチソウ。

キク科のウサギギク。

山頂付近にたくさん咲いていたミヤマリンドウ。

8:55 下山開始。

9時をまわって、団体ハイカーがぞくぞくと上ってきていた。

鳥海山を眺めながら大峰へ続く木道を歩く。

ナンブタカネアザミ。ウゴアザミ同様、花は上向きだが、より鋸歯が深くて棘が鋭い。

数ヶ所でのみ見かけたツツジ科の常緑小低木、アオノツガザクラ。

花期が早いキク科のミヤマウスユキソウ(別名ヒナウスユキソウ)もまだ残っていた。月山の他には秋田駒ヶ岳や鳥海山など、東北日本海側の高山に分布する。日本のウスユキソウは8種類ほどで、それぞれが住み分けるように分布しているので同定しやすい。

9:15 石碑などがある大峰を通過。

木道が終わり、よく整備された石畳の道を進む。前方の三角は1,909mピーク。

1,909mピークの東側を巻くようにつけられたモックラ坂を、ゆるやかに下っていく。

モックラ坂の後は行者返しの急坂。

行者返しを下り切ると、1,909mピークとよく似た三角のオモワシ山が前方に見えてくる。

オモワシ山も1,909mピークと同じように、東側を巻いてゆるやかに下っていく。

しばらく進むと仏生池小屋が見えてきた。便意をもようしていたので先を急いだ。

仏生池小屋の背後に見える二ノ岳もまた、1,909mピークやオモワシ山と同じような形に見えるので、ちょっとややこしい。

10:00 仏生池小屋に到着。小屋のバイオトイレをお借りしてから先へ進んだ。

二ノ岳も東側を巻いてゆるやかに下る。

眼下に一ノ岳が見えてきた。下山後は羽黒山に寄ってから蔵王方面へ移動するつもりだったが、前日からの疲労の蓄積が大きいので夜間の移動は避けたいと思い、羽黒山参拝はキャンセルすることにした。

一ノ岳も東側を巻いて、やっと弥陀ヶ原が近づいてきた。

一輪残っていたユリ科のニッコウキスゲ。

弥陀ヶ原に着く頃にはかなりの疲労を感じていた。前方に見えるのは御田原小屋(参籠所 さんほうじょ)。

弥陀ヶ原のベンチで少し休んでから8合目駐車場へ向かった。

11:55 月山8合目駐車場に到着。

150台ほど停められる駐車場は満車で、出口近くに路駐の車がずらりと並んでた。

狭くて長い県道211号(月山高原ライン)を走って、13:30 やまぶし温泉ゆぽかに到着。広くて快適な温泉だった。座敷でゆっくり休んでから蔵王方面へ向かった。途中、寒河江(さがえ)SAで嫁はとんかつ、私は天ぷらそばを食べた。

18:30 蔵王高原刈田駐車場の手前で、綺麗な日の入りを見ることができた。車の往来が皆無だったので、道路上に車を停めて写真を撮った。その夜は刈田駐車場で車中泊。広い駐車場に我が家の車だけだったので、若干心細かった。