2015年9月20日 日曜日

白山テント泊登山 1日目

白山 御前峰

2,702 m

 2時半起床。前日は白川郷観光をして市ノ瀬Pに車中泊した。4時過ぎにはバス停に並び、5時始発のバスで別当出合へ。早朝から登山者の数が多くて、南竜道分岐までは後から上ってきた登山者に道を譲るのに忙しかった。南竜ヶ馬場野営場でテント設営を終えた後、御前峰へ。昼過ぎになっても青空が広がっていたが、山頂は低い雲とガスが出ていて遠望はきかなかった。展望歩道分岐で道を間違えてしまい、カンクラ雪渓から上り返すというアクシデントもあったが、紅葉を楽しみながらテント場まで戻った。

 夕方には色とりどりのテントが相当数に及んだが、南竜ヶ馬場野営場は奥行きがあって十分な収容力があるので、まだサイトには余裕があった。夜は関西弁のおじさんハイカー達がうるさくて辟易したが、寝不足もあってぐっすり寝られた。

登山コースデータ
単純標高差 : 1,442 m
累積標高差 : +1,820 m / -995 m
コース距離 : 14.1 km
標準コースタイム : 9 時間 5 分
歩行データ
総歩行時間 : 8 時間 10 分
総行動時間 : 11 時間 25 分

 コースタイム

市ノ瀬P 5:00 ⇒ (バス) ⇒ 5:15 別当出合 5:30 ⇒ 6:20 中飯場 6:25 ⇒ 8:00 勘之助避難小屋 8:05 ⇒ 9:05 南竜山荘 9:10 ⇒ 9:15 南竜ヶ馬場野営場 9:50 ⇒ 10:50 トンビ岩 10:55 ⇒ 11:15 白山室堂 11:20 ⇒ 12:05 白山御前峰 13:40 ⇒ 14:10 白山室堂 14:15 ⇒ 展望歩道分岐 14:30 ⇒ カンクラ雪渓 14:50 ⇒ 15:20 展望歩道分岐 15:25 ⇒ 南竜ヶ馬場野営場 16:25

 

4時過ぎには最初の人がバス停に並んだので、我々もすぐに列へ加わった。

5:00 始発バスに乗って別当出合へ。臨時バスがもう1台出ていた。ちなみに片道500円。

15分ほどで登山口の別当出合(1,260m)に到着。身仕度を終えた登山者が次々に出発していた。テント泊装備でペースは上がらないだろうから、始発組の最後尾で、5時半に出発するした。

スタートしてすぐ長さ117mの吊り橋を渡って砂防新道へ。標高1千m以上にある吊り橋としては日本一の長さ。

久しぶりのテント泊装備がずっしりと重たかった。スローペースで着実に上る。

6:20 中飯場(なかはんば 1,500m)で小休止。腰掛けやテーブルとなる大きな石が並べられていた。

中飯場はトイレも完備。コース場にトイレがあるのはひじょうにありがたい。

登山道はよく整備されていて歩きやすかった。

東側の谷間に不動滝が見えた。その下には階段状に堰堤が幾重にも構築されていた。

センジュガンピ。

途中から後続ハイカーに次々に追いついてきたので、道を譲るのに忙しかった。

ミヤマシシウドとミソガワソウ。

ハクサントリカブト。

ミヤマアキノキリンソウ。

8:00 勘之助避難小屋(1,960m)に到着。ここもトイレ完備。さすが白山のメインルートです。

小屋の前は見晴らしのよい広場になっていて、多くの登山者が休んでいた。すぐ上に旧避難小屋の跡地があり、そこも休憩広場になっていた。

小休止して先へ進む。南竜道分岐までは人が多かった。

8:30 南竜道分岐(2,100m)に到着。ここからはテント場まで平坦な道が続く。

分岐は南側の眺めがよい。左は油坂ノ頭で、大屏風を挟んで中央に御舎利山(おしゃりやま)。別山は御舎利山の右奥に僅かに見える。

今日中に白山に登頂して展望がよければ、明日は別山経由でチブリ尾根を市ノ瀬まで下ることも考えていたが、別山へ向かう南縦走路はアップダウンがかなりありそうに見えた。

南西側の眺め。中央左に赤兎山と経ヶ岳が重なり、中央右は大長山(おおちょうさん)。左には荒島岳も見える。

8:40 南竜ヶ馬場へ向かう。

ほとんどのハイカーは黒ボコ岩から室堂へ向かうので、分岐からは登山者の数が一気に少なくなった。

2,244m峰の麓にあるテント場も見えてきた。

8:55 エコーライン分岐を通過。ここから室堂へ向かうハイカーも意外と多かった。

南竜道からはずっと見えていた油坂ノ頭と御舎利山。

エコーラインとトンビ岩コースの間にある万才谷の橋を通過。

南竜山荘付近は木道が整備されていた。

万才谷を仰ぎ見ると、一番高いところの右下にトンビ岩が見えた。

この日は天気がよくて風も穏やかだったためか、ヘリコプターが荷揚げ作業を繰り返していた。左には油坂ノ頭へ向かう九十九折りの急登「油坂」がよく見える。

9:05 南竜山荘に到着。

南竜山荘の総合受付でテント場利用の手続きをする。幕営料は1人300円。

南竜ヶ馬場野営場へ向かう。分岐の左は展望歩道。

ちょうどヘリコプターが荷物を下ろしにきた。

ホバリングしているヘリコプターを撮影。機体は意外と小さくて、シンプルな構造に見える。

最後にちょっとした上りがキツかった。

9:15 南竜ヶ馬場野営場に到着。サイトは広くて空きがたくさんあったので、好きなところを選べた。

テント撤収を終えたばかりの人に確認して、ベストな場所を確保できた。ベンチも近くにあってラッキーだった。

早速テント設営開始。

20分ほどで幕営完了。サイトの角でベンチもあって眺めもよしと、申し分のない場所にテントを張れた。

アタックザックに必要なものをつめて、9:50 御前峰へ。

たくさん咲いていたミヤマリンドウ。

右に延びるのは展望歩道。我々はトンビ岩コースで正面の尾根を上る。

南竜山荘の手前からエコーラインの登山道がよく見えた。

オヤマリンドウとハクサンフウロ。

トンビ岩コースは南竜山荘の橫から入る。

南竜山荘。

木道が終わると本格的な登山道となる。

大きな岩ゴロの急登が続く。

紅葉したナナカマド。

綺麗な紅葉がそこかしこで見られた。

灌木帯を抜けると開けた岩ゴロの上りとなった。背後には南竜山荘とテント場が小さく見えた。

時間とともに雲が増えてきて、別山は雲に隠れてしまった。

後ろに若者の集団が迫っていたが、途中からペースを上げて引き離した。

大きな岩が増えてくるとトンビ岩は近い。

10:50 トンビ岩に到着。

西側の尾根にエコーラインが見えた。

トンビ岩から白山御前峰が見えた。

トンビ岩の上に登ってみた。一段と眺めがよくなり気持ちよかった。

トンビ岩の下で行動食を食べてから室堂へ向かった。

山頂にガスが出始めていたので、御前峰の展望はきびしいように思えた。

なだらかで広々とした道を進む。

万才谷雪渓は少しだけ残っていた。

なだらかな丘陵を越えると建物が見えてくる。11:15 白山室堂に到着。トイレを借りてから山頂へ向かった。

室堂からは再び登山者の数が一気に増えた。

山頂まで40分と、室堂のロケーションは抜群によい。

登山道の脇にたくさん咲いていたイワギキョウ。

鮮やかな紅葉の中を歩く。あと1週間もせずに、紅葉はピークを迎えそうな気配だった。

御前峰までの登山道もひじょうによく整備されており、石畳のようになっていた。

高度が上がってくると、登山基地のような室堂の全容を俯瞰できるようになる。

森林限界のハイマツ帯を進む。行き交う登山者の中には、かなり軽装の人もいた。

登山道は広いので、すれ違いも問題なかった。

山頂に向かう間、霧が出たり晴れたりしていた。#

12:05 白山御前峰(2,702m)に到着。

白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)奥宮。

山頂は入れ替わり立ち替わり、多くのハイカーでにぎわっており、山頂標で写真待ちの列が出来ていた。

腰を下ろしやすい岩場で一休み。時間はあるので、霧が晴れるのを待ちながらのんびりすることにした。

大汝峰(左)と剣ヶ峰(右)。真ん中の火口湖は紺屋ヶ池(こんやがいけ)。

大汝峰と紺屋ヶ池。左下には油ヶ池。

紺屋ヶ池。

ガスがかかってなかなか見えなかった剣ヶ峰の全貌が現れた。一般ルートはないようだが、登っている若者達の姿が見えた。

山頂は東西に長くて広いので、かなりのキャパシティーがある。

日差しが出るのを待って、山頂標で写真を撮った。

ガスが切れて一瞬みえた北アルプスの山並み。

日差しが出ると暖かくて気持ちよく、横になると寝てしまいそうな陽気だった。

霧で真っ白になった次の瞬間にはまた晴れる。太陽も雲に隠れたり出たりで、山頂の天気はめまぐるしく変化した。

山頂で随分のんびりできたし、南側から室堂を飲み込みそうな積雲が這い上がってきたので、下山することにした。

13:40 賑やかな山頂を後にした。

生き物のように積雲がうごめいていた。

積雲がみるみる発達してきたので、そのうち雨が降らないか心配になってきた。

室堂まで来ると、周囲は深い霧に覆われた。

14:10 白山室堂(2,450m)に到着。

ビジターセンターの中をのぞいてみると、宿泊手続きをする登山客が列をなしていた。

14:15 室堂を出てテント場へ向かう。復路は展望歩道で下ることにした。

キク科のミヤマコウゾリナ。

14:30 展望歩道分岐でまさかの道間違い。道標の写真まで撮っていたのに、何の疑問も持たずにまっすぐ進む嫁の後に続いてしまった。

大倉尾根の平瀬道を下りていることに気付かず、アルプス展望台はどこだろうと、のんきに話していた。

平瀬道の紅葉は目を見張るものがあった。途中で酒臭い太鼓腹の男性ハイカーとすれ違った。

ガレたヤセ尾根の急坂まで来て、事前調査とは違う雰囲気に何となくおかしいと感じ始めた。

色鮮やかな紅葉が続く。

真っ白な霧の中、ヤセ尾根を進む。

14:50 カンクラ雪渓の道標が現れた。下調べにはなかった地名なので、すぐ地図を確認。間違いに気が付いた。

八ヶ岳の単独行同様、ショックと自身への怒りでアドレナリン全開。途中で嫁と先頭を代わり、全速力で上り返した。

15:20 分岐の道標まで戻って人心地ついた。踏み跡はくっきりあって、何故見落としたか不思議なくらいだった。

展望歩道分岐の周囲はきれいに紅葉していた。もしあのまま気付かずに下りていたら、ヘッドライトを持参していなかったのでテント場に戻れなくなっていただろう。嫁が上り返してくる間に、あれこれ考えてぞっとした。

15:25 改めて展望歩道を進んだが、さまざまな反省点が頭に浮かんで、しばらく道間違いのショックを引きずっていた。

空中散歩を思わせる雲海の広がりが、徐々に気分を変えてくれた。

北東側の眼下には、間違えて下った大倉尾根が見えた。

平坦な道の端までくると、傾斜が急になって九十九折りの道となった。

ずっと下にアルプス展望台を確認。人がいるのも見えた。

15:50 アルプス展望台を通過。

低い雲と霧で、別山側は真っ白だった。

しばらく下ってゆくと、霧が切れて下山ルートと南竜ヶ馬場野営場が見えた。テントの数が随分増えているようだった。

笹原と灌木帯を下る。

開けたところまでくると、油坂ノ頭が見えた。

展望歩道の後半は紅葉が素晴らしかった。

16:15 木道まで下りてきた。陽が低くなって一段と景色に深みが出てきた。

南竜道と合流。白山方面は霧が晴れていた。

当初はアルプス展望台で明日の御来光を見ようと考えていたが、思ったよりも距離があるので、どうせなら山頂まで登ってしまおうと歩きながら考えていた。

16:25 南竜ヶ馬場のテント場に到着。テントの数は増えていたが、まだサイトに余裕があった。

夕飯はアルファ米とレトルトの豚の角煮。お腹が一杯で少し残してしまった。

17:50 夕陽を眺める。

クリアな日の入りは見られなかったが、鮮やかな夕焼けだった。

夜空には上弦の月。歯を磨いて19時前に寝た。