2014年4月26日 土曜日

将監小屋テント泊登山①

東仙波・唐松尾山

2,003 m  2,109 m

 1時半起床、1時55分出発。圏央道をつかって三ノ瀬に4時35分到着。テント泊初日は和名倉山に登る予定だったが、積雪と泥濘に加えて、コースをふさぐ倒木と灌木にも体力を奪われてしまったので、今回は東仙波で引き返して唐松尾山と西御殿岩に登ることにした。唐松尾山から西御殿岩までは、一般ルートではなく県境の尾根沿いを歩いたが、途中から道が険しくなって踏み跡もなくなり、しばし途方に暮れた。南斜面の一般ルートと合流して事なきを得たが、ロスト状態の数分間がとても長く感じられた。西御殿岩からの眺めは素晴らしく、360度の大パノラマが広がっていた。他の登山者はいなかったので、しばし至福の時間を過ごした。

 将監小屋に戻るとたくさんのテントが設営されていたが、19時にはどのテントも消灯して、夜は驚くほど静かだった。寝不足と疲れもあって、これまでのテント泊で一番ぐっすり寝ることができた。

登山コースデータ
単純標高差 : 839 m
累積標高差 : +1,480 m / -1,020 m
コース距離 : 15.7 km
標準コースタイム : 8 時間 55 分
歩行データ
総歩行時間 : 9 時間 20 分
総行動時間 : 11 時間 55 分

 コースタイム

民宿みはらしP 5:00 ⇒ 7:05 将監小屋テント場 8:00 ⇒ 将監峠 8:10 ⇒ 山ノ神土(やまのかんど) 8:30 ⇒ 10:10 西仙波 10:15 ⇒ (露岩で10分休憩) ⇒ 10:55 東仙波 11:30 ⇒ (露岩で5分休憩) ⇒ 西仙波 12:00 ⇒ 山ノ神土 13:15 ⇒ 14:25 唐松尾山 14:35 ⇒ 15:20 西御殿岩 15:55 ⇒ 山ノ神土 16:35 ⇒ 将監峠 16:50 ⇒ 将監小屋テント場 16:55

4:35 民宿みはらし 有料駐車場

民宿みはらしに到着。心配していた駐車場は、まだ1台も停められていなかった。

5:00 登山スタート。民宿はまだ開いていなかったので、駐車料金は帰りに払うことにした。

将監小屋のテント場までは林道歩きが続く。重いテント装備(19kg)だったので、緩やかな斜面がありがたかった。

5:45 七ッ石尾根との分岐(牛王院下)を通過。コマドリの見事なさえずりが響いていた。

途中で夕飯用の角煮を冷蔵庫に残してきたことに気付いた。お互い相手が用意したと思っていた。深く反省。

7:05 将監小屋に到着。小屋は閉まっていて、まだ誰もテントの設営をしていなかった。

テント場上段は霜の降りた土で、泥濘になることが予想されたため、下段の芝生に幕営した。

30分弱でテント設営を完了。芝生にペグが刺さりやすくて助かった。

8:00 和名倉山方面へ出発。今回、嫁は小さなアタックザックを使用した。

広い防火帯を登ってゆく。

8:05 将監峠を通過。

放火帯には積雪が残っていた。歩き始めてすぐスパッツを装着しようかと思ったが、そのまま進んでしまった。

8:20 三ノ瀬との分岐を分けて、雪の残る道を進む。

8:30 山ノ神土を通過。ここからは雪があったりなかったりした。

しばらく進むと、南東側の眺めがよい場所に出た。

右に大きいのが竜喰山で左奥が雲取山。その間は雲取山から飛龍山へ続く稜線で、三ツ山や北天ノタルなどいくつもの小ピークが連なっている。

小ピークの北側を巻いて進む。北側の日陰は雪が多かった。

南側には大菩薩嶺が見えた。左奥は雁ヶ腹摺山。右奥に見えるはずの富士山は見えなかった。

背後の西側には西御殿岩。このときはまだ、今回登ることになるとは思っていなかった。

前方にリンノ峰が見えてきた。リンノ峰も北西側を巻いてゆく。

倒木が踏み跡を隠していたため、いつしか間違った踏み跡に導かれてルートを外れてしまった。

ルートの下を進んでいると分かっていたので、ルートに当たるまで直登して無事に戻れた。

西仙波へ向かう急登を上る。

背後にリンノ峰の尖塔が見えていた。

10:10 西仙波に到着。西仙波の前後はシャクナゲの灌木が生い茂って登山道をふさいでおり、進むのが大変だった。5分ほど小休止してから先へ進んだ。

再びシャクナゲ灌木地獄を突き進んで、やっと眺めのよい露岩帯に出た。

素晴らしい展望が広がっていたので、しばし休憩して眺めを楽しむことにした。

南側。左奥から飛龍山、大常木山、竜喰山(中央)、右にリンノ峰。竜喰山の右奥には大菩薩嶺も見える。

北西側の眺め。左から北奥千丈岳と国師ヶ岳、水晶山、木賊山、甲武信ヶ岳、三宝山、御座山などが並ぶ。

北奥千丈岳と国師ヶ岳、水晶山、木賊山、甲武信ヶ岳、三宝山をズーム。

北側には山頂部が平らな和名倉山。その手前は吹上ノ頭。

他のハイカー集団の話し声が聞こえてきたので、移動を開始。東仙波へ向かった。

ちなみにここまで会ったハイカーの数はゼロ。

10:55 東仙波に到着。時間的体力的に和名倉山までは難しいと考え、おにぎりを食べてゆっくり休むことにした。西南西の方角には西御殿岩から唐松尾山へ続く稜線が見える。

東仙波にほど近い南側の小ピークまで行ってみると、東側の展望もきいた。手前に大きくカバアノ頭。その後には、右から雲取山、芋ノ木ドッケ、白岩山、酉谷山、霧藻ヶ峰と続く稜線。霧藻ヶ峰の奥には武甲山も幽かに見える。

同じく小ピークから見た南側。左は三ツ山から飛龍山へ続く稜線。右には大常木山と竜喰山。2頭の鹿が稜線の下へ逃げていった。後からきた団体は、「時間はぎりぎり」と言いながら和名倉山へ向かっていった。

11:30 東仙波を出発。カバアノ頭へ行くことも考えたが、唐松尾山に登ることにした。

露岩で再び小休止。

花の季節ならシャクナゲ・ロードとなるところだが、雪でかさ上げされて通れる空間が狭い。

12:00 西仙波を通過。

上を踏んでも、下をくぐっても大変な場所。しなった枝に何度も顔を打たれた。

リンノ峰を巻いて進む。雪道歩きの連続で、いつしか登山靴はびしょ濡れになっていた。

前方に西御殿岩。午後になって少し雲が出てきた。

左手には竜喰山を眺めながら進む。

13:15 山ノ神土を通過。まだ余力があったので、予定どおり唐松尾山へ向かった。

西御殿岩との分岐を過ぎるとまた雪が多くなってきた。

尾根まで上がり、最後の坂を上る。

14:25 唐松尾山に到着。三角点と簡易標識のみの、地味な山頂だった。

14:35 写真を撮って西御殿岩へ向かった。いったん下る一般ルートではなく、県境の尾根を進んだ。

最初は尾根沿いに踏み跡と赤テープが続いていたので正解だったと喜んでいたが、そのうち赤テープがなくなって、踏み跡も怪しくなってきた。比較的歩きやすかった道も、木々や灌木に阻まれて歩きづらくなってきた。嫁は戻ろうと言うが、私は引き返すのが嫌だったので、尾根沿いをどんどん進んだ。しばらく行くと、ピークらしき岩稜に出たので着いたと思ったが、鞍部を挟んでもっと高いピークが前方に現れ愕然とした。時間的にもう着く頃だと思っていただけに、目の前のピークが西御殿岩とは信じがたかった。前方のピーク(西御殿岩)へ向かうには鞍部まで下る必要があるが、見た感じかなり危険な急坂に思えた。一瞬進退窮まったと焦ったが、冷静になってゆっくり下っていくと、右下の斜面に一般ルートの赤リボンが見えて、うまく一般ルートに合流できた。時間にすると数分のことだが、本当に長く感じた。一般ルートを外れるリスクを犯すなら、すくなくとも2万5千分の1の地形図くらいは持参していなければダメだと反省した。

15:15 無事一般ルートに合流。尾根沿いが早いと思っていたが、結果的に変わらなかった。

西御殿岩直下の急登を上る。背後には西御殿岩と勘違いした小ピーク。

露岩帯に出ると、そこは360度の大パノラマ。道迷いのことなど何のその、一気にテンションが上がった。

15:20 西御殿岩に到着。想像以上の展望が広がっていた。

北東方面。左は和名倉山で右は東仙波とカバアノ頭。右手前のリンノ峰から左の和名倉山まで稜線が一望できる。

東方面。左手前にカバアノ頭、真ん中奥は白岩山と雲取山。その右には三ツ山と飛龍山。

南東方面。真ん中奥は飛龍山。その手前に重なるのは竜喰山。

南方面。左にうっすら雁ヶ腹摺山と大菩薩嶺。真ん中手前は藤尾山で、右は倉掛山。

西方面には唐松尾山が大きい。

和名倉山の左には両神山もうっすら見えていた。

他のハイカーがいなかったので、気兼ねなく眺めを楽しみながら、まさに至福の時間を過ごした。

15:55 下山開始。

帰りはひじょうに早かった。

16:35 山ノ神土を通過。

広い防火帯に出た。

融けかかったくされ雪で、登山靴が中までびしょびしょに濡れてしまった。

広い防火帯を歩いて、17:00 テン場に到着。芝生の上にテントがびっしり設営されていた。

テントの中でカップ麺とアルファ米を食べていると、周囲から「おやすみ」という声が複数回聞こえてきた。

19:00 寝る前のトイレへ行ったが、我が家以外はすでに消灯していた。我が家もすぐに寝た。