2017年7月30日 日曜日
開聞岳
924 m

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コースタイム
かいもん山麓ふれあい公園P 5:20 ⇒ 2合目登山口 5:30 ⇒ 5合目 6:30 ⇒ 仙人洞 7:30 ⇒ 8:45 開聞岳 12:15 ⇒ 仙人洞 12:55 ⇒ 5合目 13:25 ⇒ 2合目登山口 14:05 ⇒ かいもん山麓ふれあい公園P 14:30

5:20 駐車場を出発。公園から見上げた開聞岳は、薩摩富士の名にふさわしい均整の取れた三角錐だった。管理人らしきおじさんに、暑いから水をたっぷり持って行くように声をかけられた。2人で4L位持っていたので、十分だと思っていたのだが…。

かいもん山麓ふれあい公園は複合施設のようで、最初はロッジやキャンプ場の中を通って進む。

車道に出ると、開聞岳が前方に見えた。

5:30 2合目登山口に到着。ここから登山道に入る。

登山道は浸食がひどく、足元は滑りやすかった。 いつものベースで上っていると、すぐに大量の汗が噴き出てきた。そのうちまず私が気持ち悪くなってきて、油断すると目が回りそうな気がしてきた。前夜、熱帯夜でほとんど寝ていない状態だったので、この時は本当にマズイと感じていた。 嫁に声をかけて、水分をこまめに補給し、なるべく汗をかかないように、ペースをぐんと落として心拍の上昇を抑えるが、今度は嫁の調子が悪くなってきた。 関東の山とは少し違って、樹林が熱帯のように鬱蒼と深く、風がまるで通らない。どれほどゆっくり歩いても尋常ではない汗の流れは止まらなかった。

5:35 3合目を通過。

暑さに加えて首と腕をアブに刺され、なんとも苦しい時間は続いたが、粘り強く持ちこたえた。

6:30 事故の際にヘリコプターがやってくる救助第4ポイントの5合目を通過。

5合目には展望台があり、はじめて視界が開けたが、あいにくのガスで真っ白だった。

頻繁な水分補給と超ゆっくり歩行がきいて、2人とも持ち直したが、登山道の異常な暑さは続いた。

7:20 7合目を通過。

次に救助第3ポイントに出たが、やはり真っ白。共鳴する蝉の鳴き声が凄まじかった。

7:30 洞穴のある仙人洞を通過。岩ゴロが多くなってきた。ここから時計回りの螺旋状に登っていく。

8:15 やっと9合目を通過。この距離と標高差では考えられないほど、全身に重い疲労を感じていた。

花はほとんど見かけなかったが、大きなユリが咲いていた。

岩場にかかった梯子を登る。

山頂手前で視界が再び開けた。北西側の沿岸部が見えた。

鬱蒼とした潅木帯を通る。やはり九州の山は、草木の生える密度が違う。

8:45 ついに開聞岳山頂に到着。山頂は溶岩のせり上がりによってできた岩がゴロゴロしていた。

頭の上は青空なのに、眼下はガスで真っ白。大量のトンボが山頂の周囲を飛び交っていた。

途中で我々を抜かして行った女性ハイカーが、写真を撮ってくれた。

時間はたっぷりあるので、霧が晴れるのを待ちながらゆっくり休むことにした。

クロアゲハやアゲハチョウがユリの蜜を吸っていた。

山頂の西側には噴火口跡と思われる樹林に覆われた大きな窪地がある。

ゴマダラカミキリがいたので捕獲。触角が長くて太く、逃げようとする力が驚くほど強い。

ときおり心地よい風が吹き抜けて、どこからか湧いてくる雲もどんどん流れていく。開聞岳は4000年ほど前に起きた海中噴火で急速に成長した山と言われ、山体は二重構造で、玄武岩の上に堅固な安山岩のドームが乗っかっている。

後から汗だくで上ってきた登山者たちも、そのうち降りてゆき、貸切状態がしばらく続いた。

九州の浜風を感じながら、ひたすらのんびり過ごした。

そのうちガスが取れて、麓の街並みが見えるようになり、南東側の鹿児島湾も確認できるようになった。

南西、枕崎方面の海岸線。現れては消える波打ち際の白波がよく見えた。不思議と池田湖は最後までよく見えなかった。

山頂で待つこと3時間半。ガスもある程度晴れて、実に気持ちのよい時間を過ごすことができた。

12:15 下山開始。賑やかな時間帯もあったが、いつしか山頂は誰もいなくなっていた。

山頂直下で見つけたニホントカゲの幼体。

濃密な緑の中を下っていく。歩き始めると、すぐに汗が噴き出てきた。

9合目の露岩からカーブを描く枕崎方面の海岸線がよく見えた。

音もなく湧いては消えてゆく雲を眺めていると、つい時間を忘れてしまう。

階段を急下降。上ってくる登山者たちは、皆もれなく滝のような汗を流していた。

左の岬は長崎鼻。登山道が螺旋状になっているので、先ほどとは反対側の東の海岸線をみることができる。

うだるような暑さの中、風がそよとも吹かない。上っていく人の中には高齢の方もいて、少し心配になった。

13:25 5合目に到着。飲料水が残りわずかになってきたので、少しセーブしなければならなくなった。

右に突き出た岬が長崎鼻。海の向こうには大隅半島が見えるはずだが分からなかった。

長崎鼻の内陸、南東側には、鍋島岳や辻之岳など200m台の小さな山が見える。左は海ではなく池田湖。

深く削れた砂礫を下る。足元が滑るので注意して歩いた。

14:05 2合目登山口に到着。5合目からは長く感じた。 ここで山頂でみかけた男性登山者が、どこかでカメラを見なかったと問うてきた。 実は山頂に置き忘れたデジカメが1台あって、降りてくる時、持って降りるかどうか迷った末に置いてきたのだ。最初に見つけた人たちが、見えるところに置いて行ったので、何となく置いておいた方がよいのかな、と思ってしまった。取りに戻った所有者とすれ違いになるリスクはあるが、公園の管理棟に預ければよいのだし、持って下りればよかったのかもしれない。

その後、2合目登山口の三つ叉を嫁の言うがままに右へ進むが見知らぬ場所に出てしまい、引き返して今度は私の記憶で真っ直ぐ進むが、結局はそれも間違えていた。汗の滴る猛暑の中、そこそこの遠回りをすることになってしまった。

途中の自販機で炭酸飲料水とスポーツドリンクをがぶ飲み。生き返ったと感じるほどうまかった。

14:30 駐車場に到着。下界は35度を超える強烈な暑さで、明日以降の登山が思いやられた。
3時半起床、4時過ぎに道の駅 山川港活お海道から、登山口のかいもん山麓ふれあい公園へ移動した。コースは樹林帯の上りが9合目付近まで続くが、風がまったく通らず、体感温度は30度を優に超えていた。上り始めてすぐに滝のような汗をかき、私も嫁も気分が悪くなってしまった。ゆっくり登ることと、水分をこまめに取ることで持ち直したが、序盤は登頂が危ぶまれるほどであった。九州の夏山登山の洗礼を浴びたようにも思えたが、後から登ってきた九州在住の人が「こんな暑い山は初めてだ」と、バケツの水を頭からかぶったような大汗をかいて話していたので、やはり特別に暑い日だったようだ。
無数のトンボが飛び交う山頂はガスで真っ白だったが、山頂で長時間待つうちに霧が徐々に取れて、最終的には山麓に広がる指宿市の街並みを見渡すことができた。時折吹く風が心地よくて、風のありがたさを実感した。下りでも大汗をかいて予想以上に疲労したため、下山後は開聞岳の撮影スポットに立ち寄りながら、そのままヘルシー保養館の温泉へ向かった。