2012年12月9日 日曜日

川苔山・本仁田山

1,363 m  1,224m

 3時起床、3時45分出発。奥多摩駅に5時20分到着。この冬初めての本格的な寒波が到来していたが、道路凍結はなく、風も予想していたほど強くなかった。本仁田山まで上りが延々と続き、大ダワからの鋸尾根もアップダウンが多くて歩き応え十分であった。川苔山の山頂はあいにく遠望がいまひとつで富士山も見えなかったが、百尋ノ滝からの川苔谷沿いの道は滝が淵が連続して目に楽しく、沢音や渓谷美と相まって、ひじょうに魅力的なコースと感じた。

 バス時間に合わなかったので、川乗橋から奥多摩駅まで4km以上歩くことにしたが、少し歩き足りない感じだったのでちょうどよかった。15時台のバスより先に奥多摩駅に着けたのも嬉しかった。帰りは411号から16号に乗り、2時間の運転で帰宅できた。明るいうちに帰路につけると精神的にかなり違う。15時過ぎには下山できるような計画がよいと改めて感じた。

登山コースデータ
単純標高差 : 1,013 m
累積標高差 : 1,690 m
コース距離 : 17.5 km
標準コースタイム : 8 時間 15 分
歩行データ
総歩行時間 : 8 時間 10 分
総行動時間 : 9 時間 20 分

 コースタイム

奥多摩町役場P 5:50 ⇒ 安寺沢(あてらさわ)登山口 6:45 ⇒ 8:30 本仁田山(ほにたやま) 8:40 ⇒ 9:00 コブタカ山 9:05 ⇒ 大ダワ 9:20 ⇒ 舟井戸 10:20 ⇒ 10:50 川苔山 11:25 ⇒ 12:35 百尋ノ滝(ひゃくひろのたき) 12:50 ⇒ 13:35 細倉橋 13:40 ⇒ 川乗橋 14:15 ⇒ 奥多摩町役場P 15:10

5:20 奥多摩町役場 無料駐車場

奥多摩町役場に到着。駅のトイレを借りて、5:50 出発。

北氷川橋を渡って日原川の右岸を歩く。しばらく集落を進み、めおと橋を渡り返して再び川の左岸へ。

舗装された林道を歩く。6時20分を過ぎて、ヘッドライトがいらない明るさになった。

道を間違えて5分ほどロスするが、6:45 安寺沢の登山口に到着。民家のすぐ脇を通って登山道へ。

九十九折の急坂が延々続く。周囲はスギやヒノキの植林帯。登山口から本仁田山まで700m近くの上りとなる。都レンジャーによる「足場悪し!」の注意書きを目にしたが、確かに山道は谷側が削れて傾斜がついたところや、崩落気味のところがあった。

樹林の切れ間から西側に見えた三ノ木戸山(さぬきどやま)と六ツ石山。

大休場(おおやすんば)尾根に出ると、光が入って雰囲気が変わった。

いったん緩やかになった傾斜が再びキツくなる。まだまだ坂が続く。やがて周囲は植林から自然林へ。

8:25 花折戸(はなおりと)尾根との合流地点を通過すると、ゆるやかな稜線歩きとなる。

8:30 本仁田山 1,224m

8:30 本仁田山に到着。トタン屋根の小屋と剥げ落ちた山頂標があった。

山頂は東側が開けており、高水三山の向こうに関東平野が見渡せた。

東北東方面には筑波山がうっすら見えていた。

南西側の樹間に三頭山が見えたが、その奥に見えるはずの富士山は雲の中。

南東には東京スカイツリーとビル群が幽かに見えた。

10分ほど休憩してから川苔山へ向かった。

北側の尾根を下る。コナラやミズナラ、クリなどの落ち葉が積もっていた。

100mほど下ると傾斜は緩やかになった。

北東側の樹間に、三ツドッケの山頂部が見えた。「3つの突起」という名の由来がよく分かる山容と確認できた。

9:00 杉ノ殿尾根との合流地点、コブタカ山に到着。

コブタヤ山から大ダワまで、さらに100m以上下る。

途中で雑木の開けた場所があり、西側が一望できた。左から鷹ノ巣山、雲取山、天祖山(ほぼ中央)と続き、右手前に笙ノ岩山。笙ノ岩山の奥には酉谷山や三ツドッケなど長沢背稜の峰々が並ぶ。

正面に川苔山を眺めながらどんどん下る。

9:20 大ダワに到着。ここまではほぼコースタイム通り。

ウスバ乗越へ向かう道は、通行禁止のロープが張られていた。

我々は舟井戸方面へ。

通行「注意」の鋸尾根を上る。ちなみに巻き道は桟橋崩落で通行禁止となっていた。大ダワから舟井戸までは約250mの上り。

背後の南にはコブタカ山と本仁田山。左奥には大岳山も見えていた。

コブタカ山ヘ向かう途中ですれ違った老ハイカーに抜かれた。本仁田山から取って返したようだが、恐るべき健脚。

急登からなだらかな防火帯を進むと、次はクサリ場。危険を感じるほどではないが、気は抜けない。

10:20 広場のような舟井戸を通過。アップダウンを繰り返して進むうちに、徐々に疲れを感じてきた。

ひと上りすると川苔山の東の肩に出る。各ルートの交差する東の肩から一気にハイカーの数が増えた。

10:50 川苔山 1,363m

10:50 川苔山に到着。

ハイカーで賑わっていたが、思っていたほど混んではなかった。

山頂は西側が開けていた。左から鷹ノ巣山、高丸山、大洞山、雲取山、天祖山、芋ノ木ドッケ、タワ尾根ノ頭、酉谷山、三ツドッケと、石尾根から長沢背稜の展望がよい。

南側の眺め。手前の本仁田山の上には御前山。右奥に見えるはずの富士山はここでも雲の中。

眺めのよい場所に陣取って、カップ麺とおにぎりを食べた。手袋を脱ぐとすぐ手の感覚がなくなるほど寒かった。

ときおり突風が吹き抜けると、耐えられないような寒さとなる。風が強くなって下山するハイカーが増えた。川乗橋のバス時刻を逆算するが、13時台は間に合わず、次の15時台には時間が余りそうだった。

11:25 下山開始。バス時間に合わなければ、川乗橋から奥多摩駅まで歩けばよいということになった。

東の肩から北側の尾根に入ると急な下りとなる。上ってくる団体ハイカーと次々にすれ違った。

傾斜がゆるやかになり、横ヶ谷源頭部の谷筋を下る。

しばらく進むとコースは横ヶ谷の右岸へ。

12:00 分岐に出た。

足毛岩への道を左に分けて、百尋ノ滝方面へ向かう。

急坂を下る。

ここまでくると、他のハイカーとすれ違うことはなくなった。

左は断崖。渓谷の右岸につけられた山道には落ち葉が積もっているので、慎重に歩いた。

対岸に切り立った石灰岩の岩壁が見えてくると、百尋ノ滝はすぐ。壁に太い横線を引くように林道が走っていた。

12:35 百尋ノ滝

百尋ノ滝が見えてきた。急な階段を下りて滝壺へ向かう。

落差40mの百尋ノ滝。「尋」とは両手を左右に広げた長さで、6尺(1.8m)を表す。100尋の落差はないが、さすがに奥多摩を代表する名瀑、迫力と優美さを兼ね備えた立派な滝でした。

飛沫が凍って滝の周囲に貼りついていた。厳冬期の凍結度は毎年違うようだが、今年の2月にはめずらしく完全凍結したらしい。これからまた氷の層が厚くなっていくのだろう。

滝壺の周囲には落ち葉がびっしり積もっていた。

12:50 美しい眺めを堪能して百尋ノ滝を後にした。

右は深い谷。落ち葉で足元の凸凹が見えないので、慎重に進む。

川苔谷を何度か渡り返して、沢の流れに近づいたり離れたりしながら道は続いていた。

小滝や淵が連続する百尋ノ滝からのルートは、地形も複雑で思いのほか楽しい。

下をのぞくと滝が2段に連なっていた。

滝の上の淵。深く澄んで透明なモスグリーンに輝く。

淵の下の滝。

再び川苔谷の右岸へ渡る。

次は真新しい桟橋を進む。

13:35 細倉橋に到着。

登山口に公衆バイオトイレが設置されていた。小水力発電システムで電力が賄われている。

細倉橋からは舗装された川乗林道を歩く。路駐の車やバイクが入ってくるのを数台見かけた。

14:15 川乗橋のゲートに到着。次のバスは 15:01 なので、やはり奥多摩駅まで歩くことにした。

日原街道をひたすら歩く。意外と日原方面へ向かう車が多かった。

東京トラウトカントリーを通過。レストラン併設の管理釣り場、ボルダリングもできるらしい。

道路の反対側には氷川漁協養魚池。人工池にたくさんの魚が泳いでいるのが見えた。

奥多摩駅までは45分くらいと考えていたが、集落がなかなか見えない。徐々に足も疲れてきた。

15:00 やっと奥多摩駅近くの工場が見えた。15時のバスより早く着けそうだと、最後は元気が出た。

未明に通った北氷川橋を渡る。バスを使わなかった分、長い距離を歩くことになり、よいトレーニングになった。

15:10 駐車場に到着。今回もたっぷり歩いて、達成感のある山行になった。