2021年4月24日 日曜日
熊倉山
1,427 m ( 蝉笹山 1,445m )
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※地図をクリックするとルートを引いた国土地理院の地図を参照できます。
コースタイム
城山コース登山口P 6:25 ⇒ 道標NO.5 8:25 ⇒ 9:05 熊倉山 9:25 ⇒ 蝉笹山 9:45 ⇒ 10:00 シラカケ岩 10:25 ⇒ 蝉笹山 10:35 ⇒ 11:00 熊倉山 11:10 ⇒ 城山・日野コース分岐 11:15 ⇒ 笹平 12:05 ⇒ 13:55 三又林道終点 14:00 ⇒ 山の神 14:25 ⇒ 日野コース登山口 14:30 ⇒ 城山コース登山口P 15:00
6:05 城山コース登山口 駐車場
城山コース登山口の前に、5~6台停められる駐車スペースがある。
我々の後に到着した女性単独ハイカーが先に出発。6:25 我々も出発した。
出発してすぐに、北西側の樹間に御岳山と両神山の頭が見えた。
スタートからしばらくは、なだらかな道が続く。
10分ほどで九十九折の急坂となり、その後は延々上りが続く。
城山コースの道標にはNO.10から山頂のNO.1まで、番号が振られていた。7:03 NO.10を通過。
登山道脇に咲いていたヒトリシズカ。よく見ると斜面に小さな群落をいくつも作っていた。
花の後に残ったカタクリの葉。1枚になった葉をたくさん目にした。
ゆっくり着実に上る。
7:19 道標NO.9、7:26 道標NO.8を通過。7:33 道標NO.7を通過して尾根が狭くなってきた。
7:42 道標NO.6を過ぎたところで、熊倉山の山頂部が見えた。
NO.6からはアップダウンが出てきた。
いったん下ってまた上る。周囲にアカヤシオが目につくようになってきた。
ヤセ尾根を進む。
まだまだ上りが続く。
頭上のアカヤシオ。
朝陽を浴びたイワウチワの花びらが輝いていた。
イワウチワは傾斜のキツイ斜面に群落をつくっていたので、慎重に写真を撮った。
形のよいイワウチワがたくさん咲いていた。風がなかったので写真が撮りやすかった。
納得するまで写真を撮ってから先へ進んだ。
大きな岩の間を通る。
尾根の北側がひらけた場所から御荷鉾山が見えた。
手の届く距離に咲いていたアカヤシオ。
8:25 やっと道標NO.5を通過。少しづつ熊倉山が近づいてきた。
再びヤセ尾根を通過。
8:34 道標NO.3を通過。城山コース・日野コース分岐とあったが、日野コース方面は通行止のようだった。ちなみにNO.4には気づかなかった。
8:42 大岩のある道標NO.2を通過。
あともう少しだと思いながら、せっせと上る。
北側の樹間に谷津川が見えた。
8:35 城山・日野コースの林道分岐点を通過。ここから山頂はすぐだった。
山頂の看板が見えてきた。
9:05 熊倉山 1,427m
山頂に到着。鉄製の山頂標は、後から付けたと思われる木製部分以外は錆だらけで、錆の上にペンキで熊倉山と手書きされていた。
樹林に囲まれた山頂は西側だけが開けていた。左は和名倉山で、右は両神山。
山頂は南北に細長く、南側に小さな祠があった。
祠の前に座りやすい岩があったので、そこでおにぎりを食べて休憩にした。
9:25 まだ時間も早いので予定どおりシラカケ岩へ向かう。
「この先、『道迷い遭難』が発生 ! ※自粛して下さい」とあった。色んな意味で御座なりですな。
熊倉山~酉谷山間は、山と高原地図では破線ルートになっていて、実際に遭難事故も起きているが、シラカケ岩までは稜線上の一本道なので、まず迷うことはない。
小さなアップダウンが続く。踏み跡がはっきりしない所は、歩きやすいところを進んだ。
頭上に咲いていたアカヤシオ。
シラカケ岩までのコースタイムを40分くらいと妻には話したが、もっとかかりそうな気がした。
9:45 蝉笹山 (1,445m) を通過。ここが今回もっとも標高が高い地点。
尾根の左右は結構な傾斜なので、慎重に進む。
ヤセ尾根が続く。
やっと接写できる位置にアカヤシオが咲いていた。
10:00 シラカケ岩 1,430m
山頂の標札。駐車場で先に出発した女性ハイカーが休んでいた。
シラカケ岩は、西から南の眺めが抜群だった。
北西方面には両神山が見えた。
両神山の右奥には浅間山も見えていた。
南西方面。左に長沢山、芋ノ木ドッケと白岩山、右に和名倉山。和名倉山の左手前は霧藻ヶ峰。
南方面。左奥に酉谷山。その手前は檜岳。右奥には滝谷ノ峰と水松山。
檜岳へと続く稜線の西斜面にアカヤシオがたくさん咲いていた。
シラカケ岩でしばし眺めを楽しむ。後から来たおじいさんが妻の履いているブーティエルに目をとめて、「ゴローの靴を買いたいのだが」と話しかけてきた。D環 (紐通し) のことなど話したが、人好きのする方だった。
10:25 シラカケ岩を後にして、再び熊倉山へ向かう。
復路もアカヤシオを眺めながら歩いた。
近くに咲いているものをよく見ると、まだ蕾のものも多く、花のピークはもう少し先のようだった。
アカヤシオのピンクが樹々の緑と空の青によく映えていた。
一度歩いているので復路は早く感じた。
11:00 熊倉山に到着。10分ほど小休止してから下山を開始した。
5分も下ると、日野コースへ入る分岐まで来た。
城山・日野コースの林道分岐点で日野コースへ。
バラ科のツルキンバイ。ミツバツチグリに似るが、葉の形が少し違い、花もひと回り大きい。
ヒノキの植林帯を下っていく。
斜面に頭を出す巨岩。似たような大岩がよく見られた。
小ぶりのエイレンソウ。
ツルネコノメソウ。下るほどにネコノメソウの仲間も見られるようになった。
コガネネコノメソウ。口の開いた箱が並んだように見える。
花の写真を撮りながら、のんびり下った。
登山者が少なくて、静かな山歩きが続いた。
葉だけのエイレンソウ。
しばらく下るとコバイケイソウの大きな群落が出てきた。
12:05 笹平とかかれた道標を通過。
アブラナ科のミツバコンロイソウ。綺麗に咲いている花を何度も見かけた。
ニリンソウも元気に咲いていた。
ケシ科のヤマエンゴサク。
コバイケイソウの群落内に、ハシリドコロも群生していた。
笹平を過ぎて、寺沢川の源頭部を下る。
綺麗なコケ。
妻が見つけた白黒の虫。調べてみるとアカスジキンカメムシの幼虫だった。
イワネコノメソウ。ツルネコノメにそっくりだが、葉の形と葯の色が違う。
花があると足を止めて写真を撮るので、なかなか先へ進めなかった。
咲いているカタクリを見たのは、この一輪のみ。
トウゴクサバノオも綺麗に咲いていた。
なかなか沢沿いに出ないので心配になってきたが、事前にあると知っていた90度に折れる道標が出てきて、下るのが遅いだけで道は間違っていないと分かった。
ニョイスミレかな。
寺沢川の源頭部にある大岩まできた。
ヤマトアザミテントウ。カメラを近づけるとすぐ飛んで逃げた。
下るほどに、どんどん沢の音が近くなってきた。
ついに沢が見えてきた。
ここからは寺沢川沿いを下っていく。
ツルネコノメともイワネコノメともちょっと違う感じのネコノメソウを見つけた。葯の色からチシマネコノメソウだと思うのだが、、分からない。
何度か沢を渡渉しながら進む。増水したら簡単にルートを見失ってしまいそうだ。
コチャルメルソウ。
沢沿いの新緑が綺麗だった。
チドリノキの若葉。
ワチガイソウも咲いていた。
沢沿いも花が多くて、全然前に進まなかった。
サワハコベかと思ったが、茎に毛があったのでミヤマハコベのようだ。
ガードレールが見えてきた。
13:55 三又林道終点。ダートで数台は停められそうなスペースがあった。
林道でも戻れるが、我々は沢沿いをさらに進んだ。
三又林道終点からしばらくは、踏み跡がほとんどなく、道がわかりづらかった。
飛び跳ねるように移動する鳥がいると思ったら、コマドリだった。残念ながら鳴き声は聞けなかった。
しばらくすると広くて分かりやすい道となった。
岩を削った切り通しを進む。
14:25 山の神と思われる祠を通過。
石垣のようになったところもあった。
14:30 日野コース登山口に到着。
登山口付近から眺めた北東方面に、大霧山が見えた。
タチツボスミレ。
砂利の林道を進む。
少し進むと舗装の林道に出るので、左側 (西側) へ進む。
駐車場まで林道歩きが続く。道端の花を探しながらのんびり歩いた。
ケシ科のキケマン。
崩落した土砂の上にニッコウネコノメが群生していた。
ガードレールの下に咲いていたキュウリグサ。
ヤブヘビイチゴが一輪咲いていた。
15:00 城山コース登山口の駐車場に到着。久しぶりに登山らしい山歩きを楽しめた。
3時40分起床、4時20分出発。現地には6時5分到着。道迷いと地味なイメージのある熊倉山だが、①アカヤシオやネコノメソウの花期である ②5月の連休前に少し負荷のかかる登山がしたい ③新型コロナ禍は続いているので、なるべく人の少ない山、ということで、初めて挑戦することにした。
スタートから上りが延々続いたが、最初からトレーニングのつもりでいたのでしっかり登ることができた。熊倉山からシラカケ岩の間はアカヤシオが開花しており、イワウチワやネコノメソウなどの花もたくさん見ることができた。シラカケ岩の展望も思いのほか素晴らしく、地味な山のイメージは完全に覆された。狭い熊野林道の運転には神経をつかったが、また行きたいと思えるほど楽しく充実した山行となった。