2018年1月1日 月曜日

三ツドッケ

1,576 m

 元日0時半起床、1時10分に自宅を出発。東日原に3時到着。駐車場には車が2台止まっていたが人の気配はなかった。暗闇の中を上っていると昨年の元日登山を思い出したが、ヨコスズ尾根では昨年の稲村岩尾根の谷間で感じたような怖さを感じる場所はなかった。山頂から見事な初日の出を眺めることができたが、昨年の賑やかな山頂とは違い、今回は独り静かにその瞬間を迎えた。少し寂しい気もしたが、静寂の中にまた違う味わいがあった。当初は蕎麦粒山から川苔山へ向かうつもりでいたが、帰宅後にやることがある上に、明日も予定が詰まっていたので、そのまま下山を決めた。下りで左肩や右足甲の違和感が痛みに変わってきたので、強行していたら大変なことになっていたかもしれない。

 帰りの道はそれほど混んでおらず、昼過ぎに帰宅。今年も初日の出を拝んで、元日登山を無事に終えることができた。感謝の気持ちを忘れずに、今年もよりまっとうな人間になるべく努めようと真摯な気持ちになりました。

登山コースデータ
単純標高差 : 956 m
累積標高差 : 1,070 m
コース距離 : 11.6 km
標準コースタイム : 4 時間 55 分
歩行データ
総歩行時間 : 5 時間
総行動時間 : 6 時間 15 分

 コースタイム

東日原駐車場 3:35 ⇒ 一杯水避難小屋 6:00 ⇒ 6:30 三ツドッケ 7:15 ⇒ 一杯水避難小屋 7:30 ⇒ ( 山林でコーヒータイム30分) ⇒ 東日原駐車場 9:50

3:00 東日原 駐車場

3:35 登山スタート。寝静まった集落を通って、ヨコスズ尾根を上る。

樹間にライトのように明るいスーパームーンが見え隠れして、月と並走しているような錯覚に陥った。

道標が人のように見えて、一瞬足が止まった。周囲の暗闇は重たく動かないが、心はちょっとしたことで揺れ動く。

先が見えないような崖の曲がりではわずかに緊張が走る。仲間に警戒を促すシカの鳴き声が2度ほど暗闇に響き渡った。

6:00 一杯水避難小屋に到着。予定した時間より少し早かった。

寒暖計はマイナス5度。小屋で休もうと思っていたが、中に人がいたのでそのまま山頂へ向かった。

山頂に近づくほどに風が出てきて山鳴りが大きくなった。

6:30 三ツドッケ 1,576m

誰もいない山頂に到着。すぐにダウンの上下を着て、身体が冷えないようにした。

夜明け前の空は雲ひとつなく、今年も初日の出を見られると確信した。おにぎりを食べて日の出を待つ間に、寒さで足先の感覚がなくなってしまった。

じっと寒さに耐えていると、6:50 東の雲海に待望の光が浮かんだ。

三ツドッケから眺めた初日の出は、川苔山の上あたりに出た。

あわただしく写真を撮っている間に、卵の黄身をおもわせる楕円形の光が球体に近づいて、みるみる光量を増していく。

いつも初詣には行かないので、初日の出に今年もよい年になりますようにとお祈りする。

富士山には、今年も無事によい登山ができますようにと願をかけておいた。

初日の出の直後から、あたりが鮮やかなモルゲンロートに染まった。

丹沢では多くの人が賑やかに初日の出を迎えているだろうが、こちらは時折吹き抜ける風の音しか聞こえない静寂の中にあった。

雲取山と芋木ノドッケ方面。長い波長をもつ赤系の光だけが地上に届く、特別な時間帯はごく短い。

世界が赤いうちにと、三角点にカメラを置いてタイマー撮影。世界は美しいと思える光景をより多くの人が見られたらよいのになぁ、とふと思い、そうした光景をいま目にしていることに感謝の念が沸いた。

7:15 ダウンを脱いで下山開始。身体がコチコチに固まっていたので、慎重に歩き始めた。

スポーツドリンクを飲もうと思ったら、シャリシャリに凍ったドリンクがボトルの口を塞いでしまった。

7:30 一杯水避難小屋を通過。中にいた人たちはいなくなっていた。蕎麦粒山へ向かうか迷うが下山することにした。

何かにひっかかれた木の幹。熊の爪痕のように見えたが、落ち葉で足跡は見つからなかった。

三ツドッケの山頂からだいぶん下りてきた。何だかすぐ下山するのはもったいないと思えてきたので、途中の樹林で腰を下ろせる倒木を探し、コーヒー・タイムにした。陽の当たる静かな山林で、ただぼんやりとしばらく座っていた。

この日すれ違った登山者は2人だけ。1人は白髪の老人で、テン泊装備と思われる重そうなリュックを背負っていた。

落ち葉が深い崖の道を進む。

九十九折の植林帯に入ると東日原の集落は近い。

9:50 東日原の駐車場に到着。3年連続となる元日登山は今年も無事に終了した。