2011年9月18日 日曜日

苗場山

2,145 m

 2時起床、天気予報を確認して2時半に出発。第2リフト町営駐車場の手前数キロは、悪路が続いてヒヤヒヤした。5時前に着いたときは、すでに10台前後の車が停まっていた。スキー場の中を通る祓川コースを進んだが、今回は武尊山のときよりも身体が軽く、順調に歩くことができた。虫は気になるほどではなかったものの9月にしては多いと思われ、大量に発生する季節に来るのは難しいと感じた。広々とした山頂は抜群の解放感で、大小さまざな池塘が点在する湿原は巨大な庭園を思わせた。北アルプスもずらりと眺めることができたし、若干不安視していた天候も一日晴れ渡って絶好の登山日和となった。下ノ芝からの下りは足元が滑りやすくて一気に疲労を感じたが、しっかりと最後まで歩くことができた。

 帰りの高速で事故渋滞に巻き込まれ、通常よりも時間はかかったが、明日もう一日休みなので気分的には楽だった。今回は日程に余裕の生まれる3連休の中日に、山歩きを存分に楽しむことができてよかった。

登山コースデータ
単純標高差 : 925 m
累積標高差 : 1,305 m
コース距離 : 15.3 km
標準コースタイム : 8 時間 35 分
歩行データ
総歩行時間 : 8 時間 45 分
総行動時間 : 10 時間 40 分

 コースタイム

第2リフト町営P 5:25 ⇒ 和田小屋 5:55 ⇒ 下ノ芝 7:00 ⇒ 7:45 中ノ芝 8:00 ⇒ 8:35 神楽ヶ峰 8:40 ⇒ 10:10 苗場山 11:00 ⇒ 池塘群(赤湯方面) 11:20 ⇒ 11:35 自然体験交流センター 12:00 ⇒ 13:00 雷清水 13:10 ⇒ 神楽ヶ峰 13:30 ⇒ 13:50 上ノ芝 13:55 ⇒ 14:40 下ノ芝 14:45 ⇒ 和田小屋 15:40 ⇒ 第2リフト町営P 16:05

4:55 かぐらスキー場 第2リフト町営駐車場

身支度をゆっくりしているうちに、夜が明けてきた。色を変えていく朝焼けの雲が綺麗だった。朝の寒さはなく、暑くなりそうな感じがした。

5:25 駐車場を出発。

登山道はすぐ林道に合流して、和田小屋までは荒れた舗装道路が続く。

林道歩きは、ちょうどよいウォームアップになった。

途中で朝日が昇ってきた。

ゆっくり歩いて、30分ほどでゴンドラリフトの建屋に到着。

ゴンドラリフトの近くにある和田小屋の窓から食事をするハイカーの姿が見えた。

ロープの張られたゲレンデを通って登山道へ。

右手に沢の音を聞きながら、木道や滑りやすい石ゴロの道を歩く。

土は粘土質で、石や木の根は湿っているので滑りやすい。下りでは苦労しそうな道が続いた。

木道はよく整備されていた。

7:00 和田小屋から65分で下ノ芝に到着。

立派な角材で作った大きなベンチが設置されていた。

西側に見えた山。小松原コースの稜線かな。

針葉樹林の急坂を上る。虫が少しうるさいので、虫よけスプレーをして進んだ。

朝から快晴で、紺碧の空に月が見えた。

背後の広大な景色を時折ふり返りながら上った。

体長15cmほどの巨大カタツムリを発見。

開けたガレ場に出ると中ノ芝はすぐだった。

中ノ芝は北東方面が開けている。真新しい方形のベンチで長めの休憩をとった。

北北東方面。中央に守門岳、右には浅草岳。雲に覆われているのは南魚沼市のあたりだろうか。

北東方面には、八海山、越後駒ケ岳、中ノ岳と越後三山。右には雲がかかった巻機山も見える。

東方面には谷川連峰が見えるはずだが、波のような雲海が広がっていた。

アンパンなど行動食を食べて再出発。汗が吹き出るので水分もしっかり取った。

気持ちのよい木道歩きが続き、15分で上ノ芝。

東にはカッサ湖と茂倉岳、谷川岳はやはり雲の中だが右に仙ノ倉山が少し見える。

小松原分岐からは稜線歩きとなり、股スリ岩を過ぎる。

こじんまりした神楽ヶ峰に到着。

ここまでは非常によいペース。神楽ヶ峰からさらに進むと、正面に苗場山が見えてきた。

威風堂々とした苗場山。あの山頂部に高層湿原があるとは思えない。

苗場山の左、南側に上ノ倉山、白砂山、佐武流山などが見えた。

苗場山の右、西側には鳥甲山(とりかぶとやま)や妙高連山などが見えた。

鳥甲山。背後には北アルプスがずらりと並ぶ。

山頂部に雲がかかった妙高山(左)と火打山(右)。

神楽ヶ峰から苗場山の鞍部までの下りは150mほどだが、この高低差は予想以上だった。

標識に「富士見坂」とあったが、富士山は見えない場所であり、苗場山を富士と見立てたものらしい。

「雷清水」と鞍部にある「お花畑」の標柱を過ぎると、本格的な上り返しが始まる。

見た目もキツそうな上り返しは約270m。

九合目を越えて、さらに上る。

最大の難所「雲尾坂」。

降りてきたハイカーの「いまなら北アルプスが見えますよ」との言葉を励みにする。

健脚の山男に追い抜かれながら雲尾坂を上り切ると、山頂台地の端に出て視界が一気に開けた。

広大な湿原が広がる山頂はまるで別世界。

遠くに北アルプスが見えて、テンションがさらに上がった。

開放感抜群の高層湿原。標高2,000mを越えている場所という感じがまったくしなかった。

点在する大小さまざまな池塘。

山頂とは思えない広々とした景観が広がる。

山頂湿原に延びる木道を爽快な気分で歩いた。

台地を吹き抜ける風がまた心地よかった。

休業中の「遊仙閣」。

10:10 遊仙閣の裏にある山頂標識で記念撮影。木立に囲まれて展望はない。

自然体験交流センター(山頂ヒュッテ)裏の展望台から、鳥甲山と北アルプスが見えた。

鳥甲山。麓には秋山郷と思われる集落も見えていた。

雲海に浮かぶ北アルプスの峰々。

ふたたび山頂ヒュッテに戻り、次は北アルプスが眺められる西側へ向かった。

ヒュッテのベンチで登山者がくつろいでいた。

山頂ヒュッテの下には大きな方形ベンチがあり、食事を広げるハイカーたちで賑わっていた。

まずは西側に延びた木道を進んでみた。

大きな池塘の先、東側には雲のかかった谷川連峰。

西側には北アルプスの山並み。

雲海の波に浮かぶ北アルプス。

槍ヶ岳が確認できた。

湿原内には入れないし、食事をする適当な場所もないので、山頂ヒュッテ下の方形ベンチまで戻ることにした。

ゆるやかに木道を上り返す。

人は多いが休む場所は確保できそうだった。

10:35 方形ベンチで昼食。白っぽい板敷の照り返しがキツくてとても暑かった。

11:00 のんびり休憩した後、赤湯方面の池塘群を見に行くことにした。

龍ノ峰の先には白砂山や佐武流山など上信越国境の山々が並ぶ。

笹原などを抜けて15分ほど歩くと池塘が点在する場所に出る。

まわりは広大な自然庭園といった感じ。

ほとんど人の通りがないので、のんびりと散策できた。

木道に現れたカルガモを嫁が発見。カルガモは急ぎ足で木道を横切り、大きな池塘へ向かった。

カルガモは池塘の水面を滑るように進む。

帰りが大変なので、適当な所で引き返すことにした。

雲が増えてきたと思ったら霧も出てきた。山頂ヒュッテでポカリを購入して下山の準備をした。

12:00 下りはなるべくゆっくり歩きたいので、余裕をもって予定よりも早く出ることにした。

眺めのよい高層湿原から下りにかかる。

雲尾坂を下る。

まだ体力的に余裕があったので、すいすいと楽に下ることができた。

神楽ヶ峰へと続く道を一望に収める。

上から九合目あたりの嫁を写した。

谷川連峰方面を眺める。左に茂倉岳と一ノ倉、谷川岳には雲がかかり、万太郎山と仙ノ倉岳はほぼ見えていた。

鞍部の近くまで降りてきた。

苗場山の山頂付近にガスがかかり始めた。

お花畑まで降りて、雷清水の手前で小休止。

疲れているように見えるが、まだそれほど疲れてはいなかった。

順番を待って雷清水で水を組む。冷たくておいしい水でした。

苗場山はすっぽりと雲の中。

13:30 おばさんグループのいた神楽ヶ峰を素通り。

通り過ぎた後も、拡声器を使っているかと思うくらいおばさんグループの声が聞こえてきた。

股スリ岩と小松原分岐を越える。

山道周辺にもガスが出てきた。

13:50 上ノ芝で休憩。

この後、何人かの高齢ハイカーに追い越されたが、只者ではないと思えた。

木道と石ゴロの道が交互に続く。

油断すると拡声器おばさんの声が追いついてくるので、せっせと下る。

14:40 下ノ芝に到着。ここからの滑りやすい道で一気に疲労した。

15:40 和田小屋到着。

帰りは林道をずっと歩いた。

16:05 車がまばらになった駐車場に到着。最後はやっぱり疲れ切った。