2018年10月21日 日曜日

那須岳

三本槍岳 1,917 m

 2時起床、2時55分出発。現地には4時55分到着。当初は奥多摩のトレーニング登山か、平標山を考えていたが、終日晴れの予報からもっと展望のよい山へ行きたくなり、朝起きてから10年ぶりの那須岳登山を決めた。朝方は風が強く、山頂付近にガスがどんどん流れてきていたが、時間とともに風は弱まり、ガスもとれていった。昼頃には雲海に覆われていた北側の遠望もきくようになり、山頂と稜線から360度の大パノラマを楽しめた。これだけ簡単に登れて、変化に富む景観を楽しめる百名山は数少ない。あらためて素晴しい山だと実感した。

 下山が予定よりも遅くなったこともあり、那須市内から渋滞にはまり、高速に乗ってからも数ヶ所で渋滞に巻き込まれた。帰りの運転ですっかり疲弊してしまったが、腰痛は最後まで出なかった。行先が二転三転したが、貴重な秋晴れの週末に登山を始めるきっかけとなった那須岳に登れて大満足の山行となった。

登山コースデータ
単純標高差 : 455 m
累積標高差 : 965 m
コース距離 : 11.8 km
標準コースタイム : 5 時間 55 分
歩行データ
総歩行時間 : 6 時間 15 分
総行動時間 : 8 時間 30分

 コースタイム

峠の茶屋P 5:40 ⇒ 6:30 峰の茶屋 6:40 ⇒ 7:15 茶臼岳 8:00 ⇒ 峰の茶屋 8:30 ⇒ 9:20 朝日岳 9:30 ⇒ 9:35 朝日岳分岐 9:45 ⇒ 北温泉分岐 10:25 ⇒ 10:55 三本槍岳 11:45 ⇒ 北温泉分岐 12:10 ⇒ 12:55 朝日岳分岐 13:05 ⇒ 峰の茶屋 13:35 ⇒ 峠の茶屋 14:10

 

5:40 駐車場を出発。鳥居をくぐって登山道へ。

駐車場近くはまだ綺麗な紅葉が残っていた。

歩き始めてしばらくすると朝陽が昇ってきて、山の斜面が赤く染まった。

紅葉していた朝日岳の南側斜面も、鮮やかな赤色に。今回からデジカメはキャノンの「Powershot G7X MarkⅡ」を使用しているが、キャノンの発色は赤や青が鮮やかに出る印象を受けた。

こちらは嫁がニコンの「COOLPIX P310」で撮った写真だが、ニコンの方が発色は抑え気味に感じる。このサイズではあまり違わないように見えるが、大きなサイズで比較するとG7XⅡの描写力が数段勝る。

剣ヶ峰。左の肩にこれから向かう峰の茶屋跡避難小屋が小さく見える。多機能なG7XⅡを使いこなそうと、絞り優先モードなど設定を色々変えて写してみたが、結局風景はAutoモードが一番よく撮れていた。星空や花を撮るとき以外はAutoで十分のようだ。

忙しく写真を撮りながら歩いているうちに、避難小屋が近づいてきた。

6:30 峰の茶屋跡避難小屋に到着。まだ人が少なかったので、中をのぞいていくことにした。

小腹が空いたので、避難小屋の中で行動食のあんぱんを食べた。外は強い風が吹いていたが、避難小屋はとても静かで快適。

避難小屋を出て茶臼岳へ向かったが、北西側から霧がどんどん流れてきていた。

牛首との分岐で振り返ると、避難小屋の後方は真っ白で何も見えなくなっていた。

強い風にあおられながら、岩ゴロの道を上っていく。南側は雲一つない青空が広がっていた。

雲に飲み込まれていた朝日岳が一瞬見えて山頂に登山者の姿が確認できたが、朝日岳も三本槍岳も朝早い時間帯は真っ白だったのではなかろうか。

茶臼岳の火口縁に出た。

反時計回りに御鉢巡りをして、最高地点へ向かう。

水たまりに氷が張っていたが、山頂稜線は風が強くてカメラを持つ手がかじかんだ。

ぐるっと回って山頂が見えてきた。

山頂手前で起きていたブロッケン現象。

7:15 茶臼岳山頂(1,915m)に到着。風が強くて寒かったが、ガスが取れるのを山頂で少し待つことにした。

北側には茶臼岳の火口が広がる。その向こうには朝日岳。この時間、三本槍岳は雲に隠れていた。

東側には那須の市街地が一望できる。那須ロープウェイもこちら側。

南側。遠くに見えるのは筑波山。右手前は南月山。

筑波山のアップ。

南西側の眺め。左に釈迦ヶ岳と鶏頂山で真ん中手前は大佐飛山(おおさびやま)。大佐飛山の奥には日光連山が並ぶ。南西から西にかけては雲海が広がっていたが、時間とともに雲が晴れて山並が見えてきた。

真ん中に男体山、女峰山、帝釈山、小真名子山と並ぶ山塊、その右隣に太郎山と日光白根山が見える。

釈迦ヶ岳の左には、幽かに富士山も見えていた。

8:00 移動開始。東側のロープウェイ山頂駅側へ向かい、火口縁を一周する形で峰の茶屋跡へ戻る。

分岐でロープウェイ山頂駅へ向かう道を分けて、北側の峰の茶屋跡へ進む。ちなみにロープウェイは標高1,690mまで延びている。

時間とともに人が増えてきた。北東の那須町を一望しながら岩ガレを下る。

前方に朝日岳と剣ヶ峰が見えてきた。

右手の岩壁は茶臼岳の外輪山。

北西側から流れてくるガスも減ってきて、三本槍岳方面の山も徐々に姿を現し始めた。

牛首方面との分岐付近からみた茶臼岳。近くで2~3歳の男の子がお尻丸出しでおしっこをしていた。峰の茶屋跡避難小屋にトイレはないので、小さなお子さんを連れた親は大変。

8時を回って避難小屋周辺も人が増えていた。

8:30 峰の茶屋跡避難小屋を通過。そのまま朝日岳へ向かった。

剣ヶ峰の東斜面を巻くようにして進む。道はこんなに広かったかと思うほど、歩きやすかった。

登山道の下は鮮やかな紅葉がまだ残っていた。

剣ヶ峰を過ぎると左手に大岩が現れた。

次は双耳の岩。火山特有の荒涼とした景観が広がる。

しばらく進むと手すり用のクサリが設置された岩稜が見えてきた。

この日一番の急登をせっせと上る。

次は鎖の岩場をトラバース。

ザレ場を上ると多くの登山者が休憩する朝日岳の肩に出た。そのまま朝日岳へ向かった。

9:20 朝日岳山頂(1,896m)に到着。

360度の展望が広がる朝日岳で、しばし眺めを楽しんだ。

北西側の能見曽根と1,900m峰。

1,900m峰の右隣に、ガスにおおわれていた三本槍岳が見えた。

南側には那須岳主峰・茶臼岳。

10分ほど眺めを楽しんでから下山した。

9:35 朝日岳分岐で小休止。大きな石積みの道標に腰を下ろしておにぎりを食べた。

このまま下山してジョイヤミーアへ行くプランが頭をよぎったが、誘惑を捨てて三本槍岳へ向かった。

能見曽根へ向かう。

小ピークを越えて上り返すと能見曽根に到着。ここで隠居倉へ向かう道を分ける。

隠居倉方面の眺め。

なだらかな稜線を歩いて1,900m峰へ向かう。

素晴しい展望が続くのでつい足が止まる。

10:00 1,900m峰を通過。

三本槍岳(左)と1,880m峰(右)。三本槍岳の山頂付近を流れるガスは少なくなって、山頂が隠れることはほとんどなくなった。

気持ちのよい稜線歩きがしばらく続いた後は、清水平への下りとなる。

1,880m峰を前方に見ながらクマザサの道を下る。

清水平には木道が敷かれている。ベンチの置かれた場所では多くの登山者が休憩していた。

10:25 北温泉分岐を通過。その後、1,880m峰の南斜面を左へ巻くようにして三本槍岳との鞍部へ進む。

ハイマツとクマザサに覆われた鞍部に出ると、あとひと上りで三本槍岳。

10:55 三本槍岳(1,917m)に到着。山頂は多くの登山者でにぎわっていた。

順番を待って記念撮影。座る場所を見つけるのに苦労するほど山頂は混雑していた。

南側。左から朝日岳、1900m峰、能見曽根と並び、中央に茶臼岳、その右に南月山と日の出平。日の出平の右手前は隠居倉。

南西側。真ん中に大佐飛山、その後ろには日光連山。左奥には釈迦ヶ岳と鶏頂山、右奥には燧ヶ岳も見える。左手前に見える水面はダムのある沼原調整池。

西側には裏那須と呼ばれる流石山(ながれいしやま)、大倉山、三倉山(みくらやま)と続く稜線が大きな山塊として見える。

北側。中央の三角は旭岳(赤崩山 あかくずれやま)、その左肩に観音山、左奥に小野岳、右には二岐山(ふたまたやま)、小白森山、大白森山が並ぶ。小野岳の上には飯豊山が見えるはずだが、山頂部は雲をかぶっていた。

空いたスペースに腰を下ろしてカップ麺を食べているうちに、小白森山と大白森山の上に、見えていなかった磐梯山と吾妻山が見えるようになった。手前には猪苗代湖も見える。右端に見えるはずの安達太良山は雲の中。

11:45 大展望にすっかり満足して下山開始。

広々とした1,880m峰との鞍部へ下る。

清水平の木道まではあっという間。前方1,900峰の左に突き出ているのは朝日岳。

清水平と三本槍岳。

1,900m峰への上り返し。

短い急坂なので、10分ほどで眺めのよい稜線に出られる。

午後になって、ますます北側の眺めがよくなった。

傾斜がゆるやかになり、前方に朝日岳と茶臼岳が見えてきた。

北西側には先ほどまでいた三本槍岳。丸みを帯びた山容なのに三本槍岳と呼ばれるのは何故かと調べてみると、その北肩が下野・磐城・岩代の三国境になっていて、往時に黒羽・会津・白河の3藩が所領確認のために槍を立てたことに由来すると分かった。

三本槍岳の右隣の1,880m峰。

1,880m峰の右奥に隠れていた安達太良山が姿を見せた。左奥は磐梯山と吾妻山。

12:40 1,900m峰を通過。

とにかく眺めがよいので、カメラの設定をいろいろ変えて何枚も同じような写真を撮った。

能見曽根から眺めた朝日岳。

能見曽根から眺めた茶臼岳。

能見曽根から眺めた隠居倉と裏那須の山塊。

12:55 朝日岳分岐に戻ってきた。団体ハイカーも含めた多くの人が朝日岳に登っていた。

往路でも腰かけた石積みの道標で一休み。

あまりのんびりしていると渋滞に巻き込まれそうなので、13:05 下山開始。

トラバース気味の狭いクサリ場を通過。前は団体で渋滞気味となっていたのでゆっくり進む。

次はザレの急坂を下る。

岩場の急坂を下り終えると、いよいよ剣ヶ峰と茶臼岳が近づいてくる。

北東側を振り返ると朝日岳の荒々しい岩壁がそびえる。

13:35 剣ヶ峰の中腹を巻いて峰の茶屋跡避難小屋に到着。ますます人が増えていたので、そのまま峠の茶屋へ向かった。

峰の茶屋跡から眺めた茶臼岳。右の斜面に噴煙が見える。

剣ヶ峰と朝日岳。

手ごろな石を探しながら歩いて、結局5個くらい拾った。

途中で剣ヶ峰を振り返る。

左手の北側には朝日岳の岩峰。とてもよい山行になったとしみじみ感じた。

樹林帯に入ると駐車場は近い。

14:10 峠の茶屋駐車場に到着。満車状態で入れない車が列をなしていた。