2011年9月23日 金曜日

北沢駒仙小屋テント泊登山 1日目

仙丈ヶ岳

3,033 m

 前夜21時40分に自宅を出て、1時5分に仙流荘の無料駐車場に到着。車内で仮眠をとって4時40分に起床、5時15分頃出たバスに乗った(始発の2台目)。6時過ぎに北沢峠に到着。北沢駒仙小屋へ移動して、テントを設営してから登山を開始した。バスの中から曇り空とガスのかかった山峰が見えていたが、時間とともに青空が広がり登山日和となった。森林限界を抜けてハイマツの稜線に出ると一気に視界が広がり、解放感溢れる尾根歩きが続いた。あいにく山頂手前でガスが出てきたが、小仙丈尾根から十分過ぎるほどの展望を楽しむことができた。台風による土砂崩れにより芦安-広河原間が通行止になっている影響からか、ハイカーの姿が予想以上に少なくて、終始静かに歩けたのもよかった。コースに危険箇所はなくて歩きやすい道がほとんどなので、翌日の登山を心配させるような膝へのダメージは感じなかったが、午後からは寝不足による軽い頭痛が続いた。

 テン場に戻ってから北沢で足裏を冷やしたが、数秒で痛くなるほど水が冷たかった。夕飯はアルファ米とレトルトパックの豚の角煮。これがやたらと美味しくて、最高の御馳走となった。18時過ぎには寝る準備を済ませ、翌日の甲斐駒登山に備えて早々に寝た。目的がはっきりしているからか、うるさいテント客はひとりもいなかった。

登山コースデータ
単純標高差 : 1,053 m
累積標高差 : 1,120 m
コース距離 : 8.9 km
標準コースタイム : 7 時間 5 分
歩行データ
総歩行時間 : 7 時間 15 分
総行動時間 : 8 時間 55 分

 コースタイム

北沢駒仙小屋 7:05 ⇒ 8:45 大滝ノ頭 8:50 ⇒ 9:15 (森林限界ライン) 9:25 ⇒ 10:00 小仙丈ヶ岳 10:15 ⇒ 11:20 仙丈ヶ岳 12:10 ⇒ 仙丈小屋 12:30 ⇒ 13:25 馬ノ背ヒュッテ 13:30 ⇒ 14:25 大滝ノ頭 14:40 ⇒ 北沢駒仙小屋 16:00

1:05 仙流荘 無料駐車場

前夜21時40分に自宅を出て、やっと到着。すでに車は一杯。車内で仮眠をとった。

始発は6時だが、5時になると数が揃った時点でバスを出していた。5:15 始発の2台目に乗った。

6:05 北沢峠

バスを降りて北沢駒仙小屋へ。徒歩10分ほどだが、ずっしりとリュックが重かった。

北沢駒仙小屋。サイト利用料は1人500円。(※2012年に建替え。長衛小屋に名が戻された)

100張り可能なテント場はまだ空いていた。

沢沿いの角を確保。20分ほどで設営を完了した。

サイトのすぐ脇を流れる北沢。

7:05 北沢駒仙小屋を出発。

小仙丈尾根から上り、馬ノ背へ下るコースをとった。

上り始めてすぐの展望台から北岳が見えた。山頂部に雲がかかっていた。

コメツガやシラビソの樹林帯をひたすら上る。三合目あたりから傾斜が増してきた。

8:45 五合目の大滝ノ頭に到着。休憩後、藪沢小屋への道を分けて、さらに上る。

背後には威容を誇る甲斐駒ヶ岳。

ダヶカンバが目立ち始めると、森林限界はすぐだった。

樹林帯を抜けた場所から見た甲斐駒ヶ岳。

となりの鋸山。

北西方面の雲海に浮かぶ穂高と槍ヶ岳。名峰は見えただけで得した気分になれる。

ハイマツの広がるたおやかな小仙丈尾根。

9:25 小仙丈ヶ岳へ向かて登山再開。

広々した稜線を上って行く。

南アルプスの山は大きい。ひたすら上る。

爽快な稜線歩きが延々と続く。心まで広々として、この稜線歩きだけで来た甲斐があったと感じた。

登山者の数も予想していたほどではなかったので、前後を気にすることなく、快適に歩くことができた。

背丈ほどのハイマツ帯もあったが、道が広くとられているので歩きやすかった。

森林限界を越えてからのルートが一望できる。甲斐駒の麓には北沢駒仙小屋のテン場も見えた。

10:00 小仙丈ヶ岳に到着。

眺めを楽しみながら、しばしのんびり過ごした。

西側、仙丈ヶ岳の右に延びた馬ノ背の奥には中央アルプスが見えていた。

北東方面。左に鋸山と甲斐駒ヶ岳。

鋸山の奥に見えた八ヶ岳。

甲斐駒ヶ岳の右隣には悪沢山とアサヨ峰。右には雲に飲み込まれそうな鳳凰三山。

南東側には北岳と間ノ岳。北岳の中央に走る谷は前白根沢。

鳳凰三山のオベリスクが、ときおり雲の中から現れていた。

15分休憩してから仙丈ケ岳へ向かった。

南西側正面にそびえる仙丈ヶ岳。山頂まで1時間と思っていたが、ここからが遠かった。

小さなアップダウンを越えて進む。

とにかく眺めがよいので、立ち止まっては写真を撮った。

馬ノ背の中腹には馬ノ背ヒュッテが小さく見えた。

なかなか縮まらない山頂までの距離に仙丈ケ岳の大きさを感じた。

ひと山越えるとまたひと山見えてくるという感じだった。

仙丈ケ岳の左下は氷河にけずられた小仙丈沢カール。

やっと山頂直下まで来たが、ここからがまた遠かった。

標高3,000m近くとなり、空気の薄さを感じた。

高山病にならないように、意識的に早い呼吸を心掛けて上った。

ふと気づくと、甲斐駒ケ岳に雲が這い上がり始めていた。

11時になると北岳の山頂が見えなくなった。

雲は甲斐駒ケ岳を飲み込んで、小仙丈ケ岳にも迫っていた。

仙丈ケ岳の山頂付近にもあやしい雲が。

藪沢カールが見える稜線の上に出ると、さらに小ピークがいくつか並び、仙丈ヶ岳の山頂はその一番奥に見えた。

藪沢カールを右手に見ながら小ピークを巻いて進む。

やっと山頂下まで来た。

11:20 仙丈ケ岳に到着。

上ってきた小仙丈尾根。左の北側は藪沢カールで、東側の小ピークの奥が小仙丈沢カールとなる。

南側の仙塩尾根と大仙丈ケ岳。尾根の向こう、南東側が大仙丈沢カールで、仙丈ケ岳は3つのカールを擁している。

山頂は思いのほか狭かったが、適当な場所に陣取ってゆっくりすることにした。

藪沢カールの底を見下ろすと、いまにもガスに飲み込まれそうな仙丈小屋が見えた。

小仙丈尾根もガスに覆われて、展望がみるみる限られていった。

時間はあったのでしばらく天気の回復を待ってみたが、状況は変わらなかった。

空は明るいのにガスは晴れない。身体も冷えてきたので、記念撮影をして下山することにした。

12:10 下山開始と同時にガスが深まり、あっという間に周囲は真っ白になってしまった。

そのうち本格的に降り出すのではないかと、雨が心配になってきた。

12:30 霧の中に仙丈小屋が突然現れた。

仙丈小屋は、風力発電のプロペラがたくさん設置された真新しい小屋だった。

藪沢の源流沿いに馬ノ背を下る。山の天気は本当に変わりやすい。

シカ除けネットの間を下っていくと、馬ノ背ヒュッテが見えてきた。

13:25 馬ノ背ヒュッテ到着。

小仙丈ケ岳のガスは消えて青空がのぞいていた。

小屋のおじさんに分岐がまだ先であることを確認して、分岐のある藪沢へ向かって下った。

五合目の大滝ノ頭へ向かうコースは沢を渡った先。ストックでバランスをとり、慎重に渡る。

分岐から10分ほど歩くと藪沢小屋。ひっそりとして人の気配はなかった。

藪沢小屋から少し進むと、甲斐駒ヶ岳の摩利支天が雲の中に見えた。

大滝ノ頭に至るまでに、滝のような急峻な渓流を何度も渡った。

山腹につけられた山道が続く。

にぶい頭痛と足腰の疲労で、大滝ノ頭が遠く感じられた。

14:25 大滝ノ頭に到着。休憩して行動食を取る。寝不足もあってか、身体が重くなってきた。

樹林帯をひたすら下る。三合目、二合目と標識があるので、励みになった。

ついに登山口に戻ってきた。

林道に出たら、テント場までは5分ほど。早くテントで休みたかった。

16:00 北沢駒仙小屋に到着。テント場はまだ少しスペースが残っていた。一息ついた後、北沢の清流で足裏を冷やしたが、驚くような冷たさでアイシング効果は抜群だった。

夕飯は豚の角煮。バーナーで湯を沸かし、レトルトの角煮を温めて、アルファ米にも湯を注ぐ。

待つこと15分、アルファ米に角煮をかけて絶品ご飯の出来上がり。めちゃくちゃ美味かった。

少し休んで明日の甲斐駒ヶ岳登山の準備をした。歯を磨いて18時過ぎに就寝。夜中に何度か目は覚めたが、よく眠れた。