2018年4月28日 土曜日

尾瀬・山ノ鼻テント泊 1日目

至仏山

2,228 m 2回目

 1時半起床、2時出発。4時過ぎに戸倉に着いて、小雨がぱらつく中、鳩待峠の駐車場へ向かうが、途中で満車だと知らされて戸倉の第一駐車場に戻った。乗り合いタクシーで鳩待峠に着いた時にもまだ小雨がぱらついていたが、歩き始める頃には止んでみるみる天気は回復した。山ノ鼻でテントを設営してから至仏山へ向かい、山頂では360度の大展望を満喫した。富士山や北アルプスまで見えるほど遠望がきいた。復路は尻セードで一気に下り降りたが、ラクで爽快で思いのほか楽しかった。テント場が近いので、テント装備でも体力面の心配はないし、何より残雪の残る尾瀬の山歩きは最高に楽しかった。毎年この時期に来てもよいくらいに思えた。

 下山するとテント場は満員状態になっていたが、夜は案外静かだった。雪面をきちんと平らにしていなかったので、傾いた状態で寝る羽目になったが、疲れもあってすぐ寝てしまった。

登山コースデータ
単純標高差 : 637 m
累積標高差 : +825 m / -1,010 m
コース距離 : 8.9 km
標準コースタイム : 5 時間 50 分
歩行データ
総歩行時間 : 5 時間 5 分
総行動時間 : 7 時間 25 分

 コースタイム

鳩待峠 5:40 ⇒ 6:55 山ノ鼻テント場 7:55 ⇒ 10:30 至仏山 11:50 ⇒ 山ノ鼻テント場 13:05

4:20 戸倉 第一駐車場

戸倉の第一駐車場に到着。まだ1割程度の入りで、身支度を整えている人が数人いた。

4:40 乗り合いタクシーに乗車するが、なかなか人が集まらない。結局出発したのは5時だった。

20分ほどで鳩待峠に到着。まだ小雨がぱらついていた。

休憩所で出発の準備をする。いったん歩きだしてからチェーンスパイクを履くなど、もたついた出発となった。

少し進んだ樹林帯の切れ間に至仏山が見えたが、朝方は厚い雲が山頂部にかかっていた。

踏み跡をたどって進む。小雨はいつの間にか止んでいた。

積雪は少なくて、木道はむき出しのところが多かった。

山ノ鼻までのルートは大半が平坦か下り基調なので、テント装備でもあまり疲れを感じなかった。

川上川を渡ると山ノ鼻はもう近い。

6:55 山ノ鼻キャンプ場に到着。まずはテントを設営したが、久しぶりの設営でここでも少しもたついてしまった。スコップは車に置いてきていたが、このとき整地をきちんとして、もっと雪面を平らにしておくべきだった。

7:55 軽いアタックザックで至仏山へ向かった。今回は山ノ鼻から至仏山をピストンするが、積雪のあるこの時期以外は山頂から山ノ鼻へ下ることはできない。

ルートは判然としないが、無数にある踏み跡をたどって登山口へ向かう。山頂までのコースタイムは2時間半。

最初は樹林帯の上りが続く。踏み抜きがないように、注意深く踏み跡に従う。

腐れ雪で足元が滑るので、いつも以上に体力を消耗した。

樹林がまばらになってくると、背後に燧ヶ岳と尾瀬ヶ原が見えるようになってきた。

1時間ほどで森林限界を越えると、後はひたすら雪の上りが続く。ちなみに至仏山の森林限界は1,640mほどだが、蛇紋岩の影響で通常よりも700mほど低い位置にある。

足元はじゃりじゃりの腐れ雪なので、キック・ステップで一歩ずつ上った。かなりの傾斜だったが、転んでも滑り落ちるような雪質ではなかったので怖さはなかった。

雪の急登に嫁は失速。燧ヶ岳と尾瀬ヶ原の絶景を楽しみながら、のんびり待った。登頂して山ノ鼻へ向かう登山者たちが、尻セードで一気に下っていくのを見かけた。

10:00 雪の急斜面を上り終えると木段が現れた。階段は雪よりもずっと上りやすい。

木段で高度を上げると、下からは見えなかった至仏山の山頂部がやっと見えてきた。

20分ほどで木段を上り終えると、山頂直下の雪面となる。強烈な雪の照り返しを受けながらせっせと上る。サングラスがなければ目を開けていらないほどの眩しさだった。

10:30 多くの登山者でにぎわう至仏山の山頂に到着。風はそれほど強くなかった。

人が多いので、山頂標での写真は後回しにした。

北東方面。尾瀬ヶ原の奥には燧ヶ岳。その左は会津駒ケ岳で、左手前が景鶴山。燧ヶ岳の右奥には帝釈山も見える。

会津駒ケ岳。なだらかな山頂台地の右が駒ヶ岳の山頂で、左側のピークは中門岳。

燧ヶ岳。1億7千万年前の古い蛇紋岩からなる至仏山に対し、燧ヶ岳は数万年前に活動を始めた火山で、5万年前の溶岩が只見川を堰き止めて尾瀬ヶ原の原型をつくり、8000年前の山体崩壊噴火で尾瀬沼を誕生させた。500年前にも噴火している。

東方面。燧ヶ岳の右側には、帝釈山、台倉高山、黒岩山、鬼怒沼山などの峰々が並び、右端には女峰山など、日光の山が見える。鬼怒沼山の手前あたりがアヤメ平になる。

南東方向。左側に女峰山や温泉ヶ岳、真ん中左に日光白根山、真ん中右に錫ヶ岳、右には皇海山も見える。

左から女峰山、太郎山と根名草山、大真名子山、温泉ヶ岳。温泉ヶ岳の右手前は四郎岳で、右端には男体山の山頂部ものぞいている。

左から男体山、日光白根山、錫ヶ岳。

真ん中に皇海山。その右には袈裟丸山も見える。

南方面。至仏山山頂の隣のピークの左奥に武尊山、その左奥には赤城山、右奥には浅間山も見える。

武尊山の上には富士山も見えていた。

南西方面には浅間山や四阿山、谷川連峰、苗場山などが見えていた。手前は奈良俣湖。

うっすら見えていた浅間山。

左手前の朝日岳(谷川連峰)の上に苗場山、さらにその右奥には白馬岳も見える。右奥は妙高山と火打山が並ぶ。

西方面。真ん中が巻機山で、左に柄沢山、右に小沢山と下津川山。

北方面。左が越後駒ヶ岳で、右が平ヶ岳。

写真を撮りながら360度のパノラマを満喫した。

山頂標に人が少なくなったので記念撮影。その後おにぎりを食べて一休みした。

山頂で休む嫁を残して隣の小ピークにも行ってみた。武尊山の左に赤城山、右には榛名山の山々もよく見えた。武尊山の右手前は笠ヶ岳で、左手前は小至仏山。雪面のトラバース・ルートがよく見えていた。

小ピークから眺めた至仏山山頂。10分ほど眺めを楽しんで山頂へ引き返した。

13時くらいまでは山頂にいるつもりだったが、人の減る気配がないので、早めに下山の準備をした。

11:50 下山開始。日差しが高くなって、ますます雪の照り返しが強烈になっていた。

上りでは体力を消耗した柔らかい雪が、下りではクッションとなって膝にやさしかった。

木段まではあっという間だった。

大展望を楽しみながら下る。

これ以上ない快晴で、下山したらそのまま帰ってもよいと思えるほど満足していた。

多くの人が子供用のヒップソリで尻セードしていたが、私はスーパーのゴミ袋で代用した。あっという間に下れた。

嫁は登山ズボンのまま尻セードしていたが、十分スピードが出ていた。こんなにラクで楽しい下りはない。

尻セードの楽しさでテンションの上がった私は、待ってくれという嫁を置いて、雪の斜面を一気に駆け下った。ミニスキーの要領で登山靴を滑らせながら走ったが、これもまた楽しかった。

樹林帯で嫁が追い付いてきた。

13:05 山ノ鼻キャンプ場に到着。下りは本当に楽だった。

コーヒーを淹れてひと休み。雪の至仏山が予想以上に楽しかったので、また同じ時期に来ようと話していた。

14:30 まだ夕食までには時間があるので、少し尾瀬を散策することにした。

適当に踏み跡をたどって歩き始めたが、尾瀬植物研究見本園をめぐるルートのようだった。

そのうち雪に埋もれた木道脇に、深い穴が散見するようになったので引き返した。

16:15 帰ってみるとキャンプ場は満員状態。端に設営していた我が家のテント周りにもびっしりテントが設営されていた。

夕飯は煮込みハンバーグと炒飯のレトルトパック。美味しくいただきました。

18時には寝る態勢を整えて、早めに横になった。疲れもあってすぐ寝てしまった。