2010年10月23日 土曜日

白毛門・笠ヶ岳・朝日岳

1,720 m 1,852 m 1,945 m

 2時起床、2時半出発。4週連続の登山で身体がフィットしていると思い、日帰り限界に近いコースに挑むことにした。土合橋の駐車場にはすでに多くの車が停まっていたが、暗闇ばかりで登山者の動く気配はなく、身支度を整えて出発する頃になってやっと明かりが動くようになった。霧が出ていた山すそを上へ抜けると紺碧の空で、山頂と稜線からの絶景を終日楽しむことができた。笠ヶ岳からは体調次第と考えていたが、十分な余力を感じたので先へ進んだ。11時前に朝日岳へ着いたので、山頂でゆっくりすることができた。下りも快調に歩いたが、白毛門からの下り後半で両膝に疲れが出てしまい、一気にペースが落ちてしまった。この日はロングコースを歩く足の速いハイカーに抜かされることが多かった。

 紅葉に出かけた人が多かったためか、帰りの高速は赤城IC付近からずっとノロノロ運転が続き、帰宅は19時を過ぎた。歩行が9時間を超えてさすがに堪えたが、やり切った感の高い充実の山行となった。

登山コースデータ
単純標高差 : 1,265 m
累積標高差 : 1,715 m
コース距離 : 11.8 km
標準コースタイム : 9 時間 35 分
歩行データ
総歩行時間 : 9 時間 25 分
総行動時間 : 11 時間 20 分

 コースタイム

土合橋 4:50 ⇒ 7:05 松ノ木沢ノ頭 7:20⇒ 8:15 白毛門 8:30 ⇒ 9:20 笠ヶ岳 9:40 ⇒ 10:45 朝日岳 11:40 ⇒ 笠ヶ岳 12:50 ⇒ 13:45 白毛門 13:55 ⇒ 松ノ木沢ノ頭 14:30 ⇒ 土合橋 16:10

4:30 土合橋 無料駐車場

4:50 真っ暗闇の中をヘッドライトを頼りにスタート。

幸い先行者がいたので、ルートの心配と最近各地で頻発している熊出没の懸念が多少軽減された。

5時半を回ると一気に明るくなった。

霧で周囲は真っ白だったので、天候が気がかりだった。

朝日に照らされた紅葉を眺めながら上る。

霧が晴れると景色ががらりと変わった。樹林ごしに谷川岳東面の大岩壁がたびたび見えた。

とにかくずっと上りが続く。呼吸を整えながらひたすら進む。

樹林帯を越えると露岩のクサリ場が出てきた。

山裾は霧に飲まれていた。

7:05 スタートから2時間15分で松ノ木沢ノ頭に到着。

眺めのよい松ノ木沢ノ頭でしばらく休憩してから白毛門へ向かった。

先行するハイカーにつられて道を間違えてしまった。

熊笹の道を引き返してコース復帰。ありがちだが気を付けなければ。

この時間帯に上ってくる登山者は皆一様に足が速く、抜かれることが多かった。

マイペースにせっせと上る。

白毛門手前の小ピークは絶好の撮影ポイント。人のよさそうなおじいさんが写真撮影していた。

8:15 白毛門 1,720m

白毛門に到着。1,000mを超える上り一辺倒はキツかったが、よいペースを維持できた。

西には谷川岳東面のマチガ沢、一ノ倉沢、幽ノ沢と続く大岩壁。

北側には笠ヶ岳、小鳥帽子、大鳥帽子と続く稜線が見える。朝日岳はこの稜線の向こう側。

山頂は狭いので少し先でパノラマ撮影。

あまり疲れを感じていなかったので、短い休憩をはさんで笠ヶ岳へ向かった。

鞍部まで50mほどいったん下り、今度は約200mの上りとなる。

笠ヶ岳へと続く笹原の一本道を上って行く。

山頂直下は、かなりの急登だった。

9:20 笠ヶ岳 1,852m

笠ヶ岳に到着。

白毛門から1時間、出発から4時間半、予想以上によいペースで来た。

西側の谷川連峰。

歩いて来た稜線の先に白毛門。

天気も体調も申し分ないので、迷うことなく朝日岳へ向かうことにした。北側正面には小ピークを7つ連ねる1934m峰(大鳥帽子)のブロックが並び、その左奥には朝日岳の岩峰が見える。

少し下った避難小屋の脇を通る。

簡素な造りの避難小屋。

避難小屋からさらに下る。気持ちが伸び伸びしてくるような展望が広がる。

鞍部から小鳥帽子に上り返す。

上りはキツイが、景色がよいので心は軽い。

小さな上り下りを繰り返す。

周囲の眺めが素晴らしいので気持ちよく歩けた。

後ろを振り返ると白毛門へ続く尾根筋に雲が迫っていた。

小鳥帽子を越えて大鳥帽子へ向かう。

小ピークの連なりの先に朝日岳の山頂が見えた。

鋸状の小ピークを越えるごとに朝日岳が近づいてくる。

かなり大変だと覚悟していたが、楽しく歩くことができた。

山頂直下の巨大な露岩を左へ巻いて行く。

岩を越えると山頂はすぐだった。

10:45 朝日岳 1,945m

ついに朝日岳山頂に到着。

出発から5時間55分。予定よりも早く着くことができた。

朝日岳の山頂は広々としていた。適当な場所に陣取ってまずはひと休み。

南側には笠ヶ岳が続く稜線がのびる。右奥は谷川岳。

笠ヶ岳の左奥、雲海の遥か彼方に富士山のシルエットが見えた。その右は南アルプスかと思ったが、甲武信ヶ岳や金峰山など奥秩父の山々だった。

笠ヶ岳の上、谷川岳の左奥に南アルプスと八ヶ岳が重なるように見えていた。

南西の方角には谷川岳、一ノ倉岳、茂倉岳、仙ノ倉山と並ぶ谷川連峰。

西側の手前には武能岳。その奥には岩菅山や苗場山、妙高連山が見える。

苗場山。

妙高山と火打山。

北西側に広がるゆるやかな稜線。左側に大源太山の山頂が見える。

北側には大烏帽子山と七ツ小屋山へ向かうルートがのびる。その向こうは巻機山。

北北東側。中央奥は越後駒ケ岳と中岳。手前の三角は大烏帽子山。

東北東には、左から平ヶ岳、会津駒ケ岳、燧ヶ岳、至仏山と百名山がずらりと並ぶ。

平ヶ岳。

燧ヶ岳と至仏山。左の尖ったのは景鶴山。

東側。左奥に日光白根山などの山塊、右は武尊山。朝日岳の山頂は、360度の大展望が広がる解放感抜群の頂きだった。

ご飯を食べたり写真を撮ったりしているうちに時間が過ぎてしまった。長い復路を考えて12時前に出発。

笠ヶ岳までの小ピークを取って返す。

朝日岳の手前の眺めのよい小ピークで休んでいるハイカーが何人か見かけた。

まだ余力があったので、眺めを楽しみながら歩いた。

笠ヶ岳までの稜線が前方に見える。よく歩いたものだと我ながら感心した。

小鳥帽子から笠ヶ岳までのびる笹原の道。形のよい笠ヶ岳を眺めながら鞍部までせっせと下った。

鞍部から上り返す。

笠ヶ岳手前の上り返しは見た目よりも傾斜がゆるく楽に感じた。

12:50 朝日岳から70分で笠ヶ岳に到着。

それほどの疲れは感じていなかったので、そのまま白毛門へ向かった。

どんどん下る。頭上をトンビが旋回していた。

ときおり立ち止まって広大な眺めを楽しんだ。15分ほどで標高差200mを一気に下った。

鞍部から白毛門で休んでいる登山者の姿が複数見えた。

13:45 笠ヶ岳から55分で白毛門に到着。着いたときには誰もいなくなっていた。

とりあえずひと休み。コーヒーが美味しかった。

これから下る尾根筋を眼下に眺める。

13:55 白毛門を出発。ここから標高差1,000mを超える下りが2時間半も続く。

山腹の綺麗な紅葉を眺めながら下って行く。

まだまだ足に余力を感じていた。

35分で松ノ木沢ノ頭に到着。水分補給をしてから先へ進んだ。

露岩のクサリ場など急坂が続く。

樹林帯に入ると綺麗な紅葉の道が続き、周囲を見渡しながら歩いた。

色鮮やかな紅葉に励まされながら下る。

松ノ木沢ノ頭から1時間もすると右膝に違和感が出てきた。

いつしかちょっとした上り返しもきつく感じるようになっていた。

両膝はガクガクで、最後の1時間は一気にペースが落ちた。

谷川岳のベースプラザが見えたが、見えてからが長かった。

東側には白毛門沢の大滝が見えた。

足の速いハイカーに抜かれながら、黙々と下る。

登山口近くの道標が見えたときは嬉しかった。

橋を渡ると登山口の標識があり、土合橋の駐車場はすぐ。

さすがに疲れたが素晴らしい1日だった。