2013年10月12日 土曜日

白峰三山テント泊登山 1日目

至 北岳山荘

2,900 m

 1時起床、1時35分出発。芦安には予定どおり4時に着いたが、バス乗り場から400m下の第4駐車場へ誘導されて、登山客の多さに驚いた。乗合タクシーに乗って、6時過ぎに広河原へ。重いテント泊装備で八本歯のコルを越えることに不安はあったが、この日の予定は北岳山荘のテント場へ行くだけだったので、ペースを守って着実に上った。天気は快晴で、気温も暑くなく寒くなく、ちょうどよい位だった。テント場もよい場所を確保できたが、稜線上は風が強かったので、設営時はテントが飛ばされないよう気を付けた。ヘリコプターによる荷揚げのために、翌日6時までにテントを撤収して、午後にまた再設営しなければならないことを、山荘で受付したときに知らされ、翌日の行動をどうするか悩んだ。奈良田へ下る縦走に切り替えて、奈良田からバスで芦安に戻ることも考えたが、その場合は2日目に北岳に登ってから大門沢小屋まで下るか、3日目に農鳥小屋から一気に下るかする必要があり、どちらもテント泊装備では不安があったので、結局予定どおりに2日目は農鳥岳までピストンして、3日目に北岳へ登ってから広河原へ下ることにした。

 夜間も風は強かったが、さほど気になるほどではなかった。何度も目が覚めはしたが、疲れもあって比較的よく寝ることができた。

登山コースデータ
単純標高差 : 1,380 m
累積標高差 : +1,505 m / -135 m
コース距離 : 6.2 km
標準コースタイム : 5 時間 50 分
歩行データ
総歩行時間 : 6 時間 25 分
総行動時間 : 7 時間 20 分

 コースタイム

広河原 6:20 ⇒ 二俣・白根御池分岐 6:50 ⇒ 8:55 大樺沢二俣 9:05 ⇒ 10:15 左俣コースの水場 10:25 ⇒ 11:55 八本歯のコル 12:05 ⇒ 12:40 トラバース道分岐点 13:05 ⇒ 北岳山荘 13:40

4:00 芦安 第4駐車場

第4駐車場に到着。身支度を整えているうちに、ほぼ満車になった。

バス停まで400mの車道歩き。

始発7台目の乗合タクシーに乗れた。予約の人を待って、5時ちょうどに芦安を出た。

6:00 広河原に到着。すっかり明るくなっていた。

登山者が次々に出発して行く。我々も準備を整えて、6:20 出発。

ゆらゆらする長い吊橋を歩いて野呂川を渡る。

対岸の広河原山荘。

山荘の左側に登山道が続いており、ハイカーがぞろぞろと列をなした。

ゆっくりペースで30分ほど歩くと、二俣・白根御池分岐に出た。

我々は左(二俣)の大樺沢コースへ。

しばらくは沢沿いの樹林帯を進む。二俣までの上りは標高差600m以上。

登山者が途切れることなく続いていた。足の速い人は、驚くようなスピードで上って行く。

最初は大樺沢の左岸を歩き、右岸に渡ってそのうちまた左岸へ戻る。

出発から1時間半ほどすると、徐々に綺麗な紅葉が見られるようになってきた。

出発時は雲に隠れていた北岳の山頂が、前方に見えてきた。まだまだ遠い。

見通しのきくガレ場を上って行く。適当な岩場で休むハイカーの姿があちこちにあった。

8:55 大樺沢二俣に到着。多くのハイカーにまじって、我々も小休憩。

二俣を過ぎるとハイカーの姿はまばらに散らばり始めた。背後の北東に見えるのは高嶺と鳳凰三山。二俣から八本歯のコルまで、さらに650mほど上りつめる必要があり、ここからが上りの本番。

前方には覆いかぶさるような北岳バッドレス。

コース上に綺麗な紅葉が残っていた。

ナナカマドが真っ赤に色付いていた。

少しだけ残っていた雪渓。

呼吸が乱れないように小さな歩幅で着実に上る。涼しくて汗があまり出ないことは救いだった。

北岳東面の大岩壁、北岳バッドレス。登攀しているクライマーは見当たらなかったが、ハイカーの中に、ザイルを担いで岩を見上げている若者がいた。

10:15 途中の水場で小休止。

ザック(約18kg)が重く感じられるようになり、すでに脚にきていた。

10分休んで再スタート。ここからはどんどん傾斜が急になった。

このあたりまで来ると、さすがにどの登山者もしんどそうだった。

11:15 ついに一番つらい丸太の階段まできた。

段差が広く不安定なので、一気に体力を奪われる。

これでもかと丸太の階段は続く。ぜいぜいと息が切れて大変だった。

丸太の階段になって嫁が大失速。立ち止まる時間が多くなってきた。

嫁は前傾姿勢でかなりキツそうに見えた。私もあえぎながら階段を上り、立ち止まっては呼吸を整えていた。

北岳の山頂部が隣と言えるような位置まで高度を上げてきた。

段差の大きい丸太の急登をテン泊装備で上るのは本当に大変だった。

11:55 八本歯のコルに到着。さすがに疲れた。

大樺沢の向こうには鳳凰三山。随分上ってきたと実感。

南西方向には間ノ岳と中白根山。左奥には農鳥岳も見える。

10分休憩してさらに進む。まだ丸太の階段が続く。

稜線に出ると風が強くなった。上りはもうわずかだと思いながら頑張る。西には北岳の山頂部。

休憩したばかりなのに疲労度はマックス。休み休み上る。

12:40 トラバース道分岐点にやっと到着。ここにザックをデポして北岳山頂に向かう人も多かった。ここでおにぎりを食べた。

東側の眺め。手前にはボーコン沢ノ頭と池山吊尾根。一番奥に富士山でその手前は櫛形山。3年前はガスで遠望がきかなかったが、今回はばっちり。

13:05 北岳山荘へ向かう。少しガスが出てきていたが、風ですぐ流された。

岩壁をトラバースして行く。桟橋は見た目よりもしっかりしているが、ときおり突風が吹くので気は抜けなかった。

強烈な横風を受けながら稜線上を進む。予報で稜線上の強風は覚悟していたが、本当にすごい風が吹いていた。

北岳山荘が近づいてきた。テント場にまだテントがほとんどないように見えた。

13:40 北岳山荘に到着。テントの受付をすると、ヘリコプターの荷揚げがくるかもしれないので、テント設営はまだできないと知らされた。

14時半をまわってテント設営OKとなった。この日はヘリが飛ばないかわりに、明日は来るので、明日の朝6時までにテントを撤収せよとのこと。勝手な話と感じたが、山では仕方なし。

確保しておいた場所にテントを設営。夜間の強風を考えて、まわりの石垣をなるべく高くしておいた。

強風に苦戦しながらも、1時間弱でテント設営とテント内の整理を完了。受付で明日のことを再確認するが、やはり6時までに撤収は変わらず。しばらく頭を悩ませるが、明日は予定通り農鳥岳のピストンをすることに決めた。

さすがに3連休の初日だけあってテント場は大盛況。山荘もかなり混雑していた。この日の日の入りは17時15分頃。雲が出ていて太陽は隠れていた。

17時を回ってあたりが暗くなってきた。北岳が赤く染まっていたらしいが、夕食の準備をしていて見逃してしまった。

夕飯はアルファ米と豚の角煮。食後、山荘の水道で歯を磨いて7時前に横になった。風はあまり気にならず、まわりのテントも静かだった。