2018年7月16日 月曜日

白馬岳テント泊登山 3日目

白馬大池から下山

2,380 m

 4時半起床。前夜は日付が変わる前に肩の痛みで目が覚めて、朝までほとんど寝られなかった。早朝からテントを撤収する登山者で騒々しかったが、我々はゆっくり朝食を食べてからテントを撤収して、7時に下山を開始した。復路も高山植物を探しながらのんびり歩いたので、11時近くの下山となった。暑さとザックの重みでかなり疲労したが、念願の白馬岳に登れた充実感で一杯だった。

 狭くて長い林道の運転は、上ってくる車が意外に多くて神経をつかった。寝不足のために睡魔に絶え間なく襲われたが、松代PAで10分ほど仮眠をとって頭がすっきりした。遊び疲れた人が多かったのか、高速で事故車を何台も目撃したが、18時半過ぎに無事帰宅。虫に刺されて嫁の顔が腫れあがるというおまけもあったが、待ち望んでいた白馬岳登山は大満足の山行となった。

登山コースデータ
単純標高差 : 910 m
累積標高差 : + 25 m / - 945 m
コース距離 : 4.4 km
標準コースタイム : 2 時間
歩行データ
総歩行時間 : 3 時間 25 分
総行動時間 : 3 時間 55 分

 コースタイム

白馬大池テント場 7:00 ⇒ 8:30 天狗の庭 8:50 - (倒木に腰かけて10分休憩) ⇒ 蓮華温泉駐車場 10:55

4:30 起床 白馬大池テント場

前夜は疲れて早く寝付いたものの、11時過ぎには左肩の痛みで目が覚めてしまい、その後は延々朝まで苦しめられた。横になっていると肩が痛いので、身体を起こして膝や腰が痛くなるまで我慢する。我慢の限界に来たら横になり、膝や腰を伸ばした気持ちよさから一瞬眠りに落ち、また肩の痛みで目が覚めて身体を起こす。延々と朝までその繰り返し。疲れているのに痛みでよく寝られないという最悪のつらさを忘れていた。用心のために痛み止めを持参すべきだった。脆弱な自分の身体を呪いつつ、やり場のない怒りや諦念を抱えていたが、前日の素晴しい山行の記憶が気持ちを支えてくれた。そして、何故か、善い人間になろうと思うのであった。

この日も4時過ぎからテントを撤収する音で周囲が騒々しくなった。テントの中をある程度片付けてから外に出てみると、テントの数が一気に減っていた。今日は下りるだけなので、朝食をとって、ゆっくりテントを撤収。お隣のベテランはこちらに一声かけて、先に下りて行った。

7:00 下山開始。動かすと左肩が痛いので、ストックは右手だけにして歩いた。

完全に寝不足だし、ザックの重みがずしりと肩にかかるが、気持ちは晴れ晴れとしていた。

3日目も朝から晴天。雪倉岳、赤男山、朝日岳、長栂山、五輪山と続く稜線がよく見えていた。

ツツジ科の常緑小低木、シラタマノキ。この日も花を探しながら歩いた。

往路ではまったく気づかなかったユリ科のエンレイソウ。3枚輪生する大きな葉の真ん中に特徴的な花が咲いている。

足元は石やガレが多いので、下りは上り以上に気を付けて歩いた。(今回嫁は、平らな所で2度も派手に転んでいた)

何度か見かけたイワオトギリ。

たびたび樹林が切れて、雪倉岳や朝日岳が見えた。次回は三国境から朝日岳までぐるっと周回するのもよいかもしれない。

キキョウ科のソバナのように見えるが、イワシャジンかもしれない。萼片や葉の写真をきちんと撮っていないので確信はなし。

こちらはキキョウ科のハクサンシャジンで間違いないと思うが、やはり自信なし。

8:30 天狗の庭

天狗の庭に到着。多くの登山者が休憩していた。

座りやすい場所を見つけて小休止。左手をつかえずバランスが悪いためか、腰骨の横、中殿筋あたりに張りが出ていた。

20分ほど休んで下山再開。時間がかかり過ぎていると思いつつ、後半もゆっくり歩いた。

ツツジ科の落葉低木、チョウジコメツツジ。

ユリ科シュロソウ属のタカネアオヤギソウ。アオヤギソウの高山型。高山植物図鑑を見て知っていた花だが、記憶と実物が一致しない花のひとつだった。全体の雰囲気、花弁や葉の質感、相対的な大きさなど、写真で伝わらないことは多い。

タカネニガナ。シロバナニガナと色だけ違うという感じ。

ユキノシタ科のズダヤクシュ。「ずだ」とは長野地方の方言で喘息のことで、その薬になることが名前の由来。

可愛いらしい花を咲かせるユリ科のマイズルソウ。ところどころで群生していた。

キンポウゲ科のモミジカラマツ。モミジのように切れ込みの深い葉をもつ。

樹間から蓮華温泉の駐車場が見えた。まだまだ遠いので少しがっかりした。

腰骨の横の筋肉がパンパンに張ってしまったので、座りやすい倒木でしばらく休憩。徐々に身体がツラくなってきた。

フキを思わせる大きな葉が特徴的なキク科のオタカラコウ。よく似たメタカラコウとは葉の形で見分けがつく。

途中、ウソのつがいが山道で何かをついばんでいた。

美味しそうな実がなっていると思ったら、サンカヨウの実だった。実は甘酸っぱくて食べられるらしい。

ユリ科のキヌガサソウが山道から少し離れたところに咲いていた。ユリ科の花は葉の大きなものが多いようだ。

小さな虫が帽子の隙間やサングラスの内側に入ってくるので気になったが、刺されているとは思わなかった。

20cmほどの巨大なナメクジが山道を塞いでいた。なかなかの存在感だった。

やっと蓮華温泉ロッジまで来た。骨盤の横の筋肉がガチガチに張ってしまい、駐車場が見えてから本当に長かった。

10:55 蓮華温泉の駐車場に到着。車は減って空きが出ていたが、林道には路駐の車がずらりと並んでいた。

11:20 帰路に就いたが、渋滞もあって帰宅は18時半をまわった。虫刺されで嫁の顔が別人となり、ここまで腫れるのかと心配になった。(その後、3日ほどで腫れは引いた) 色々あったが、念願の白馬岳登山は記憶に残る素晴しい山行になった。