2014年10月11日 土曜日
高妻山
2,353 m

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コースタイム
戸隠キャンプ場P 5:05 ⇒ 弥勒新道分岐 5:30 ⇒ 7:20 一不動避難小屋 7:30 ⇒ 8:35 五地蔵山 8:40 ⇒ 八観音 9:15 - (5分休憩) ⇒ 10:40 高妻山 12:00 ⇒ 八観音 12:55 ⇒ 13:30 六弥勒(弥勒新道入口) 13:35 ⇒ (5分休憩) ⇒ 戸隠牧場 15:25 ⇒ 弥勒新道分岐 15:35 ⇒ 戸隠キャンプ場P 16:00
4:30 戸隠キャンプ場 無料駐車場

5:05 駐車場を出発。登山口までの道が心配だったが、道標もあって比較的分かりやすかった。

キャンプ場を進む。真っ暗で何があるか分からないが、行楽施設がたくさんあるようだった。

月明かりに周囲の建物が照らし出されていた。夜明け前は濃い霧が流れていた。

5:30 弥勒新道との分岐にきた。牛止めの柵を通過して登山道へ。単独男性ハイカーが追い抜いていった。

最初は沢沿いに道が続いていた。右肩痛が酷いので右のストックは早々にしまった。

右へ左へ、何度か沢を渡りながら高度を上げていく。

6時過ぎになって、モルゲンロートに周囲のものが染まった。

岩ゴロの歩きづらい道を進む。周囲に鮮やかな紅葉が広がっていた。

6:40 滑滝の左岸を上る。足元が濡れた箇所もあるので、クサリをつかって慎重にクリア。

滑滝を過ぎると紅葉がますます鮮やかに。

紅葉のピークは終わっていると思っていたが、まだまだ綺麗な紅葉は残っていた。

朝陽を浴びた紅葉の鮮やかさ。文字通り目を奪われた。

クサリを使って帯岩を上る。

帯岩をトラバース気味に横切る。

帯岩の先には不動滝と色鮮やかな紅葉。

朝陽に輝く紅葉の只中を歩く。帯岩の足場はしっかりしていたので、それほど危険は感じなかった。

帯岩の先にあるクサリ場はどうしても右腕を使わねばならず、悶絶するほどの激痛に見舞われた。

再び沢沿いに上って行き、7:00 最後の水場となる氷清水を通過。

涸れ沢を上り詰めて、さらに急登を進む。

7:20 一不動の避難小屋に到着。

避難小屋の中をのぞいてみた。

東側は雲海が広がっていた。一不動で10分ほど休んでいるうちに、団体ハイカーが続々と上ってきた。

一不動を出てすぐに、「私らは御嶽噴火の生き残りなのよ」 と、高齢ハイカー集団に突然話しかけられて驚いた。

70歳過ぎもいるというその集団はみな健脚で、楽々と我々を追い抜いていった。凄い人たちがいるものです。

7:40 二釈迦に到着。ここからは稜線歩きとなる。

南東方面の飯縄山(いいづなやま)。麓に見えるはずの戸隠牧場は雲海で見えなかった。

西側の樹間に北アルプスが見えた。左端から五龍岳、剱岳、唐松岳、白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳、小蓮華岳。

東側の五地蔵山方面には、御巣鷹山と黒姫山が見えていた。

北西の樹林越しには高妻山が見え隠れしていた。

二釈迦を過ぎたあたりから眺める高妻山の山容は鋭角で、凜としたたたずまいを感じさせる。

不動滝の上から紅葉した樹林帯を眼下に眺める。樹林帯の下に雲海が広がる。

急坂を上り詰める。

7:55 三文殊に到着。

樹林帯をしばらく下って上り返す。前方に小ピークの並びが見えた。一不動から山頂の十阿弥陀まで、各ピークに石祠が祀られているが、それだけアップダウンがあるということ。

いつの間にか飯縄山の麓の雲海が消えて、戸隠牧場が一望できるようになっていた。

8:10 せっせと上り返して四普賢を通過。

素晴らしい眺めが続く。

四普賢から少し傾斜が増す。

南西には戸隠山。左手前は九頭龍山、右奥は本院岳と西岳。

ササ原の急登を上る。

8:30 五地蔵に到着。ちょっとした広場のようになっていたが、ササ原に囲まれて眺めはなし。

五地蔵を通過してそのまま先へ進んだ。

8:35 五地蔵山に到着。

五地蔵山は東側の眺めがよかった。左は妙高山、右は御巣鷹山と黒姫山。真ん中に小高いのは佐渡山。

五地蔵山から数分で六弥勒に到着。

六弥勒で弥勒新道と合流する。

六弥勒を過ぎると高妻山が正面に見えてきた。

南西の戸隠山。ノコギリの歯のような岩稜が長々と続いているのが分かる。

焼岳、火打山、妙高山と連なる妙高連山の全貌も見えてきた。

アップダウンの連続でなかなか高妻山が近づいてこない。

8:50 七薬師を通過し、再び下る。右腕が使えないためか、左ふくらはぎに早くも張りが出ていた。

八観音と見られる尖峰が見えてきた。

急坂を上る。いつものようにストックを使えないので、ひじょうにキツく感じた。

北アルプスは薄く霞がかって、早朝よりも見づらくなっていた。

9:15 八観音に到着。

高妻山の鞍部が近づいてきたが、この時点で乙妻山まではとても行けないと感じていた。

近づくほどに高妻山の大きさを実感。農鳥岳側から見た間ノ岳の大きさに似た印象だった。

高妻山の中腹に、上っていく登山者の姿が見えた。その小ささが山頂までの長い道のりを思わせた。

鞍部からは標高差300m以上の上りとなる。

9:30 九勢至に到着。少し先で5分ほど休憩し、最後の上りに備えた。

鞍部から見た戸隠山。何度見てもギザギザの稜線が凄い。山裾には綺麗な紅葉が広がっていた。

「最初はウサギだったのがカメになって、最後はナメクジの歩みになっちゃった」と、何とも楽しそうに話す初老の方がいて、その口ぶりは満ち足りた子供のように得意げでもあり、思わずこちらも楽しくなるのであった。

ササ原の急登にかかる。渋滞はしていないが、間隔のあいた列はできていたので、ペースに遅れないよう頑張った。

急斜面を九十九折りではなく、ひたすら直線的に上らなければならないので、ひじょうにキツかった。

急坂を上り切ると山頂稜線の南東側に出る。十阿弥陀を通過して、北西側の山頂に向かう。

十阿弥陀の石祠と大きな銅鏡。

10:35 登山者で混み合う山頂に到着。

山頂標の横にある岩場で写真を撮っていると、小さな羽虫が服にたくさんくっついてきた。

順番待ちをして記念撮影。撮ってくれたおばさんが、万歳しろって言うんだけど、肩が上がらないから困った。

山頂から乙妻山方面へ少し下ると、北側がよく見えた。乙妻山の左上には雨飾山、右上には焼岳と火打山が見える。乙妻山へ続く切れ落ちた稜線上を歩くハイカーの姿が見えた。

乙妻山の右に広がる妙高連山。左から金山、焼山、火打山、妙高山と続く。

妙高山のアップ。左に黒沢岳と外輪山の三田原山。

焼山と火打山のアップ。火打山の左肩は影火打。

狭い山頂は人で一杯なので、南東側の岩稜帯へ移動。

休憩場所に適した岩場にいた登山者がちょうどいなくなったので、そこで昼食にした。

東側の北アルプス方面。薄く見える北アルプスの手前には、八方山、黒鼻山、東山、中西山、奥西山と続く稜線。

左から白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳と続く白馬三山。その右には小蓮華山も見える。

鹿島槍ヶ岳と五龍岳の間には立山が幽かに見えていた。右の唐松岳の左奥には剱岳も見えていた。

南西側の本院岳と西岳。

東南東の飯縄山。手前には五地蔵山から続く稜線が見える。

東北東の御巣鷹山と黒姫山。

山頂からは五地蔵山まで続くルートがよく見えた。

12:00 ゆっくり休んで下山開始。

素晴らしい眺めが広がっていたが、急坂が続くので油断できない。右腕が使えなくて大変だった。

北東側の妙高山と御巣鷹山・黒姫山。火山と外輪山というなり立ちが鏡写しのように似ている。

12:45 九勢至まで下りてきた。途中、足を痛めて動けない高齢の登山者を見かけた。団体の他のメンバーは先に上へ行ってしまったようで、携帯で連絡をとろうとしていた。ツアー参加者のようだったが、やり方にいろんな問題がありそうに思えた。

12:55 八観音を通過。

このあたりから便意が強まってきたが、用を足す場所がどこにもなかった。

右肩痛と便意に苦しみながら、どんどん下った。

13:20 七薬師を通過。

あの辺の樹林帯なら隠れてできそうだとか考えながら下るが、適当な場所が全然なかった。

困ったことになったと焦りながら、ひたすら進むしかなかった。

13:30 六弥勒に到着。ここから弥勒新道に入った。

弥勒新道を下って行くと、綺麗な紅葉が見られるようになった。

見事が紅葉だったが、状況が状況なのでゆっくり楽しむ暇はなく、気が気じゃなかった。

せっかくなので写真にだけは収めようと、紅葉を見上げては素早くシャッターを切っていく。

右肩痛が便意を一時的に忘れさせるので、わざと右手を振ったりして痛みで便意をごまかして凌いだが、いろんな意味でしんどかった。

いよいよ進退窮まり、尾根から下りた斜面の茂みで用を足した。落ちそうな坂で体勢を維持するのが大変だったが、選択肢はなかった。(こんな話ばかりで申し訳ない)

こうした経験をした方なら理解してもらえると思うが、ただもう安堵した。いぜんとして右肩に痛みはあったが、その後は紅葉を心から楽しめた。

牛の鳴き声が聞こえてきて、やっと牧場が近くなってきた。

15:25 戸隠牧場に出た。いろんな意味で長く大変な下りだった。

広々とした戸隠牧場。正面は飯縄山。近くに牛の姿はなかったが、気持ちのよい所だった。

牧場の周囲は紅葉まっさかりだった。明日予定していた雨飾山登山に私は未練たっぷりだったが、嫁が「帰ろう」と主張するので無理しないで帰ることにした。この後、激痛に襲われることになるので、もし帰っていなかったら大変なことになっていたかもしれない。

のんびり牧場を歩く。背後は黒姫山。

牧場の隅に牛の群れを発見。

キャンプ場の近くには乗馬場もあり、放牧地に馬もたくさんいた。

ふれあい動物園では大勢の子供たちが遊んでいた。子供連れのキャンプ地としては最適に思えた。

16:00 駐車場に到着。帰りの運転もつらかったが、さほど渋滞もなく20時に帰宅。大変な1日だった。
0時30分起床、1時5分出発。戸隠キャンプ場には4時半に到着した。駐車場には多くの車が停まっており、出発の準備をしている間にも満車になりそうな勢いだった。出発時に出ていた霧は夜明けと共に消えて、終日澄み渡った青空の登山日和が続いた。前日からの右肩痛でストックを持てず、クサリ場でも右手を使えないので大苦戦したが、2千mから下は見事な紅葉が広がり、稜線に出てからは眺めが素晴らしかった。山頂は狭くて大混雑していたが、少し下った露岩でのんびりすることができた。当初は乙妻山まで行くつもりだったが、予想以上の疲労に、右肩の状態もあったので断念した。山頂や下りの途中で、足が吊って動けなくなったハイカーを何人か見かけたが、アップダウンの多さや歩きづらい岩ゴロの急登など、数値以上に厳しい山だった。
翌日は車中泊をして雨飾山に登る手はずだったが、右肩痛が酷いのでキャンセルし、そのまま帰路についた。右手でウィンカーが出せないほど痛みは酷かったが、20時にはなんとか帰宅した。その後も右肩の激痛は続き、連休明けに病院へ行って「石灰沈着性腱板炎」と判明した。山行自体は素晴らしいものだったが、過去最悪に辛く厳しい山行であった。