2013年8月29日 木曜日
剱沢テント泊登山 3日目
剱御前・別山
2,777 m 2,880 m
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コースタイム
剱沢キャンプ場 6:50 ⇒ 7:45 剱御前小舎 7:55 ⇒ 8:15 剱御前 8:45 ⇒ 剱御前小舎 8:55 ⇒ 9:35 別山(北峰) 9:45 ⇒ 10:30 剱御前小舎 10:40 ⇒ 12:00 称名川 12:35 ⇒ 雷鳥沢キャンプ場 12:40 ⇒ 12:50 雷鳥沢ヒュッテ 12:55 ⇒ 13:25 雷鳥荘 13:40 ⇒ 14:05 地獄谷展望台 14:25 ⇒ 室堂 14:50
2:00 剱沢キャンプ場
目が覚めて夜空を眺めるためにテントを出ると、まさに満天の星空だった。1時間ほど無心に夜空を眺めていたが、数えきれないほどの流れ星を目にした。星空をデジカメで撮るのは機能的に限界があるので、この時ばかりは一眼レフが欲しいと感じた。
2:45 嫁も起きてきた。3時頃まで星空を眺めてから、テントに戻って二度寝した。
5:00 起床。3日目にして、やっと剱沢キャンプ場から剱岳を拝むことができた。
5:30 剱御前に朝陽があたり、明るくなってきた。
剱岳を眺めながら、のんびり朝食の準備をした。
この日の朝食はベーコン入りのカップ麺と雑炊。バーナーに着火するため、またたくさんマッチを使ってしまった。
6時を過ぎて剱岳にも陽光があたり始め、岩稜の陰影がくっきりと見えるようになってきた。
左手前が前剱(2,813m)で中央が剱岳の本峰(2,999m)。標高差は200mもないが、前剱から山頂までが別山尾根コースの核心部。今回は登れなかったが、いつかまたチャレンジしたい。
6:50 テントを撤収して移動開始。
まずは剱御前小舎まで行って、その後の予定を考えようと思っていた。
この日は朝から素晴らしい天気だった。
7:45 別山乗越にある剱御前小舎に到着。トイレを借りてしばし休憩。
7:55 下で待っているという嫁を残して、とりあえず剱御前側の小ピークまで上ることにした。
10分ほどで尾根上の小ピークに出ると、360度の素晴らしい展望が広がっていた。北側には剱御前の山頂部と剱岳。剱岳の右には後立山連峰がくっきり見えていた。
南側の眺め。左に立山、真ん中に龍王岳と浄土山、右に黒部五郎岳と薬師岳。
立山と龍王岳の間には、槍ヶ岳と奥穂高岳も見えていた。
南西方面の眺め。奥には黒部五郎岳と薬師岳。その手前には、左から龍王岳、浄土山、鳶山と鷲岳、国見岳(ほぼ中央)、天狗山と、室堂平と地獄谷を覆うように山が並ぶ。天狗山の右奥は鍬崎山(くわさきやま)。
地獄谷と雷鳥平を見下ろす。手前の称名川の上に雷鳥沢キャンプ場、中央に雷鳥ヒュッテとロッジ立山連峰、地獄谷の左が雷鳥荘で、雷鳥荘の上にはみくりが池温泉も見える。左上は室堂バスターミナルで右上は立山高原ホテル。
8:15 剱御前から見た剱岳。剱岳の右奥には白馬三山。
剱御前から見ると、前剱と本峰との間にも険しい岩峰がいくつかあると分かる。
剱沢と後立山連峰。左から旭岳、白馬岳、白馬鑓ヶ岳、ほぼ真ん中に唐松岳、さらに五龍岳、鹿島槍ヶ岳と続く。
白馬鑓ヶ岳と唐松岳の間には火打山、唐松岳と五龍岳の間には高妻山も見えていた。
西側には大日三山(奥大日岳、中大日岳、大日岳)。その右上は富山の街並。
南東側には別山。祠のある南峰(2,874m)から北峰(2,880m)へのながらかな稜線がよく見えた。
あまりに眺めがよいので、稜線を引き返して下にいた嫁を呼び寄せた。
再び剱御前まで戻って記念撮影。
いったん剱御前小舎まで戻り、小腹がすいたのでスニッカーズを2人で分けて食べた。
8:55 天気がよいので、剱御前小舎にザックをデポしたまま、今度は別山へ向かった。
日差しが強烈なので、サングラスをかけて歩いた。背後の左は大日三山、右は剱御前。どちらを見ても素晴らしい眺めだった。
左手、北側には剱岳。
正面、東側には別山南峰と北峰。とにかくこの尾根歩きは最高に気持ちよかった。
9:15 剱沢と真砂岳への巻き道分岐を通過。剱岳の背後に雲が湧き出ていることに気づき、先を急いだ。
南側の立山。右奥には龍王岳と浄土山。南側にも雲が湧き出て、薬師岳が見えなくなっていた。
西側にも雲が広がっていたので、この時は予報通り変わりやすい天気になりそうだと思っていた。
9:25 別山南峰に到着。
別山南峰の石垣に囲まれた祠。
別山北峰へ向かう。後立山連峰の前に雲が流れてこないうちにと思い、急いで歩いた。
9:30 雷鳥に遭遇。いきなり目が合って、静止したまましばし見つめ合った。まさに出会いは突然だ。
そうっと近づく嫁。ライチョウは逃げないものの、一定の距離は保ちたいようだった。
北峰側から眺めた広々とした別山の尾根。
9:35 別山北峰に到着。北峰から眺めた剱岳の威容が圧巻だった。登っても素晴らしい山だろうが、それ以上に見て素晴らしい山だと感じた。こんなに格好いい山はそうはない。
北東側には白馬三山、唐松岳、五龍岳、鹿島槍ヶ岳など、後立山連峰がずらりと並ぶ。
唐松岳の左側には焼山と火打山、右側には妙高山も見えていた。
南東側の眺め。左から鳴沢岳、赤沢岳、蓮華岳、スバリ岳と針ノ木岳、唐沢岳、燕岳と続く。手前は真砂尾根。
北西側の眺め。向かい側に剱御前、その下には剱沢が広がる。
剱沢キャンプ場に幕営するテントが米粒のように小さく見えた。
10分ほど眺めを楽しんでから、気持ちのよい山頂稜線を取って返した。
帰りも2羽のライチョウを見かけた。
2羽のライチョウは親子のようだった。
雪解け水を静かにたたえた硯ヶ池(すずりがいけ)。秋には枯れてしまうらしい。ライチョウの親子は、この池の近くにいた。
10:00 別山南峰に戻ってきた。
南峰にいた方に写真をお願いした。その後、剱御前小舎へ向かった。
別山南峰付近から眺めた立山三山。
別山乗越から剱御前へ続く稜線の向こうには大日三山。
浄土山の右奥に、雲に隠れていた薬師岳が再び見えた。
左手には雷鳥平と地獄谷。その上には天狗山と鍬崎山。右は大日三山。
10時をまわっても剱岳はくっきり見えていた。
東側、別山方面。歩いてきた稜線を振り返る。
10:30 剱御前小舎に到着。
剱御前小舎でひと休みした。
10:40 剱御前小舎を出発。別山乗越から眼下の雷鳥平まで約500mの標高差。最初は急坂が続いた。
眺めを楽しみながらガレの急な傾斜を下る。
西側には室堂乗越から奥大日岳へ続く稜線。その左に流れるのは称名川(しょうみょうがわ)。
九十九折に高度を下げていく。眼下には雷鳥沢キャンプ場とその向こうに雷鳥荘、右に雷鳥沢ヒュッテとロッジ立山連峰が一望できる。
傾斜がゆるくなってくる頃には、追い抜いて行く登山者やすれ違う登山者の数が増えてきた。足腰に疲労を感じていたので、マイペースで歩いた。
雷鳥沢ヒュッテとロッジ立山連峰が徐々に近づいてきた。
雷鳥坂に咲いていたミツガシワ科のイワイチョウ。
キンポウゲ科のミヤマキンポウゲ。
上から見た時は遠くに感じたが、雷鳥平までは意外と近かった。
ゴマノハグサ科のエゾシオガマ。
ハイマツにとまっていたホシガラス。
称名川の近くまで下りてきた。
キンポウゲ科のモミジカラマツ。
同じくキンポウゲ科のシナノキンバイ。
12:00 称名川に到着。気持ちのよい場所だったので、ここでしばらく休むことにした。
称名川の清流で足をアイシング。ひじょうに冷たい水で、痛くなるほど足をクールダウンできた。
川のせせらぎは耳に心地よく、四方には雄大な景色が広がる。これ以上ない至福の時間を過ごした。
別山方面の眺め。雷鳥坂を下りてくるハイカーたちが小さく見えていた。
室堂乗越から大日三山へ続く稜線。午後になっても天気は崩れそうもないし、最終日は最高の登山日和となった。12:35 ゆっくり移動を開始することにした。
12:40 雷鳥沢キャンプ場を通過。大学の登山サークルだろうか、若者の団体が多かった。
石畳の道を進む。疲労がたまっているので、階段の段差がひじょうにキツく感じられた。
キク科のクモマニガナ。
雷鳥沢ヒュッテでトイレを借りた。見た感じはボロボロだが、奥行があって意外と大きな建物(4階建)だった。
雷鳥沢ヒュッテの少し先にある、ロッジ立山連峰。このあたりは硫黄の匂いがかなりキツかった。
再び階段を上る。
ザックが重くてペースが上がらなかった。
途中で地獄谷がよく見える場所を通る。
火山ガスがモクモクと出ていた。
周囲の大パノラマに励まされながら一歩ずつ進む。雷鳥荘までの上りは本当にしんどかった。
北東側には別山と雷鳥沢キャンプ場。
13:25 雷鳥荘を通過。
少し先にはある見晴らしのよい場所で休憩した。
13:40 疲れた体にむち打って先へ進む。前方は立山と浄土山。
しばらく歩くとエメラルドグリーンに輝くリンドウ池が見えてきた。
リンドウ池の東側から南側を回るようにして、石畳の道が続いていた。
リンドウ科のオヤマリンドウ。
リンドウ池と雷鳥荘。その向こうには奥大日岳。
こちらは酸化鉄で赤くなった「血の池」。
14:05 地獄谷展望台に到着。ここでも一休み。
血の池の向こうには、富士ノ折立、大汝山、雄山と3つのピークが並ぶ立山。
北東側の眺め。別山乗越の左に剱岳の姿が少し見えた。左下の建物はロッジ立山連峰。
北西側には、地獄谷。その向こうは大日岳(左)と奥大日岳(中央)。
14:25 のんびり休んでから再スタート。
展望台から「みくりが池温泉」はすぐ近く。このあたりまで来ると観光客の数がぐっと多くなる。
ミクリガ池に到着。稜線から何度も眺めた池までやっと来た。自分でも意外なほど疲れていた。
キク科のキオン。
キク科のノコンギク。
ミクリガ池周辺は観光客や団体ハイカーで溢れていた。
ついに室堂のバスターミナルが見えてきた。#
14:50 室堂のバスターミナルに到着。出発時は逆光だったので、写真を撮ってまわった。
「立山玉殿の湧水」で水を汲んだ。さすが名水100選、冷たくて美味しい水でした。
立山の石碑で記念撮影。剱岳には登れなかったが、最終日は快晴で、おつりがくるほどよい一日となった。
15:20発のバスに乗れた。寝ているうちに、ケーブルへ乗り継ぐ美女平に着いた。
16:10発のケーブルには惜しくも乗れず、16:20発のケーブルに乗車。16:40 立山駅に到着した。
駐車場へ移動すると、3日間停めたままの車がきちんとあった。
その後「グランドサンピア立山」へ。途中で道を間違えたが無事に行き着いた。温泉は空いていて、打たせ湯やジャグジーを好きに利用できた。湯上り後のコーヒー牛乳も最高にうまかった。
帰りは睡魔との闘いとなったが、温泉効果か、いつも運転中に痛くなる膝が痛くならなかった。有磯海SAで食べた鱒の寿司弁当がうまかった。
2時前に目が覚めて、3時過ぎまで満天の夜空を眺めた。いったんテントで横になり、日の出前から活動を再開。この日は朝から快晴で、テント場から剱岳の荒々しい山容を心置きなく眺めることができた。7時前には移動を始めたが、雲一つない青空だったので、剱御前小舎にザックをデポして、剱御前と別山へ上ることにした。どちらの山もこれぞ北アルプスと思える大展望の連続で、最高に楽しい稜線歩きとなった。別山北峰へ向かう途中で雷鳥にも出会い、前日の剱断念の埋め合わせをしてなお余りあるほどの、素晴らしい山行となった。雷鳥沢キャンプ場からの上り返しでガス欠状態となり、そこからは休み休みとなったが、午後も快晴の天気が続いたので、最後まで立山の大パノラマを楽しながら歩けた。
下山後は「グランドサンピア立山」でさっぱりしてから帰路についた。パーキングで2度短い仮眠を取って、24時45分に帰宅。今回の最大の目標だった剱岳登頂は果たせなかったものの、終わってみれば大満足の夏休みテント泊登山となった。