2012年5月27日 日曜日

天祖山・酉谷山・三ツドッケ

1,723 m 1,718 m 1,576m

 2時20分起床、2時35分出発。東日原には4時20分到着。今回は単独登山なので、自分の限界を計ろうと日帰りでは過去最高難度となる奥多摩最奥部のロングコースにチャレンジした。八丁橋から天祖山までの1,000mを超える上りはつらくて長く、2.5L持参した飲み物もどんどん減るのでどうなることかと思ったが、長沢背稜に出ると平坦な道が続いたので、結局少ない休憩で歩き切り、飲み物も十分間に合った。つらい割には眺めに乏しいコースだからか、酉谷山までに会ったハイカーは1人のみで、三ツドッケまでは静かな山歩きを楽しめた。一杯水避難小屋から下りに入ったときは余力を感じていたが、1時間ほどで足が言うことをきかなくなり、急激にペースが落ちてしまった。追い抜いた何人ものハイカーに追い越されて、少々気恥ずかしい思いをした。

 帰りは411号から16号と一般道をつかい、2時間20分の運転で帰宅。足全体が痛くなるほど疲れていたので、左膝に水がたまっているものと覚悟していたが、何ともなかった。日帰り限界に近いコースをしっかり踏破して、鳳凰三山や常念岳の日帰りも可能という手応えを得られた。

登山コースデータ
単純標高差 : 1,103 m
累積標高差 : 2,200 m
コース距離 : 25.2 km
標準コースタイム : 10 時間 50 分
歩行データ
総歩行時間 : 9 時間 20 分
総行動時間 : 10 時間 10 分

 コースタイム

東日原駐車場 4:40 ⇒ 八丁橋 5:25 ⇒ 7:50 天祖山 7:55 ⇒ 梯子坂ノクビレ 8:25 ⇒ 水松山(あららぎやま) 9:00 ⇒ (テーピング5分) ⇒ 行福ノタオ(みょうふくのたお) 10:15 ⇒ 10:45 酉谷山 10:55 ⇒ 七跳山分岐 11:45 ⇒ 12:05 ハナド岩 12:20 ⇒ 12:45 三ツドッケ 13:00 ⇒ 東日原駐車場 14:50

4:20 東日原 有料駐車場

4:40 駐車場を出発。

八丁橋まで約1時間の林道歩きとなる。途中、稲村岩が正面に見えた。

稲村岩。

途中、集落の端にあった観光用トイレを利用した。林道を歩いているうちに暑くなって、長袖シャツ1枚になった。

5:00 小川谷橋を通過。右に小川谷林道を分けて、そのまま日原林道を進む。

このあたりは渓流釣りも盛んなようで、釣場の看板がよく目についた。

伊勢橋を過ぎると林道は砂利道に。

道路脇に資材が積んであったが、奥多摩工業のものだろうか。

5:25 水たまりの八丁橋を渡ると登山口はすぐ。

登山道に入ってからは用心のために熊よけの鈴を鳴らした。

初っ端から九十九折の急登が続く。平成17、18年に滑落事故で3名が亡くなっているが、ガレ場を石垣でおおった山道はしっかりしていた。

30分ほど急登が延々と続く。すぐに汗が噴き出て、顎から滴り落ちた。水分補給をして、ひたすら上る。

6:20 ロボット雨量計を通過。

やっと道がなだらかとなり、人心地ついた。

しばらく進むと、大日神社の廃屋が現れた。荒れ放題で、薄気味悪かった。

道迷いの多発地帯だが、確かにところどころ落ち葉で踏み跡が見分けずらかった。

いつも以上に赤テープと踏み跡に注意して進んだ。

唐松平を上り切ると会所(社務所)が見えた。

会所は避難小屋のように見えたが、一般登山者の利用は禁止らしい。

会所の中をのぞいてみた。

ここは数少ない富士山スポットだが、この日は雲の中。

7:50 天祖山山頂の天祖山神社に到着。ここまで3時間10分とよいペースできた。

アンパンをほおばり先へ進んだ。

天祖山から急な下りが続く。

8:25 梯子坂ノクビレを通過。再び水松山まで緩やかに上り返す。

キツツキの音を度々耳にしたが、穴だらけの幹もあった。

8:55 水松山分岐に到着。

ここからは長沢背稜を東へ歩いて酉谷山に向かう。

分岐からしばらく進むと、水松山へ向かうとみられる踏み跡があったので、とりあえず山頂へ。展望はなく、簡易な標識と三角点のみだった。

踵が痛くなってきたのでテーピングを厚くしていると、中年ハイカーが追いついてきた。前日は雲取山荘に宿泊して下山途中とのこと。

9:35 タワ尾根ノ頭(滝谷ノ峰)の鞍部にあるヘリポート。

西に雲取山が見えた。なだらかな長沢背稜に出てから汗が引いて、水分消費が減った。

鷹ノ巣山(左)と天祖山(右)。

天祖山の山腹に石灰石の採掘現場が見えた。武甲山と似た状況だ。

長沢背稜は埼玉県と東京都の境界線。梢越しに山は見えるが撮影スポットはなかった。

10:15 行福ノタオを通過。

酉谷山までは150mほどの上りだが、すでに5時間以上歩いているので、かなりキツかった。

10:45 酉谷山に到着。

狭い山頂には先客が1名。倒木に腰を下ろしておにぎりを食べたが、羽虫がうるさかった。

展望は南面のみ。六ツ石山から鷹ノ巣山と続く石尾根。

雲取山も見えてきた。

嫁にメールして 10:55 下山開始。西谷峠までは10分ほどの下り。

震災後の落石多発で、小川谷林道は通行止との表示がなされていた。

峠の下に酉谷避難小屋が見えた。

酉谷山にいたハイカーがついてきたので、引き離そうとなだらかな長沢背稜をガンガン飛ばした。

途中、桟橋をいくつか通過したが、体重でたわむ橋もあった。必死で歩いたのにオジさんハイカーを引き離せなかった。11:45 七跳山分岐を通過。

12:05 道標を撮っていると話し声が聞こえた。よく見ると支柱に小さくハナド岩の文字。あやうく見逃すところだった。

ハナド岩は狭いが2名のハイカーと入れ替わりで貸切状態となった。

ハナド岩は南から西にかけての眺めがよい。左は大岳山で真ん中あたりに御前山。重なって右へ石尾根が延びている。(パノラマ写真1)

真ん中左に鷹ノ巣山。

。西側の雲取山と芋ノ木ドッケ。石尾根の手前に走るのはタワ尾根で、雲取山とタワ尾根の間に天祖山が見える。

おにぎりを食べながら、しばし展望を楽しむ。

15分ほど休んでから先へ進んだ。

三ツドッケの山頂へ向かう。上り始めてすぐに、ふくらはぎの張りがひどいことに気がついた。

山頂までは50mほどの上りに過ぎないが、足にきているのでこれがツラい。集団2組とすれ違った。

12:45 ここまで8時間、ついに三ツドッケ(中央峰)に到着。

嬉しいことに、ここも貸切状態。

北東方面。左から武甲山、小持山、大持山など奥武蔵の山々が並ぶ。

東側の有間山。

東南東には蕎麦粒山(左)と川苔山(右)。

南側。左から本仁田山、大岳山、御前山。

南西側。左から鷹ノ巣山、日蔭名栗山、高丸山、七ッ石山。

西側。左に雲取山、右には芋ノ木ドッケと白岩山。雲取山の手前に天祖山を挟んでタワ尾根が延びている。(パノラマ写真2)

13:00 上ってきたハイカーと入れ替わりで下山開始。

南峰までちょっと上り返してまた下る。

15分ほど下ると一杯水避難小屋。おばさんハイカーたちのにぎやかな話し声が近づいてきた。

避難小屋の内部は簡素で綺麗。

一杯水の分岐からはヨコスズ尾根を下る。

カエデ系の新緑が鮮やかだった。調子よく飛ばして、先行ハイカーを何組か追い越したが、1時間ほどで足が言うことをきかなくなり、大失速。今度は後続ハイカーにどんどん抜かされた。

杉の植林帯に入ると、最後は九十九折の急坂となる。

足が棒のようになり、膝下全体が痛かったので、民家が見えたときは嬉しかった。

14:50 駐車場に到着。東日原からバスに乗るハイカーが大勢いた。やり切った達成感に満たされながら、帰路についた。