2015年9月12日 土曜日

焼岳

2,455 m

 0時起床、0時25分出発。新中の湯ルート登山口に4時20分到着。中の湯温泉の手前で安房峠道路に入ってしまい、遠回りして20分時間をロスしたが、10号カーブ辺りにある駐車場にギリギリで停めることができた。明るくなるまで仮眠を取るつもりでいたが、後から後から車が入ってくるので、少しでも先に出た方がよいと思いなおして暗いうちに出発した。山頂は360度の大パノラマ。穂高連峰や槍ヶ岳など北アルプスはもちろん、中央・南アルプス、乗鞍、白山など、名だたる名峰を一望できた。北峰の山腹にはいまも活動中の噴気孔がいくつもあり、白い噴煙を上げる様子を間近に観察できたのもよかった。時間はたっぷりあったので、いつもより山頂でのんびり過ごしてからゆっくり下山した。

 帰りは渋滞もなく、15時20分に帰宅。運動不足で身体がなまっていたので、往復5時間のルートはちょうどよいリハビリになった。

登山コースデータ
単純標高差 : 824 m
累積標高差 : 870 m
コース距離 : 6.9 km
標準コースタイム : 4 時間 55 分
歩行データ
総歩行時間 : 5 時間 10 分
総行動時間 : 6 時間 35 分

 コースタイム

新中の湯ルート登山口P 4:55 ⇒ 下堀沢出合 6:25 ⇒ (5分休憩) ⇒ 7:35 山頂鞍部 7:40 ⇒ 7:50 焼岳北峰 9:00 ⇒ 9:10 山頂鞍部 9:15 ⇒ 下堀沢出合 10:20 ⇒ 新中の湯ルート登山口P 11:30

4:20 新中の湯ルート登山口駐車場

4時台なのに駐車場は一杯。後から来た車はどんどん路駐していく。やはり北アルプスは人気が違う。

4:55 ヘッドライト使用で登山スタート。30分ほど歩くと、ヘッドライトのいらない明るさになった。

樹林帯の上りは大きな岩ゴロや木の根が多くて、若干歩きづらかった。

前日までの雨で、登山道には泥濘や水たまりもあったが、木道が効果的に配置されていた。

1時間半ほど眺めのない樹林帯歩きが続き、6時過ぎになてようやく焼岳の双耳峰が見えてきた。

6:25 下堀沢出合を通過。左が南峰で右が北峰だが、北峰の山頂部は奥にあってまだ見えていない。

下堀沢出合付近の泥濘。

何度も見かけたオヤマリンドウの蕾。

焼岳を見上げながら上る。硫黄の臭いが漂っていおり、空には不思議な雲が広がっていた。

徐々に上りがきつくなって、梯子も出てきた。

登山道はV字に崩落した下堀沢の右岸につけられている。しばらく上ると森林限界を越えて眺めがよくなった。

色づいてきたナナカマドと焼岳。雲に隠れていた朝陽が出てきて、日差しが強くなった。

笹原の斜面を登っていく。

虫除けスプレーを用意していたが、虫がまったくいなかった。

双耳峰の間に噴気を上げる北峰の山頂部が見えてきた。

背後の南東側の眺め。

たくさん見かけたシラタマノキ(シロモノ)の実。

何組かの後続ハイカーに抜かれたが、早立ちのおかげで静かな山歩きが続いた。

火山岩がゴロゴロした登山道を進む。

南の方角には乗鞍岳がよく見えた。

朝陽に当って眩しいほどの南峰。現在、崩落の危険があるため立入禁止になっているが、規制の根拠と内容が曖昧なまま立入禁止が続いているようだ。

白い噴気を上げる北峰がいよいよ近づいてきた。

山頂付近は草黄葉が始まっていた。

オンタデ(雄株)。

南峰も間近に迫ってきた。

7:35 南峰と北峰の鞍部に到着。4人組の学生らしき団体が休んでいた。

稜線の鞍部に出ると、西側の眼下に焼岳の爆裂火口湖「正賀池」が見えた。

鞍部から見た南峰(2,455m)。すぐ足元まで来て、この鋭角な岩峰に登れないのは何とも悔しい。

鞍部の南峰側から眺めた北峰。山頂に人影が見えた。

大きな噴気孔のすぐ下を通って、北峰山頂へ向かう。

噴気孔の中をのぞいてみようと近くまでよじ登ってみたが、噴気の勢い凄いのでやめておいた。

山頂直下の岩壁を東側へ回り込む。

山頂下のコルで中尾峠からの登山道と合流し、最後は岩の急登となる。

ここでも登山道のすぐ近くに噴気孔があった。安山岩が硫黄で鮮やかな黄色になっている。

まだ8時前であることに驚きながら北峰山頂へ。

7:50 北峰(2,444m)に到着。まだ人が少なかったので、山頂標の近くにいた男性にすぐ写真をお願いした。

北峰山頂から隣の南峰を眺める。左奥は乗鞍岳。

南側の乗鞍岳、左手前は十石山(じゅっこくやま)。右には四ッ岳と猫岳。

南東側の眺め。左に鉢盛山と小鉢盛山でその奥に南アルプスの山々。真ん中やや右には木曽駒ヶ岳など中央アルプスの山が並ぶ。右端は十石山。

鉢盛山の上には、左から甲斐駒ヶ岳、アサヨ峰、仙丈ヶ岳、北岳、間ノ岳と連なり、小鉢盛山の上には塩見岳、さらに右へ悪沢岳(東岳)、赤石岳、聖岳と南アルプスの山々が並ぶ。甲斐駒ヶ岳の上には富士山の頭も見えていた。

東側には霞沢岳。その麓には上高地の梓川が見える。北峰東側の小ピークにも蒸気を上げる噴気孔がいくつもあった。

北東側には西穂高岳、奥穂高岳、前穂高岳、明神岳と連なる穂高連峰。左奥には槍ヶ岳も見える。

槍ヶ岳の左側。左に水晶岳と鷲羽岳、真ん中左に野口五郎岳。右には槍ヶ岳と大喰岳、中岳が並んで見える。

北側には笠ヶ岳。その右は抜戸岳(ぬけどだけ)。

西側の眺め。爆裂火口の上、左奥に白山が見える。

白山もよく見えていた。

南峰と正賀池。北峰の山頂標には「標高2,393m」とあったが、それはこの火口湖北側の標高点らしい。目視した感じも、北峰の高さは南峰とそう違わないことから、北峰の標高は「2,444m」で間違いないようだ。

風の具合によっては、北峰直下の噴気孔がはっきり確認できた。人がすっぽり入ってしまう大きさに見えた。

北峰の端を行ったり来たりしながら入念に写真撮影した。#

大きな一眼レフのお兄さんに、また写真を撮ってもらった。

山頂の大展望を楽しみながら、おにぎりを食べた。

時間とともに山の陰影がくっきりしてきた。奥穂高岳山頂部のジャンダルムもはっきり分かる。

9:00 下山開始。もっとゆっくりしているつもりだったが、帰りの運転が気になり始めて下りることにした。

岩ガレの急坂を下る。ぞくぞくと登山者が上ってきていた。

岩峰を巻いて進む。

山頂直下は垂直の岩壁。南峰は崩落の危険で立入禁止だが、北峰も十分崩落の危険があるように見えた。

10分ほどで鞍部へ到着。南峰の崩落危険性は誰が調べたのかなぁと、つくづく恨めしい。

下山前に鞍部から北峰を見上げる。ゴツゴツした巨岩の堆積と吹き上がる噴気は、まさに溶岩ドームという感じで迫力満点。

すり鉢のようになった広い谷筋を下っていく。

南峰を振り返る。

下りは早いので、北峰もみるみる遠ざかる。

下りでは登ってくる多くのハイカーとすれ違った。20名以上の列なのに全員が通るまですれ違いを譲らない団体がいて、延々と待たされたが、嫁によると、ご高齢の登山者がその団体を注意していたらしい。尊敬に値する行為です。

樹林帯に入るまでは素晴らしい眺めが続くので、何度も足を止めて写真を撮った。

天気はますますよくなって、素晴らしい登山日和になった。

時間とともに上ってくるハイカーが増えてきた。昼頃には山頂は大混雑だったのではなかろうか。

山頂鞍部から30分。北峰が小さくなってきた。

笹原に入って、北峰が徐々に見えなくなるところまできた。

木段のような梯子を下る。

前後のハイカーと距離を保つように、下りはゆっくり歩いた。

下堀沢出合付近から、どっしりとした山容の霞沢岳を望む。

森林限界を過ぎて樹林帯へ入る。

10:20 下堀沢出合を通過。

焼岳の双耳峰もここで見納め。

下堀沢出合からは眺めのない樹林帯をひたすら歩く。

前を歩いていた学生風の団体が途中で休憩しており、前がいなくなったようなのでスピードアップした。

さほど疲れもなかったので、どんどん下った。

嫁がヘビ発見。ストックで何度も藪への逃げ道を塞いで写真を撮った。首の黄色からヤマカガシの幼蛇と思われる。

登山道に廃車が。安房峠のカーブを曲がりきれずに転落した車で、回収作業ができずに放置されているらしい。

駐車場近くまで来ると、路駐車が長々と続いているのが見えた。

11:30 駐車場着。素晴らしい天気に恵まれてよい一日になった。