2019年4月9日 火曜日

由布岳

1,583 m

 6時半起床、前夜の宿泊先である別府温泉「悠彩の宿 望海」で朝食を食べてから由布岳登山口へ移動した。九州遠征最終日も晴れ渡り、朝から素晴らしい登山日和となった。マタエから西峰のピストンは鎖場の連続で、足場はしっかりしているものの高度感のあるトラバースもあって、アスレチックのようにスリルを楽しめた。山頂は西峰、東峰ともに360度の大展望が広がり、別府湾まで見渡せる眺望は素晴らしかった。下りは東登山口コースを進んで日向岳を経由したが、序盤は急傾斜の連続で大丈夫かと心配になり、日向岳周辺はルートがわかりづらくてしばらく右往左往してしまった。連日の登山で身体がフィットしていたので問題なかったが、コースタイム通りにはとても歩けない大変さを東登山口コースには感じた。

 翌日は終日雨の予報が出ていたので、なるべく距離を稼いでおこうと、下山後はすぐ帰路に就いた。

登山コースデータ
単純標高差 : 803 m
累積標高差 : 1,010 m
コース距離 : 7.3 km
標準コースタイム : 5 時間 20 分
歩行データ
総歩行時間 : 6 時間
総行動時間 : 7 時間 5 分

 コースタイム

由布岳登山口P 8:55 ⇒ 合野越 9:40 ⇒ マタエ 10:55 ⇒ 11:20 由布岳西峰 11:40 ⇒ マタエ 12:00 ⇒ 12:10 東峰 12:50 ⇒ 13:00 剣ノ峰 13:05 ⇒ 日向越 14:25 ⇒ 日向岳 14:40 ⇒ 由布岳登山口P 16:00

8:35 由布岳登山口 無料駐車場

由布岳登山口の駐車場に到着。すでに6台の車が停まっていた。

道路を挟んだ目の前に正面登山口がある。標高は780m。

豊後富士とも称される円錐形の由布岳を正面に見ながら、広々とした草地をゆるやかに上って行く。連日の快晴に気分は上々。

由布岳の右、北東側に見える日向岳(ひゅうがだけ 左)と鶴見岳(右奥)。

由布岳の左、北西側に見える標高1,067mの飯盛ヶ城(いもりがじょう)。昔は山城があったらしいが、草地のはげ山になっている。

草地を15分ほど歩くと樹林帯が近づいてきた。

樹林帯に入るとすぐにあるトイレ。

若干傾斜が増して、登山道らしくなってきた。

よく整備された樹林帯の道を進む。

9:40 西登山口コースと合流する合野越(ごうやごえ)に到着。団体ハイカーが休憩していた。

合野越からは九十九折りの上りが続く。

高度を上げると草地の斜面となって、見晴らしがよくなった。

飯盛ヶ城がいまは眼下に見える。その向こうには雨乞岳(左)と倉木山(右)。

連日の登山で身体はでき上がっており、よいペースで上れた。

やがて九十九折から岩がゴロゴロする直登気味の急坂となった。

岩の急登をせっせと上る。

10:55 西峰と東峰の分岐となるマタエに到着。標高は1,470mほど。広くて休憩するにはちょうどよかったが、あまり疲れを感じていなかったので、そのまま西峰へ向かった。

いきなり険しいクサリ場からスタート。

予想以上の険しさだったが、嫁も慣れたもので普通に上って行く。

クサリ場が一段落して、再び大きな岩盤が出てきた。ストックが邪魔なので、岩陰にデポして進んだ。

「障子戸」と呼ばれる西峰の核心部を慎重に登る。

断崖をトラバース気味に進むところもあり、なかなかのスリルだった。

距離的には短く集中もしていたので、あっという間に登り終えた。

11:20 由布岳西峰(1,583m)に到着。

南西側の眺め。眼下には湯布院盆地が広がり、左奥には九重連山、真ん中あたりに湧蓋山(わいたさん)が見える。

西側の眺め。左奥に福万山(ふくまやま)、右に飛岳(とびだけ)が見える。

北側の眺め。手前は御鉢の北側。右に延びるのは大分自動車道。

東側には鶴見岳と別府湾がのぞめる。右は御鉢の剣ノ峰。

南東側には双耳峰の東峰がどんとそびえる。

貸切状態の西峰で360度の大パノラマを満喫。最終日も天気に恵まれて、九州の印象がますますよくなった。後からきた若者が御鉢巡りをするために北側斜面を降りて行った。

11:40 下山開始。御鉢巡りは難易度が高いらしいので、我々はマタエへ戻る。

下りは上りよりも危険度が増すので慎重に進んだ。

上から眺めるとかなりの高度感があるので、自分よりも嫁の動きが気になった。

3点支持を守りながら慎重に下る。

見た目が怖いトラバースポイントも足場はしっかりしている。落石などにも気を付けて慎重に足を運んだ。

そのうち調子が出てきて楽しくなってきた。ストックを回収してクサリ場を無事に終了。

12:00 マタエに戻ってきた。

そのまま東峰へ向かった。

東峰へ向かう道は、クサリ場もなく安全だった。

12:10 由布岳東峰(1,580m)にあっさり到着。こちらも貸切状態だったので、のんびり休むことにした。

東側には大分市の海岸線がよく見えた。左は鶴見岳。山の頂きから海が見えると気持ちがよい。

南側の眺め。眼下に飯盛ヶ城。その向こうに雨乞岳(左)と倉木山(右)。右奥には薄っすら九重連山も見える。

西側には湯布院の市街地。

北西側には先ほどまでいた西峰が大きい。西峰から下る時に、「下にあるのは君らのストックか?」と話しかけてきた人懐っこい老ハイカーの姿が山頂に小さく見えた。

北側には御鉢の北側稜線と剣ノ峰。

東側には鶴見岳と別府湾。左手前は剣ノ峰。

適当な岩の上にカメラを置いてタイマー撮影した。

12:50 下山開始。余力十分だったので、下りは正面登山口ルートを戻るのではなく、東登山口コースへ進むことにした。

いきなり下が見えないような急下降からスタート。

コースの下調べが十分ではなかったので、少々不安を覚えながらのスタートとなった。

御鉢の稜線を進む。踏み跡ははっきりしていたが、あまり歩かれていない印象を受けた。

灌木の茂みで歩きづらい場所もあったが、概ね問題なく剣ノ峰まで進めた。

13:00 剣ノ峰に到着。

先ほどまでいた東峰。

こちらは西峰。崩落気味の東側斜面が見える。手前の窪地にはウバコウジと呼ばれる噴火口跡がある。

剣ノ峰から東登山口コースへ下る。

いきなり長いクサリ場が出てきた。

これ以上難易度が上がるとまずいなぁと考えながら下ったが、ここより険しい場所はなかった。

前半は険しい下りの連続だったが、鶴見岳と別府湾の雄大な眺めが眼を楽しませてくれた。

鶴見岳の全容。山頂に鉄塔がいくつも建っているのが見えた。

一気に高度を下げていく。前後に歩いているハイカーは最後までいなかったが、急峻な勾配で岩場やクサリ場が連続するので、無理もないと納得できた。

眺めを楽しむには絶好の岩場がいくつかあり、足を止めて大分の絶景を満喫した。

再びクサリ場で出てきた。足元が見えづらかったので慎重に下った。

緊張を強いられる急坂が終わったとたんに嫁が転倒。つんのめって顔から落ちてしまい、こめかみを打って擦りむいた。どうしてここで転ぶかと思ったが、事故が起こるのは油断したときなのだろう。すぐに救急セットで応急処置をほどこした。

幸いただの打撲のようだったので、嫁は再び元気に歩き出した。嫁は派手な転倒がたまにあるので気を付けてもらいたい。

樹林帯の平坦な道が続いた。踏み跡があやしくなってきたが、14:25 日向越を無事に通過。日向岳へ向かった。

上から見たときは上り返しがキツそうに見えたが、鞍部からの上りはゆるやかで距離も近く感じた。

14:40 日向岳(1,085m)に到着。樹林に囲まれて、標識がなければわからないような山頂だった。

踏み跡がないので、黄色テープを頼りに日向岳の西斜面を下ったが、途中でロスト。しばらく右往左往した。

15:05 やっと標識を見つけて、正面登山口コースと合流する道に戻ることができた。

地図上のルートと異なり、実際は深い谷を迂回するために上り返しや曲線が多いコースだった。

標識を見つけてから順調に進んだが、正面登山口コースと合流するまで長く感じた。

15:45 建物が見えてきて、無事に正面登山口コースと合流した。

由布岳を背に、広々した草地を下る。剣ノ峰からの下りは予想以上に険しく長く、道迷いもあって最後は疲れてしまったが、九州遠征最終日も終日晴れて、素晴らしい山行になった。

16:00 由布岳登山口に到着。低気圧の影響で明日から西日本は全域で雨の予報が出ていたので、今日のうちにできるだけ距離を稼ごうと、下山後はすぐ帰路に就いた。