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乾徳山登山口バス停の向かいにある公園トイレに寄ってから、集落上端の砂利場に車を停めた。#
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セメントで荒く固めた凸凹の林道をしばらく歩く。早朝からすっきりと青空が広がっていた。#
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登山口の先に「熊注意」の大きな看板が立てられていた。嫁は鈴の用意をしてから登山道へ。#
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最初はオソバ沢に沿ったゆるやかな上りが続く。日陰でもさほど寒くはなく、じっとりと汗をかくくらいだった。#
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林道を横切りさらに上って、一つ目の水場「銀晶水」に到着。ちょろちょろと水量は僅かだった。#
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銀晶水の前後にカケスがたくさんいた。いつもなら写真を撮ろうと鳥の出待ちをするが、この日はすぐ先へ進んだ。#
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銀晶水を過ぎると周囲は自然林に変わり、大きな石がゴロゴロと目立ち始める。上りも若干きつくなった。#
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坂がゆるやかになつて笹の下草が目立ち始めると、二つ目の水場「錦晶水」に出る。こちらの方が水は豊富。#
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ゆるやかな道を進むと林が切れて正面に乾徳山が見えてくる。錦晶水から15分ほどで分岐点の国師ヶ原に到着。#
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シラカバなどの自然林を抜けると、広々としたススキの草原に出た。濃い青空と風が心地よかった。#
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背後に広がる富士山と南アルプスを何度も振り返った。大菩薩嶺の上りを思い出した。#
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上り切ると月見岩(右)があり、そこから左の乾徳山へ広い尾根を歩く。開放感があってとにかく気持ちがよい。#
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8:40 扇平に到着。出発から約2時間半かかったが、ここからが本番、険しい岩登りとなる。#
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岩場が多くなってきたので、杖をしまって上る。日陰に雪がけっこう残っていた。#
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髭剃岩から先は、鎖や梯子をつかって越えていく岩場が続き、適度なスリルがある。#
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岩に矢印がつけてあるが、ここを行くの? と若干迷う箇所もあった。#
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サイドがスパッと切れ落ちていると高度感があって緊張する。しっかり岩につかまって景色を眺める。#
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丸太の梯子は脆弱に見えた。雪でつるつるの道があったり油断はできない。#
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第一関門の鎖場出現。足場となる凹凸があるので、三点支持だけ注意して登れば問題はない。#
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最初の鎖を登ると次の鎖が2本ぶら下がっている。登りやすそうな右側を行った。#
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鎖場を過ぎると、眺めの良い場所が続く。富士と南アルプスの絶景に疲れも吹き飛ぶ。#
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ついに山頂直下、天狗岩の鎖場が見えてきた。人がこないうちに登りたいので先を急いだ。#
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高さは20m弱。嫁は安全な巻き道に行くかしばし迷っていたが、結局挑戦すると言い出した。#
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三点支持を確認しながら嫁はゆっくり登って行く。すべすべの一枚岩だが縦のクラックに足がかかる。#
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足場のしっかりした中段で休んで、嫁はさらに上へ。姿が消えて、山頂に出たと声が聞こえた。#
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続いて私も山頂へ。鎖を頼りに腕力で登った。思ったよりも楽に登れたが、上から見るとさすがに怖い。#
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山頂は360度の絶景が広がる。南には富士山。富士の右には無毛山、左には御正体山や三ツ峠山が見える。#
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南西から西にかけては南アルプスの山並。眺めを楽しみながら、誰もいない狭い岩峰で食事にした。#
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北西方面。真ん中に金峰山が白く見える。右には北奥千丈岳と国師ヶ岳。オンマウスは金峰山の五丈石。#
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北方面。左に大きく黒金山、手前は笠盛山で、右奥には三宝山と甲武信ヶ岳。オンマウスは三宝山と甲武信ヶ岳。#
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東方面。中央に唐松尾山、その左に白石山、右には雲取山と大洞山。オンマウスは雲取山と大洞山。#
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東南東方面。左にうっすら大岳山と三頭山(手前に鶏冠山)、中央に大菩薩嶺、その右に小金沢山。オンマウスは大岳山と三頭山の並び。#
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南アルプス。左から布引山、笊ヶ岳、上河内岳、中央に前聖岳、赤石岳、悪沢岳、右には蝙蝠岳、塩見岳、農鳥岳。オンマウスは布引山、笊ヶ岳、上河内岳と続く山並。#
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さらに左から間ノ岳、北岳、地蔵岳、仙丈ヶ岳(ほぼ中央)、甲斐駒ケ岳、鋸岳と続く。右端の白いのは木曽駒ケ岳。オンマウスは間ノ岳、北岳、地蔵岳の並び。#
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左から前聖岳、赤石岳、悪沢岳。オンマウスは蝙蝠岳、塩見岳、農鳥岳、西農鳥岳の山並。#
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仙丈ヶ岳と甲斐駒ケ岳。オンマウスは左に鋸岳と編笠山、右に白く木曽駒ケ岳。#
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しばらくすると次々にハイカーが登ってきた。主人のハイカーに連れられた飼い犬は、下り梯子を前に震えていた。#
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ゆったりと快適な時間を山頂で過ごした。写真を撮ってから下山の準備を開始した。#
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鎖場を登ってくる人が絶えないので、下りは巻き道へ進んだ。梯子の下は雪が残っていて歩きづらかった。#
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山頂を下りてもしばらく絶景が続く。上ってくるハイカーを尻目に、満ち足りた気分で先へ進んだ。#
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見返すと山頂直下の天狗岩を登っていくハイカーの姿が見えた。#
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登ってくるハイカーが途切れたところで、鎖場を降りる。鎖にしっかり掴まって慎重に下った。#
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鎖を無視してサクサク上ってしまう中年男性がいて驚いた。クライミングの心得がある人は動きが違う。#
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1時間で扇平へ。岩場でくつろぐハイカーが多かった。国師ヶ原まで素晴らしい眺めを楽しみながら下った。#
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国師ヶ原と錦晶水を過ぎてどんどん下る。よく上ったと感心するくらい、ひたすら下りが続く。#
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気温が上がって喉が渇いた。銀晶水で一息入れて、さらに下る。最後まで快調なペースで歩けた。#
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沢の音が近くなって、ついに登山道入口に到着。林道にクジャクチョウが止まっていた。#
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疲れが出て林道歩きが長く感じられた。13:25 車の増えた駐車場に到着。7時間に及ぶ素晴らしい山行でした。#
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