千松信也「ぼくは猟師になった」

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本書「ぼくは猟師になった」について

一般の会社に勤めながら猟師もしている千松氏の来歴と、狩猟をしながらの生活がざっくばらんに語られています。

ワナ猟師になるまでの経緯、会社勤めをしながらシカやイノシシのワナ猟に興ずる著者のちょっと変わった日常だけではなく、野鳥の網猟、山菜・野草の採り方と調理方法などについても詳しく書かれています。

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感想あれこれ

とても興味深く読めました。大学を長期休学してアジアを放浪したり、獲ったシカを大学寮で解体して寮生たちで食べ尽くすなど、若い頃から著者のバイタリティには目を見張るものがあります。自分の好きなことをやっていたら今の生活になったという感じで、人生を自然体でエンジョイしていることが伝わってきました。

ごく普通に新たなことにチャレンジして、誰とも違う形で自分の生活を築き上げていく姿に感心しましたし、ある種の痛快さすら感じました。田舎へ移住して著者のような生活ができたらどんなに楽しいだろうと思う反面、それには生きる力というか、まずやってみるという好奇心と行動力が必要だとも感じました。

シカやイノシシの罠猟だけではなく、本書の後半には、野鳥の網猟、山菜・野草の採り方と調理方法など、自然の中で生きる知恵がいろいろと書かれていて興味が尽きませんでした。

現代人が忘れてしまった狩猟文化に、著者は日常的に触れていますが、生活に直結する具体的な知恵や知識がどんどんついて、できることが増えていくのはどんな気分なのでしょうか。生きる力を得ている実感があるのではないでしょうか。

豊かな生活とか、豊かな人生にはさまざまな形があると思いますが、著者の生活もひじょうに豊かなものだと感じました。何といっても、自分が食べる肉を自分で獲る生活は豊かですよ。

ジビエ料理が食べたい

獲った獲物を調理した写真がとても美味しそうで、ジビエ料理を試してみたくなりました。きちんと処理をしたジビエは本当に美味しいと、著者に限らずどの猟師も書いています。新型コロナ禍が一段落したら、美味しい猪鍋を出してくれるお店を探して行ってみようかと思います。

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