ソファから立ち上がると、ぐるっと世界がまわってひっくり返った。
柔道の達人に投げられたかのように、気づいたら仰向けになっていたという感じで、ソファの上に倒れていなかったら怪我をしていたかもしれない。
朝起きた時にめまいがしておかしいとは感じていたが、これには驚いた。自分に何が起こったか分からずに、脳梗塞や自律神経失調症の可能性を考えて怖くなった。
めまいが落ち着いた後でネット検索してみると、症状から「良性発作性頭位めまい症」であることが分かった。
良性発作性頭位めまい症とは
症状
主な症状は、目が回る、フワフワするなどのめまいで、吐き気を伴うこともある。めまいは、寝返りをうったとき、横になった状態から起き上がったとき、頭を傾けた時などに生じやすく、大抵は頭を特定の位置に動かしたときに生じる。
めまいの症状は、比較的短い時間 (10秒から20秒) で治まる。特別治療をしなくても数日から2週間程度で軽快することが多いが、中には難治性で1ヶ月以上症状が続く場合もある。
原因
平衡感覚をつかさどる内耳の卵形嚢 (らんけいのう) には炭酸カルシウムでできた耳石と呼ばれるものがあり、耳石が傾きに応じて動くことで、内耳から脳に傾いているかどうかの信号が送られている。
この耳石は常に代謝していて、古くなって剥がれた浮遊耳石が何かの拍子に三半規管に入り込むことで、めまいが起きると考えられている。
どういう人がなりやすいか
デスクワークなど、長時間 頭を動かさず同じ姿勢でいる人がなりやすい。低い枕で寝ている人、寝返りの回数が少ない人も、良性発作性頭位めまい症になりやすいと考えられている。
統計では男性よりも女性が多いが、これは生活の中で頭を動かすことが多いか少ないかによるもので、女性がなりやすいということではないらしい。
回復までの経過
恐る恐る身体を動かすことで、私の場合は、頭を左側に傾けるとめまいがすると分かってきた。頭の動かし方さえ注意すれば日常生活に問題はなかったので、病院へは行かなかった。
頭を動かすことが症状を軽くするのにとても有効だと複数のサイトに書いたあったので、試しにめまいが起きる方向に2回連続で身体を倒してみたら、ぐるぐると猛烈なめまいがして、乗り物酔いをしたように数時間気持ちの悪さが収まらなかった。
速攻で治してやろうと思っていたが、これは無理だと素直に考え直して、それ以降はおとなしく自然治癒を待つことにした。
最初は左側を向くだけで気持ちの悪さを感じていたが、日数の経過とともに、問題なく頭を動かせる範囲が広くなっていき、4日くらいで歩行などの動きに不安がなくなった。(それでも左に頭を倒すとめまいは起きた)
6日目で左側に頭を倒してもめまいが生じなくなり、動いたときに感じるわずかな気持ち悪さも翌日には消えた。そんなわけで、回復までちょうど1週間かかった。