今回の登山について
北海道登山ツアー4座目は百名山・十勝岳。高校1年の林間行事で途中まで登った山だが、その時の記憶はほとんどない。上っているうちに何か思い出すかと思ったが、荒涼としたガレ場を上るイメージ以外、やはり何も思い出せなかった。
1日中休みを挟んだので身体も軽く、登山は順調だったが、噴火口群を過ぎたあたりで一気に雲に飲み込まれ、山頂でも周囲は真っ白だった。
他の登山者がすべて下山して我が家しかいない時間帯もあったが、天気の回復をひたすら待って、登頂から2時間半後に雲が切れて山頂の景色が一変した。
雲が切れていく情景は、晴れ晴れと変化していく心の在り方そのもので、見える世界と自分の心が一体化したかのようにシンクロしていた。心の本質を示唆する何かがあると感じるが、難しいことは抜きにして、とにかくその瞬間の沸き立つような感動は、忘れがたい思い出となった。
十勝岳について
十勝岳は、北海道の中央部の上川管内の美瑛町・上富良野町、十勝管内の新得町にまたがる標高2,077 mの活火山。大雪山国立公園内の十勝岳連峰の主峰である。日本百名山及び花の百名山に選定されている。山頂の西北西の前十勝にある62-Ⅱ火口からは盛んに噴煙が上がり、山頂付近は火山灰に覆われている。
ウェブサイト『ウェキペディア』より
望岳台から十勝岳山頂まで
十勝岳山頂の展望
12時近くになると、次々と登山者が下山していき、しまいには私と妻だけが山頂に残された。次はいつ登れるか分からないので、時間の許す限り山頂で待つことに決め、妻には「最悪14時まで待つ」と宣言した。
ところで、自分でも信じがたいことだが、十勝岳山頂でナキウサギを見た。すぐ数メートル先で2度も見かけたので、まず間違いないと思う。すぐ逃げてしまったので写真を撮る時間はなかったが、私以外は誰も気づいていなかったので、証拠として撮っておきたかった。
十勝岳山頂から下山
山頂で身体が冷え切っていたためか、足が滑って転んでしまった。山頂に向かっていた登山者が、遠くから「大丈夫ですかーっ」と声をかけてきたくらいだから、かなり派手に転んだのだろう。
右膝を擦りむいて、ついた手が痛くなったくらいで済んだが、場所が違っていたら危なかった。転んでしばらくの間は、意識的にゆっくり慎重に歩いた。
山頂の天気が一変して写真を撮ろうと動いた際に、妙にふらふらすると感じたことを思い出したが、その時に身体が冷えてうまく動かないことに気づくべきだった。
望岳台の近くまで来ると、ナキウサギの声が頻繁に聞こえてきた。ナキウサギの写真を狙っている観光客の姿もあり、「そこにいる !」などと声も聞こえてきた。
見に行ってみようかとも一瞬思ったが、望遠レンズがないとクリアな写真は撮れないだろうと思い、疲れもあったのでそのまま下山した。
下山後の行動記録
吹上温泉は15年前に北海道旅行をした時も利用したが、15年の歳月で施設が古くなったせいか、記憶よりも温泉施設がこじんまりしたように感じられた。
吹上温泉で日帰り温泉を利用した後は、2日前にも利用した道の駅 ひがしかわ道草館へ移動した。
翌日は旭岳登山を予定しており、朝コンビニでおにぎりを買ってから出発したかったので、旭岳の登山口へ移動するのではなく、そのまま道草館で車中泊することにした。
※ 登山の詳細はこちら → https://mt.ubo-do.com/mt-report/tokachidake.html