2022/9/30 北海道旅行7日目 旭岳登山

目次

今回の登山について

北海道登山ツアーの最後を締めるのは北海道最高峰の大雪山・旭岳。北海道に着いてからは連日晴れという信じられない幸運に恵まれたが、この日も最高の登山日和だった。

旭岳は中学1年の時に友人2名と登っているが、その時はガスっていて山頂では何も見えなかった。しかも、体力が有り余っていた頃で、ほとんどトレランのような登り方で何も見ていなかった気がする。

今回は旭岳から間宮岳、中岳温泉と進んで、のんびり裾合平を周遊したが、旭岳山頂はもちろんコース上は絶景の連続で、大雪山の雄大な自然にただただ魅了された。

大雪山・旭岳について

大雪山(たいせつざん、だいせつざん)は、北海道中央部にある旭岳などの山々からなる巨大な山塊の名称。大雪山系とも呼ばれ、一帯は大雪山国立公園に指定されている。
旭岳は、北海道上川郡東川町にある火山である。大雪山連峰の主峰で標高2,291m。北海道最高峰。
ウェブサイト『ウェキペディア』より

旭岳ロープウェイ姿見駅から旭岳山頂まで

前夜は道の駅 ひがしかわ道草館で車中泊して、早朝に旭岳ロープウェイへ移動した。

6時半の始発を待つ登山者の列がすでにできていたので、我々もすぐに身支度を整えて10分前には列に並び、予定通り始発に乗ることができた。往復で3,200円/大人1名であった。

6:40 旭岳ロープウェイ姿見駅を出ると、正面東側に旭岳が見えた。
姿見駅近くの池に何かいると思ったら、エゾサンショウウオの幼体だった。
6:50 登山開始。遊歩道を進んで姿見の池方面へ向かう。
7:05 姿見の池に到着。ほぼ無風だったので、その名の通り水面に旭岳の姿が映っていた。
池周辺にはテーブルベンチなどがある。
非常時のみに利用できる旭岳石室 (避難小屋)。
姿見の池から旭岳山頂へ向かう。
山頂までは基本的に火山礫の上りがずっと続く。
背後に姿池と旭岳基部の噴煙が見える。
さえぎるものがないので、何度も足を止めて周囲を眺めまわした。北北西方面には十勝岳連峰が見えていた。
どんどん高度を上げていく。右は地獄谷。
山頂に向かって右の南側には忠別岳 (中央左) やトムラウシ山 (右奥) が見えていた。
短い小休止を挟みながら、着実に上る。
登山道の左・北側の地獄谷。
地獄谷火口は,数100年前の水蒸気爆発によって旭岳の一部が崩壊してできたと考えられている。
前を行く5名ほどの団体は我々とほぼ同じペースで、この日コース上で何度も見かけた。
金庫岩と地獄谷。
9合目のトイレブースを過ぎると山頂まではひと上り。
9:15 旭岳山頂に到着。
まずは記念撮影。山頂標には標高2,290mとあったが、2008年国土地理院により2,291mに改定された。

旭岳山頂の展望

西側の旭岳ロープウェイ方面。地獄谷が大きい。
北西方面。地獄谷の右上に大小の沼や池塘が広がる沼ノ平が見える。
北側の安足間岳 (あんたろまだけ) と比布岳 (ぴっぷだけ) 。右には北鎮岳 (ほくちんだけ) も見える。
北東方面。手前は熊ヶ岳。左は北鎮岳と凌雲岳、平らな間宮岳の向うに黒岳の頭も見える。
東方面。右手前は後旭岳。真ん中は白雲岳。
南東方面。忠別岳の左奥にはニペソツ山や石狩岳などが見える。
南方面。左にトムラウシ山。中央には十勝連峰。
北海道最高峰から360度の素晴らしい大展望を堪能した。

旭岳山頂から間宮岳まで

旭岳山頂の展望は素晴らしいものだったが、大雪山系の広大な自然をより実感したのは、旭岳山頂から間宮岳、裾合平と周回するコース後半だった。

とにかくどこを見ても広々とした絶景のオンパレードは、驚きの連続だった。このままどこまでも歩きたいと思った山は、初めてかもしれない。

9:40 旭岳山頂を出発。荒井岳方面へ向かった。
大雪山系の雄大な景色を眺めながら坂を下る。
火山礫の急坂で、足元がかなり滑るので慎重に下った。
ずるずると滑るように降りるしかない場所もあった。
後旭岳のキャンプ指定地まで下ってきた。
旭岳と後旭岳の鞍部に、雪渓が残っていた。
前を行くのは上りでも見かけた5人組の一行。
遠くなる旭岳山頂。地獄谷のない東側から眺めるとまったく違った山に見える。
岩ガレをゆるやかに上り返す。
周りの景色がどちらを向いても素晴らしいので、疲れをまったく感じなかった。
南東方面。白雲岳の右奥に音更山や石狩岳の山並みが見える。
傾斜が緩くなり、広々とした尾根に出た。
斜里岳の山頂でも見かけたヒオドシタテハ。
荒涼とした火山礫の広がりは、月のクレーターを思わせた。
東側から眺めた熊ヶ岳。
熊ヶ岳の東側に広がる大きな火口。
小さな火口跡の隣をとおって、間宮岳分岐へ向かう。
このあたりの景観はあまりに広大で、フレームに収まらない。
振り返って眺めた後旭岳。
旭岳と熊ヶ岳。
雄大な自然の只中にある幸せを感じながら歩いた。
見たことのないような景色が続く。
10:55 間宮岳分岐に到着。

間宮岳分岐から中岳温泉まで

間宮岳分岐から中岳分岐方面へ向かった。
コースの右手、北東側に巨大なカルデラ、御鉢平が見えてきた。
平坦な尾根の向うに見えた旭岳。
11:00 間宮岳 (標高2,185m) に到着。山頂標がなければピークがどこか分からないような平坦地だった。
さらに先へ進む。
中岳を前方に見ながら下っていく。
北西側に安足間岳が見えてきた。
11:25 中岳分岐に到着。
中岳分岐から眺めた御鉢平。
御鉢平の中心部には有毒温泉があり、硫化水素の火山ガスを噴出しているため、カルデラ内部は立入禁止。
中岳分岐から裾合平方面へ向かう。
中岳分岐を過ぎても、まだまだ素晴らしい景観は続いた。
当麻岳から安足間岳と続く稜線を眺めながら、ゆるやかに下る。
安足間岳の右隣は比布岳。
山道脇にコケモモの実がなっていた。
ハイマツ帯を出たり入ったりしながらしばらく進む。
ルートが東側に曲がったと思ったら、眼下にピウケナイ川の源頭部に湧く中岳温泉が見えた。
急坂をジグザグに下る。
12:05 中岳温泉に到着。足湯を楽しむ登山者がたくさんいた。
温泉は少し熱いくらいで、とても気持ちよかった。

コースは歩きやすいのに絶景の連続という奇跡のような山だと感じていたが、その上温泉まであるとは。登山道脇にあるので、身体まで温泉に浸かるのは難しいが、足湯だけでも大満足であった。

湧き出た温泉成分で川床が白くなっていた。

中岳温泉から旭岳ロープウェイ姿見駅まで

12:25 満ち足りた気分で中岳温泉を出発。
中岳温泉からは裾合平を通って姿見駅へ向かう。
南側に見えた旭岳。
北側の眺め。左から大塚、安足間岳、比布岳。
中岳温泉の谷間が遠くなる。
小さな沢をいくつか渡っていく。枯れ沢もあった。
広々とした裾合平。
安足間岳の手前は大塚で、左の小さい△は小塚。
裾合平から眺めた旭岳。
裾合分岐の少し前から眺めた三角形の大塚。右奥は北鎮岳。
裾合平の木道はかなり傷んでいて、朽ち果てて歩けないところもあった。背後は熊ヶ岳。
立ち止まった妻の足元近くにエゾシマリスがいた。
素早く姿を消したエゾシマリス。山で生き物に会うと、山からご褒美をもらったような気になる。
熊ヶ岳と旭岳を眺めながら歩く。
振り返って見た小塚・大塚方面。
西側には沼ノ平の沼や池塘も見えた。
裾ノ平の紅葉。
旭岳ロープウェイ姿見駅が見えてきた。
鏡池まで戻ってきた。
少し風が出ていたが、風が止むと鏡池の水面に旭岳が綺麗に映った。
すり鉢池にも旭岳が映っていた。鏡池とすり鉢池は、2つで夫婦池 (めおといけ) とも呼ばれている。
最後は満月池の脇を通過。
14:40 旭岳ロープウェイ姿見駅に到着。

下山後の行動記録

姿見駅に着くと、間もなく発車する便があったので、そのままロープウェイに乗って下山した。

姿見駅で登山の余韻を楽しみたかったが、何となく乗ってしまった。
ロープウェイから眺めた旭岳の紅葉。
旭岳ロープウェイの駐車場に車を停めたまま、すぐ隣のホテルベルモンテの日帰り入浴を利用した。

部屋が空いていれば、ホテルベルモンテに宿泊して何か美味しいものを食べたかったのだが、あいにく満室ということで、この日も道の駅 ひがしかわ道草館で車中泊することにした。

すっかりコンビニ弁当と車中泊のリズムに慣れてしまって、他のホテルを探すのが億劫になってしまった。

せっかく北海道に来たのだから美味しいものでも、という気もするが、北海道初日に友人宅で最高のバーベキュー食べているので、妻には申し訳ないが私的にはそれで十分なのである。

北海道登山ツアーは、まさかの晴天続きで百名山4座と二百名山1座に登ることができた。できれば3座と考えていたので、望外の喜びと言うほかない。

あとは札幌に戻って、再び友人たちと帰るまでの時間を過ごすだけだが、あまりに幸運続きで怖いくらいだった。

※ 大雪山 (旭岳) 登山の詳細はこちら → https://mt.ubo-do.com/mt-report/daisetsuzan.html

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