2016年3月26日 土曜日

蕎麦粒山ピストン追加

有間山 縦走

1,214 m 4回目

 3時半起床、3時45分出発。河又には5時5分到着。今回は単独行なので、時間と体力次第では蕎麦粒山まで足を延ばすつもりで最初から飛ばした。日向沢ノ峰の上りで右の大腿四頭筋が何度も攣りそうになったが、想定タイムよりも1時間近く早く着いたので、計画どおり蕎麦粒山も行くことにした。山は前夜雪が降ったらしく、棒ノ嶺から日向沢ノ峰の手前までは踏み跡のない雪上歩きが続いた。くもり予報がでていた天気も青空がのぞき、思ったよりも遠望がきいた。

 足が攣らないようにごまかしながら歩いたが、そのうち体のあちらこちらが痛み始め、後半は過酷な山行となった。足全体に限界がきていたので、靭帯を傷めないように細心の注意を払って下った。何とか無事に下山できたが、身体ができあがっていない状態で無理をし過ぎた。帰りは2時間弱の運転で帰宅。夏までにこのコースを余裕でこなせるくらいの体力をつけたいと思う。

登山コースデータ
単純標高差 : 1,221 m
累積標高差 : 2,135 m
コース距離 : 25.1 km
標準コースタイム : 12 時間 40 分
歩行データ
総歩行時間 : 10 時間 20 分
総行動時間 : 10 時間 50 分

 コースタイム

さわらびの湯駐車場 5:30 ⇒ 白谷橋登山口 5:55 ⇒ 岩茸石 6:45 ⇒ 7:15 棒ノ嶺 7:20 ⇒ 槇ノ尾山 7:35 ⇒ 長尾丸山 8:00 ⇒ 50号鉄塔 9:10 ⇒ 日向沢ノ峰 9:45 ⇒ 桂谷ノ峰 10:15 ⇒ 10:35 蕎麦粒山 10:50 ⇒ オハヤシノ頭 11:20 ⇒ 51号鉄塔 11:35 ⇒ 有間峠 12:00 ⇒ 有間山(タタラノ頭) 12:40 ⇒ 橋小屋ノ頭 13:15 ⇒ 逆川乗越(大ダル) 13:30 ⇒ 13:50 蕨山 14:00 ⇒ 藤棚山 14:20 ⇒ 大ヨケノ頭 14:50 ⇒ 金比羅神社跡 15:40 ⇒ さわらびの湯駐車場 16:20

5:05 さわらびの湯 第3駐車場

さわらびの湯に到着。まだあたりは薄暗かった。

5:30 登山スタート。すぐそばのトイレを利用して、登山口のある有間ダムへ。

数分車道を歩くと有間ダムが見えてきた。

5:40 まだ人の気配がない有間ダムに到着。

名栗湖の水はやや少な目。山間には有間山が見える。

5:55 白谷橋から登山道へ入る。最初から上りが続き、暑くなってストームクルーザーを脱いだ。

6:10 藤懸ノ滝を通過。水量は少なかった。

最初のゴルジュを通過。川の水量が少ないので問題なく渡れた。

6:20 第二のゴルジュを通過中。石段が崩落気味らしく、谷側の鎖には「つかまないように」と注意書がたくさん貼られていた。

石段を少し上がってゴルジュを撮影。

6:35 林道に出た。2014年に壊れた東屋は再建されておらず、ベンチだけが残っていた。

林道を渡ってからはしばらく急登が続く。

昨夜は雪が降ったらしく、新雪に先行者の足跡が続いていた。

6:45 岩茸石を通過。

土が掘れて歩きづらい木段の脇を上ったが、雪の下の土も柔らかくて歩きづらかった。

7:05 ゴンジリ峠を通過。

山頂手前の坂を上る。蕎麦粒山までたどり着きたいと思い、がんがん飛ばした。

7:15 棒ノ嶺 969m

棒ノ嶺に到着。山頂の東屋で足跡の主と思われる白髪の男性ハイカーが休んでいた。

棒ノ嶺山頂から眺めた東側の関東平野。筑波山が薄っすら見えていた。

北北西の眺め。左の有間山から蕨山、藤棚山、大ヨケノ頭と下りに歩く稜線が手前に見える。有間山の右奥には大持山、武甲山、武川岳、伊豆ヶ岳などの山々。

武川岳の左奥には榛名山、右奥には子持山や赤城山も見えていた。

7:20 棒ノ嶺を出発。ここからは足跡一つない雪道が延々と続いた。

7:35 槇ノ尾山(945m)を通過。

長尾丸山(958m)を通過。

その後もアップダウンが続き、クロモ山、不動山、山ナシ山などを越えて進んだ。

9時近くになって本格的にキツイ傾斜が出てくると、右の大腿四頭筋に違和感が出始めた。

急登が終わり10cm程の雪の尾根道をしばらく進むと、9:10 50号鉄塔に着いた。#

北側の仁田山(1,211m)と有間山稜。仁田山の左奥には大持山と小持山も見えていた。

南側の川苔山。

これ以上雪が深くなるとやっかいだと思いながら先へ進む。靴の中はすっかり濡れていた。有間山への迂回路分岐を通過すると再び急登となり、何度も右の太ももが攣りそうになった。

防火帯の手前でトレイルランナーに抜かれた。左の大腿四頭筋も攣りそうになり、完全に失速。

防火帯に出ると日向沢ノ峰はすぐなのだが、大腿四頭筋が「ギュうゥゥーッ」と収縮してくるので、何度も立ち止まった。

9:45 日向沢ノ峰 1,356m

日向沢ノ峰に到着。西側は雲が出ていた。下山時刻を逆算して、10時半までに着いたら蕎麦粒山へ行ける計算をしていたが、かなり早い時間に到着した。ペース配分を間違えて、足に負担をかけてしまった。

北西に見えた蕎麦粒山と桂谷ノ峰。眺めているうちに欲が出て、ゆっくり休みながら歩けば何とかなるだろうと、計画どおりに蕎麦粒山へ向かうことにした。

写真だけ撮って、そのまま蕎麦粒山へ。雪で踏み跡が消えたゆるやかな防火帯をゆっくり歩いた。

日当たりのよい場所は雪が解けて泥濘状態となっていた。

10:15 桂谷ノ峰(1,380m)に何とか到着。

桂谷ノ峰から蕎麦粒山を眺めながら、ここまでにしようかとしばし考えるが、今回のチャンスを逃したら次はいつになるかわからないし、脳科学的に体の限界は人が感じる限界のもっと先にあるらしいので、諦めずに先へ進むことにした。

ちょっとの上りに何度も立ち止まった。

ひと山上ってまだ距離があったので、がっくりきた。

大失速しながらも山頂直下の急登を休みながら少しづつ上った。

10:35 蕎麦粒山 1,473m

ついに蕎麦粒山に到着。

誰もいないのでタイマー撮影してみた。

東側に上ってきた稜線を振り返る。白い防火帯の先が桂谷ノ峰、その左上には日向沢ノ峰、右上奥には川苔山が見える。

おにぎりをほおばっていると、三ツドッケ側から登山者が上ってきてしばらく話をしだが、その方から遭難寸前の話を聞いた。「東日原スタートで、いつも川苔山から古里駅へ下るんですが、最初に同じコースを縦走した時ですよ。ここから間違えて北東斜面を下ってしまいまして、赤テープなどもきちんとあったので谷筋までそのまま下りてしまったんですよ。道はないし、時間はないしで、にっちもさっちもいかなくなって、そこから2時間以上かけて必死の思いで上り返して、日没後の真っ暗な中を何とか下山したんですけど、イノシシやサルの大群に遭遇してね、あれは本当に怖かったですよ。奥多摩や奥秩父は道迷いの遭難が意外と多いんですが、ホント油断なりませんよ。この山頂道標の角度が問題です。この角度が分かりづらい」などと、思わず引き込まれてしまう話術を駆使してニコニコと話すのであった。人好きのする同年代くらいの方だったが、思いがけず楽しいひと時だった。三ツドッケ側から上ってきたもうひとりハイカーはそのまま先へ進み、10:50 追いかける形で私も蕎麦粒山を後にした。

休憩したことで足の疲労が少しとれた。ゆっくり行けば何とかなると自信が出てきた。

そう思ったのもつかの間、上りにかかるとやっぱり足が攣りそうになる。ゆっくりペースの先行者にも引き離されていった。

11:20 分岐のあるオハヤシノ頭に到着。ここから防火帯を降りて有間山へ向かう。

雪の下の泥濘と木の根が滑るので、チェーン・アイゼンを着用した。11:35 51号鉄塔に到着。

北側の眺め。左に小持山と大持山、右にはこれから向かう有間山稜。

小持山の左奥には西御荷鉾山と東御荷鉾山、城峯山が並び、奥には真っ白な谷川連峰が幽かに見えた。

東側には、棒ノ嶺から槇ノ尾山、長尾丸山と、上ってきた稜線がよく見えた。

南側には川苔山。

北西には浅間山もしっかり見えてきた。こんなに遠望がきくとは思わなかった。

11:45 鉄塔から10分ほどで林道と合流した。仁田山は巻いて、林道を歩いて有間峠へ向かった。

12:00 有間峠

有間峠に到着。峠には一台の車もバイクもなかった。

有間峠から名栗湖が見えた。

林道から再び登山道へ入る。林道の先に有間山稜の最高峰・タタラノ頭が見えた。

急登をのぼって尾根に出てからもアップダウンが続く。腕やお尻の筋肉も痛くなってきた。

12:40 タタラノ頭に到着。時間がかかったと感じたが、峠からほぼコースタイムどおりだった。

樹間に見えた両神山。テン泊装備のカップルとすれ違い、トレランの若者1名に抜かれたのみで、静かな山歩きが続いた。

13:15 橋小屋ノ頭に到着。

ここからは逆川乗越(大ダル)まで150m以上を一気に下る。

13:30 逆川乗越(大ダル)を通過。

逆川乗越から蕨山までは、50mほどゆるやかに上り返すだけなのだが、その50mがとにかくキツかった。

13:45 蕨山 展望台 1,033m

ついに蕨山の展望台に到着。おにぎりを食べてひと休みした。

山頂はほぼ樹林に囲まれているが、南側の樹間から大岳山が見えた。休んでいる間に若いトレイルランナーが2人、山頂を通過して河又方面へ下りて行った。

北側に見えたなだらかな山容の武川岳。左奥、樹林の向こうには武甲山も見える。

14:00 下山開始。さわらびの湯まで標高差約800m。少し休んだので出だしは快調だった。

14:20 藤棚山を通過。その後に出てくる道標の距離表示がなかなか減らないので、おかしいだろーと何度もつぶやいてしまった。

近くを走る林道が見えてきて、車やバイクの走行音も聞こえるようになってきた。そのうちわずかな上り返しでもすぐ太ももが固まってきて、立ち止まらざるを得なくなってきた。

途中、樹林が切れて西側が一望できた。左に川苔山、真ん中あたりに日向沢ノ峰、その右に三角の蕎麦粒山、右端に有間山。蕎麦粒山の遠さに25kmのコース距離を実感した。

14:50 大ヨケノ頭(771m)を通過。

しばらく進むと林道に出て、再び登山道へ。

13:20 名栗湖が見えた。足を捻挫しそうになり、踏ん張りがきかないことに改めて気付く。その後は怪我をしないように注意深く歩いた。

ヤマツバキ。神社跡の近くにはアラカシやヒサカキなどの常緑樹が多く目についた。

15:40 金毘羅神社跡に到着。

体中がキツくて、高齢者登山の大変さとはこのいう感じかもしれないと思いながら頑張って下る。

折れたアカマツと鳥居が出てきた。さあもうすぐだと、自分を励ましながら歩いた。

龍泉寺の墓地の脇を通って林道に出た。

16:25 駐車場に到着。何とか歩き切ったが、本当に長かった。