2022年9月30日 金曜日

北海道旅行7日目 遠征登山5座目

大雪山 (旭岳)

2,291 m

 前夜は道の駅ひがしかわ道草館に車中泊して、早朝に旭岳ロープウェイ駐車場へ移動。始発に乗って姿見駅から登山を開始した。

 旭岳に登頂後は、間宮岳、中岳温泉、裾合平と周遊したが、どちらを向いても北海道らしい雄大な絶景のオンパレードで、大雪山の広大な自然にただただ魅了された。大地の広さがより強調された景観は、唯一無二のものと思えた。

 北海道に来てからは連日の晴天続きで、登山ツアーの最後を締める5座目の旭岳も、これ以上ない登山日和となった。持ち運をすべて使い果たした気もするが、予定の山をすべて完登して、奇跡の北海道登山ツアーは完璧な形でエンディングとなった。

登山コースデータ
単純標高差 : 691 m
累積標高差 : 935 m
コース距離 : 11.5 km
標準コースタイム : 7 時間 40 分
歩行データ
総歩行時間 : 7 時間
総行動時間 : 7 時間 50 分

※地図をクリックするとルートを引いた国土地理院の地図を参照できます。

 コースタイム

ロープウェイ姿見駅 6:50 ⇒ 7:05 旭岳石室 7:10 ⇒ 9:15 旭岳 9:40 ⇒ 間宮岳分岐 10:55 ⇒ 間宮岳 11:00 ⇒ 中岳分岐 11:25 ⇒ 12:05 中岳温泉 12:25 ⇒ 裾合分岐 13:10 ⇒ ロープウェイ姿見駅 14:40

朝焼けに浮かびあがる大雪山。

ロープウェイ山麓駅の駐車場に到着すると、すでに始発 (6:30) を待つ登山者の列ができていたので、我々も身支度を整えて10分前には列に並んだ。

予定通り始発に乗車。往復で3,200円/大人1名であった。

6:40 旭岳ロープウェイ姿見駅

姿見駅を出ると、正面東側に旭岳が見えた。

靴紐を縛り直して、6:50 登山開始。

姿見駅と池。雲ひとつない快晴で、風もほとんどなかった。

池に何かいると思ったら、エゾサンショウウオの幼体だった。

遊歩道を進んで姿見の池方面へ向かう。

雄大な旭岳が目の前にそびえる。

7:05 姿見の池

姿見の池に到着。ほぼ無風だったので、その名の通り水面に旭岳の姿が映っていた。

池周辺にはテーブルベンチなどがあった。

非常時のみに利用できる旭岳石室 (避難小屋)。

姿見の池から旭岳山頂へ向かう。

山頂までは基本的に火山礫の上りがずっと続く。

北側の地獄谷から噴煙がいくつも上がっていた。まさかここまで晴天が続くとは思わなかったので、登る前から感謝の気持ちで一杯だった。

背後には姿見の池と地獄谷の噴煙。

地獄谷上部の岩壁。

遮るものがないので、上っている間ずっと眺めがよかった。

何度も足を止めて周囲を眺めまわした。北北西方面には十勝岳連峰が見えていた。

徐々に姿見の池が遠くなっていく。

北海道の広大さを感じさせる絶景に、何枚も同じような写真を撮ってしまった。

南側の眺め。左に忠別岳、真ん中あたりにトムラウシ山、右には十勝岳連峰の山々。

コースには標高などを記した道標が立てられていた。

火山らしいガレガレの上りが続く。

溶岩が流れた後のように見える麓の模様。

どんどん高度を上げていく。右は地獄谷。

忠別岳 (中央左) とトムラウシ山 (右奥)。忠別岳の左奥には石狩岳も見えてきた。

山頂がちょっとずつ近づいてきた。

登山道の左・北側の地獄谷。

短い小休止を挟みながら、着実に上る。

地獄谷火口は、数100年前の水蒸気爆発によって旭岳の一部が崩壊してできたと考えられている。

前を行く5名ほどの団体は我々とほぼ同じペースで、この日コース上で何度も見かけた。

金庫岩と地獄谷。

9合目のトイレブースを過ぎると山頂まではひと上り。

9:15 旭岳 (標高 2,291m)

9:15 大雪山の主峰にして北海道最高峰の旭岳山頂に到着。中学1年の時に友人2名と登った時はガスっていて何も見えなかったが、その時とはまるで違う。今回は最高の登山日和に登れた。

大雪山とは旭岳などの山々からなる巨大な山塊の名称で、一帯は大雪山国立公園に指定されている。旭岳の山頂標には標高2,290mとあったが、2008年国土地理院により2,291mに改定された。

上ってきた西側の旭岳ロープウェイ方面。地獄谷が大きい。

北西方面。地獄谷の右上に大小の沼や池塘が広がる沼ノ平が見える。

北側の安足間岳 (あんたろまだけ) と比布岳 (ぴっぷだけ) 。右には北鎮岳 (ほくちんだけ) も見える。

北東方面。手前は熊ヶ岳。左は北鎮岳と凌雲岳、平らな間宮岳の向うに黒岳の頭も見える。

東方面。右手前は後旭岳。真ん中は白雲岳。

南東方面。忠別岳の左奥にはニペソツ山や石狩岳などが見える。

南方面。左にトムラウシ山。中央には十勝連峰。

北海道最高峰から360度の素晴らしい大展望を堪能した。

9:40 旭岳山頂を出発。荒井岳方面へ向かった。

大雪山系の雄大な景色を眺めながら坂を下る。

どっちを向いても素晴らしい眺めだった。

火山礫の急坂で、足元がかなり滑るので慎重に下った。

ずっと下り。

ずるずると滑るように降りるしかない場所もあった。

後旭岳。登りたくなるような山がいくつも連なる。

後旭岳のキャンプ指定地が近づいてきた。

旭岳と後旭岳の鞍部に、雪渓が残っていた。

やっと平らな場所に出た。

広大な自然のただ中にあるという、晴れ晴れとした感覚があった。

前を行くのは上りでも見かけた5人組の一行。

ちょっとずつ景観が変わっていく。

遠くなる旭岳山頂。地獄谷のない東側から眺めるとまったく違った山に見える。

岩ガレをゆるやかに上り返す。

背後は旭岳。

周りの景色がどちらを向いても素晴らしいので、疲れをまったく感じなかった。

南東方面。白雲岳の右奥に音更山や石狩岳の山並みが見える。

傾斜が緩くなり、広々とした尾根に出た。

斜里岳の山頂でも見かけたヒオドシタテハ。

荒涼とした火山礫の広がりは、月のクレーターを思わせた。

とにかく広い。心まで大きくなるような解放感抜群の景観が続く。

東側から眺めた熊ヶ岳。

岩に座ってひと休みした。

熊ヶ岳の東側に広がる大きな火口。

小さな火口跡の隣をとおって、間宮岳分岐へ向かう。

このあたりの景観はあまりに広大で、フレームに収まらない。

疲れで妻のペースが上がらなくても、まったく気にならない。

後ろは熊ヶ岳東側の大きな火口。

眺めがとにかく素晴らしいので、先へ進むのがもったいないような気がした。

振り返って眺めた後旭岳。

旭岳と熊ヶ岳。

雄大な自然の只中にある幸せを感じながら歩いた。

見たことのないような景色が続く。どこまでも歩きたい気分だった。

10:55 間宮岳分岐

間宮岳分岐に到着。

間宮岳分岐から中岳分岐方面へ向かった。

どこまでも広い大雪山。

コースの右手、北東側に巨大なカルデラ、御鉢平が見えてきた。

こんな景色は見たことがないと思いながら歩いていた。

平坦な尾根の向うに見えた旭岳。

11:00 間宮岳 (標高2,185m)

間宮岳に到着。山頂標がなければピークがどこか分からないような平坦地だった。

さらに先へ進む。

進むほどに御鉢平の広大な火口が見えてきた。

中岳を前方に見ながら下っていく。

北西側に安足間岳が見えてきた。

11:25 中岳分岐に到着。

中岳分岐から眺めた御鉢平。

御鉢平の中心部には有毒温泉があり、硫化水素の火山ガスを噴出しているため、カルデラ内部は立入禁止。

圧倒的な大自然。旭岳だけではもったいない。絶対に周遊すべきだと感じた。

中岳分岐から裾合平方面へ向かう。

これほど解放感抜群の周遊コースは歩いたことがない。

中岳分岐を過ぎても、まだまだ素晴らしい景観は続いた。

当麻岳から安足間岳と続く稜線を眺めながら、ゆるやかに下る。

安足間岳の右隣は比布岳。

山道脇にコケモモの実がなっていた。

ハイマツ帯を出たり入ったりしながらしばらく進む。

旭岳方面。

撮る枚数ばかりが増えていくが、フレームに収まらない景観ばかりだった。

平坦な道から下りとなった。

ルートが東側に曲がったと思ったら、眼下にピウケナイ川の源頭部に湧く中岳温泉が見えた。

急坂をジグザグに下る。

沢の音がどんどん近づいてきた。

12:05 中岳温泉

中岳温泉に到着。足湯を楽しむ登山者がたくさんいた。

温泉は少し熱いくらいで、とても気持ちよかった。コースは歩きやすいのに絶景の連続という奇跡のような山だと感じていたが、その上温泉まであるとは。足湯だけでも大満足であった。

湧き出た温泉成分で川床が白くなっていた。

12:25 満ち足りた気分で中岳温泉を出発。

しばらくは沢沿いを進む。

大岩がゴロゴロしていた。

中岳温泉からは裾合平を通って姿見駅へ向かう。

コース脇でチングルマの綿毛を見かけた。

南側に見えた旭岳。

中岳温泉の谷間が遠くなる。

アオノツガザクラがまだ咲いていた。

北側の眺め。左から大塚、安足間岳、比布岳。

小さな沢をいくつか渡っていく。枯れ沢もあった。

広々とした裾合平。

安足間岳の手前は大塚で、左の小さい△は小塚。

裾合平から眺めた旭岳。

裾合分岐の少し前から眺めた三角形の大塚。右奥は北鎮岳。

裾合平の木道はかなり傷んでいて、朽ち果てて歩けないところもあった。背後は熊ヶ岳。

気持ちのよい木道歩きが続く。

13:10 裾合分岐 (標高 1,690m) を通過。

分岐で南に折れて、旭岳を前方に見ながら進んだ。

立ち止まった妻の足元近くにエゾシマリスがいた。

素早く姿を消したエゾシマリス。山で生き物に会うと、山からご褒美をもらったような気になる。

熊ヶ岳と旭岳を眺めながら歩く。

振り返って見た小塚・大塚方面。

西側には沼ノ平の沼や池塘も見えた。

地獄谷もよく見えるようになってきた。

午後になっても快晴は続いた。北海道に来てから奇跡のような晴れ続き、しかも5座目となる旭岳の天気が一番よかった。

笹原歩きも気持ちがよい。

旭岳ロープウェイ姿見駅が見えてきた。

裾合平の紅葉。

紅葉と旭岳。

鏡池まで戻ってきた。

鏡池。

少し風が出ていたが、風が止むと水面に旭岳が綺麗に映った。

すり鉢池にも旭岳が映っていた。鏡池とすり鉢池は、2つ合わせて夫婦池 (めおといけ) と呼ばれている。

最後は満月池の脇を通った。

14:40 旭岳ロープウェイ姿見駅に到着。

姿見駅で登山の余韻を楽しみたかったが、姿見駅に着くと間もなく発車する便があったので、何となく乗ってしまった。

ロープウェイから眺めた旭岳の紅葉。

旭岳ロープウェイの駐車場に車を停めたまま、すぐ隣のホテルベルモンテの日帰り入浴を利用した。

駐車場まで戻って眺めた旭岳。本当に素晴らしい山だった。