2012年8月4日 土曜日

常念岳

2,857 m

 0時半起床、1時前に出発。現地に4時到着。登山口から1kmちょっと下にある一ノ沢無料駐車場は、まだ半分くらい空いていた。常念乗越まではよいペースで歩けたが、そこから山頂までの上りはとても長く感じた。午後からは稜線にガスが出るとの予報だったので、なるべく早く登りたいと考えていたが、10時前に登頂できたので十分間に合った。山頂はまさに360度の大パノラマ、遠望がよくきいて、槍・穂高連峰はもちろん富士山や白山まで見えた。下山する頃になるとガスが出始めたが、今回は久しぶりに山頂の眺めをのんびり楽しむことができた。下山時に常念小屋に寄ってみると、この日は畳1枚に2名が寝るほどの混雑ぶり。常念乗越からの下りでも多くの団体ハイカーとすれ違ったが、高齢者の溌剌とした姿が印象に残った。それほど疲労はなかったので、下りは終始快調に歩いて、予想以上に早く下山できた。警戒していたアブやブヨに悩まされることもなく、乗鞍岳以来の北アルプス登山は、これ以上ないほど満足度の高い山行となった。

 帰りの高速は事故渋滞のために嵐山手前でのろのろ運転が続いたものの、結局3時間半の運転で済んだ。

登山コースデータ
単純標高差 : 1,627 m
累積標高差 : 1,670 m
コース距離 : 14.9 km
標準コースタイム : 10 時間 10 分
歩行データ
総歩行時間 : 9 時間 10 分
総行動時間 : 11 時間

 コースタイム

一ノ沢駐車場 4:20 ⇒ ヒエ平登山口 4:40 ⇒ 王滝 5:40 ⇒ 6:05 烏帽子沢 6:10 ⇒ 胸突八丁 7:10 ⇒ 8:20 常念乗越 8:30 ⇒ 9:55 常念岳 11:10 ⇒ 12:10 常念乗越 12:25 ⇒ 胸突八丁 13:15 ⇒ (休憩5分) ⇒ 王滝 14:20 ⇒ ヒエ平登山口 15:00 ⇒ 一ノ沢駐車場 15:20

3:55 一ノ沢 駐車場

4:20 月明かりの下で歩き始める。ヘッドライトのひとつが電池切れで、予備があって支障はなかったが反省点となった。

20分ほど林道を歩くと、ヒエ平の登山口に到着。

用意しておいた登山届を提出して山道へ。

登山口から15分で山ノ神の鳥居に到着。一ノ沢沿いに岩ゴロのなだらかな道が続いていた。

5時頃になるとヘッドライトがいらなくなった。5:40 大滝を通過。お腹が下し気味で出だしは調子が悪かった。

6:05 烏帽子沢の枯れた支流で休憩。早朝バスで来たと思われる団体が先に休んでいた。

沢に架かる丸太橋を何度か渡った。

瀬音は心地よく、天気がよさそうなので、自然と期待が高まった。

登山道脇に咲いていたオトギリソウ科のイワオトギリ。

バラ科のシモツケソウとキク科のヤマハハコ。

沢沿いの岩ゴロを上り詰めていく。

7:10 胸突八丁を通過。ここからは本格的な上りとなる。

上ってきた一ノ沢を振り返ると、雲海に浮かぶ浅間山が見えた。

常念乗越までは450m近くの上りとなるが、適度に平坦なところもある。

7:30 最終水場を通過してさらに上る。

乗越まで休憩用の丸太ベンチが数ヵ所設置されていた。

8:05 第三ベンチを通過してさらに上る。

常念乗越から山頂に向かう広い尾根が見えてきた。

8:20 常念乗越の広い鞍部に出た瞬間、視界に飛び込む雄大な眺めに感嘆した。まさに「わおっ!」という感じ。

まずは常念乗越(2,466m)で記念撮影。

常念小屋の屋根越しに眺める槍ケ岳はくっきり青空に映えて、何だかミニチュアのように思えた。

一目で分かる槍ヶ岳の尖鋒。

常念乗越の北側には横通岳(よことおしだけ)が間近に迫る。

8:30 常念乗越から山頂へ向かう。ここから山頂までが思いのほかキツかった。

しばらく上ったところから眺めた槍ヶ岳。

岩ゴロの道を進む。常念乗越から山頂までは、400mほどの上りとなる。

完全にペースダウンした嫁にリュックをデポするように促すが、「訓練にならない」と言うことを聞かない。

浮き石が多くて歩きづらく、ひじょうにキツかった。

西側に槍ヶ岳などの山並みを眺めながら上る。軽快に上っていくハイカーにどんどん離されて、周りに人がいなくなった。

岩ゴロの急登を上りつめると、遠くに山頂が見えた。下から見えていたのはニセピークで、本当の頂はもっと奥だった。

気を取り直して先へ進む。先行していた集団には完全において行かれた。

9:55 祠のある常念岳山頂に到着。

大岩が重なり合う山頂は多くのハイカーでにぎわっていた。

素晴らしい眺めに気分は最高。遠路はるばる来た甲斐があった。

ガスが出る前にと、写真をたくさん撮った。

西側の眺め。穂高連山から槍ケ岳まで3千m峰がずらりと並ぶ。

前穂高岳、奥穂高岳、涸沢岳、北穂高岳と連なる穂高連峰。

南岳、大喰岳、槍ヶ岳と続く稜線。

大キレットの奥に白山が見えていた。

北側の眺め。中央に横通岳と左上の大天井岳が大きい。左奥には鷲尾岳、水晶岳、野口五郎岳、中央から右奥には立山、剱岳、針ノ木岳、蓮華岳、鹿島槍ヶ岳などが連なる。

鷲尾岳、水晶岳、野口五郎岳と続く山並み。

真ん中に竜王岳、立山、剱岳。立山の手前は東大天井岳。

針ノ木岳、蓮華岳、鹿島槍ヶ岳。それぞれの手前に燕岳、唐沢岳、餓鬼岳が見える。一番手前は横通岳。

蝶ヶ岳へと続く稜線。三股から周遊する場合、蝶ヶ岳へはかなり下って上り返すことになるので大変そうだ。

左が御嶽山で右が乗鞍岳。

前常念岳へ続く稜線。登ってくるハイカーの姿がよく見えた。

妙高の山並。左から雨飾山、焼山、火打山、妙高山、黒姫山、飯縄山。

富士山(左端)と南アルプス。

木曾駒ヶ岳(左奥)と鉢盛岳(右前)。

八ヶ岳。蓼科山が左、右に赤岳、権現岳、編笠山。

おにぎりを食べてのんびり眺めを楽しんだ。まさに至福の時間。

11:10 下山開始。

山頂はずっと人が多かった。

東側からガスが昇ってきては稜線上を流れて行く。

常念乗越の鞍部にもガスがかかり始めたが、周囲の山はまだくっきり見えていた。

嫁は下りに強いので、あっという間にニセピークの辺りまできた。

有り難いことに、槍ヶ岳は最後までよく見えた。

見るほどに登りたくなる槍ヶ岳。

眼下に常念乗越が見えてきた。常念小屋の赤屋根がなかなか近づいてこない感じで、見えてからが長く感じた。

途中から常念乗越がガスで見えなくなった。

再び常念小屋の赤屋根が見えてきた。

上から眺めた常念乗越。

次々に上ってくる登山者はみんな軽装だった。

眺めを楽しみながら、九十九折りの道を下った。

12:10 常念乗越に戻ってきた。

小屋をのぞいてみると、多数のリュックがデポされており、大混雑の様相だった。

リュックの置き場所を小屋の人に注意されたのに、自分で自分のザックを運ぼうとしないオバさんがいて驚く。マナーは守らないと。

しばらく休んで 12:25 下山再開。

常念小屋のすぐ隣にあるテント場は傾斜地で、石なども多いように見えた。

常念岳を見上げると山頂部に雲が迫っていた。

下りは快調なペースで飛ばした。単独か少数のハイカーはみな足が速かった。

いくつか設置してある丸太ベンチを通過。

13:00 最終水場を通過。多くのハイカーが水場の周りで休んでいた。まさかと思えるほど太った御仁もいて驚いた。

上って行く団体ハイカーと次々にすれ違った。時間的に小屋泊まりだろうか。

胸突八丁の急坂を下る。

一気に高度を下げていく。

13:15 胸突八丁を終えて、沢沿いの道となった。

13:35 沢沿いで5分休憩。水分補給して再出発。

少し進むと笠原沢に出た。どんどん先へ進んで、何組かのハイカーを追い越した。

14:00 次は烏帽子沢を通過する。

完全に枯れていた烏帽子沢。

ペースを維持して下る。

山道脇の岩場にたむろしていた蝶々たち。

14:20 大滝を通過。この時点で15時半には下山できると確信した。

大滝を過ぎると平坦な道が続く。心地よい沢の音を聞きながら、ひたすら歩く。14:45 古池を通過。

14:50 山ノ神の鳥居に到着。嫁は行きではなく帰りにお賽銭を上げていた。

それほど疲労を感じないまま、15:00 ヒエ平の登山口に到着。

登山口のトイレを借りてから、駐車場へ。登山届を提出する窓口は閉まっているようだった。

サカハチチョウ。

コムラサキ。下山途中で蝶をたくさん見かけたが、林道でも飛び交っていた。

最後は20分ほど林道歩き。

15:20 一ノ沢駐車場に到着。陽射しがひじょうに暑くて、汗だくになって帰りの準備をした。