2022年9月26日 月曜日

北海道旅行3日目 遠征登山2座目

雌阿寒岳

(ポンマチネシリ) 1,499 m

 北海道旅行3日目。前夜は登山後の長距離移動で疲労困憊していたが、朝からの快晴でテンションが上がりスタートから気持ちよく山歩きを楽しめた。

 苔むしたエゾマツの樹林帯からハイマツ帯に出ると、展望が開けて火山らしい岩ゴロの砂礫帯に変わり、さらに高度を上げると大きな岩が増えて活火山らしい様相となった。山頂から眺めた巨大な火口は迫力満点で、360度を見渡せる展望は壮観だった。当初は雌阿寒温泉コースをピストンするつもりだったが、火口縁を歩きたくてオンネトーコースを下った。登山の醍醐味を凝縮したような楽しさがあって、本当に素晴らしい山だと感じた。

 ちなみに、雌阿寒岳は、阿寒湖の南西部にある8つの火山で構成される成層火山群の総称で、主峰はポンマチネシリである。一般に阿寒岳というと雌阿寒岳と雄阿寒岳を指し、アイヌ語で雌阿寒岳は「マチネシリ(女山)」、雄阿寒岳は「ピンネシリ(男山)」とも呼ばれる。

登山コースデータ
単純標高差 : 860 m
累積標高差 : 970 m
コース距離 : 9.5 km
標準コースタイム : 5 時間 40 分
歩行データ
総歩行時間 : 6 時間 5 分
総行動時間 : 7 時間 5 分

※地図をクリックするとルートを引いた国土地理院の地図を参照できます。

 コースタイム

雌阿寒温泉駐車場 7:35 ⇒ 雌阿寒温泉登山口 7:40 ⇒ (休憩5分) ⇒ 五合目 9:20 ⇒ 10:40 雌阿寒岳 11:30 ⇒ 阿寒富士分岐点 11:55 ⇒ 五合目 12:25 ⇒ 13:25 オンネトー登山口 13:30 ⇒ 東岸分岐 13:50 ⇒ 雌阿寒温泉登山口P 14:40

7:00 雌阿寒温泉駐車場

早朝の雌阿寒温泉登山口駐車場。

駐車場の近くには立派なトイレが完備されていた。

すぐ隣の敷地にある野中温泉。下山後にここで汗を流す登山者が多いようだ。道路脇に流れていた水は、湯の花で真っ白だった。

7:35 登山スタート。道道949号オンネトー線を北東側へ歩いて登山口へ向かう。

5分ほどで雌阿寒温泉登山口に到着。

最初はアカエゾマツの樹林帯が続く。

樹林帯ではコケの美しさが目を惹いた。

コースには何合目か分かる道標が設置されていた。8:15 2合目を通過。

ゆるやかなアカエゾマツの樹林帯が続いた。

前方に現れたエゾシマリス。

足を止めてエゾシマリスを観察。口いっぱいにどんぐりをほおばっていた。

ゆっくり距離を詰めようとするが、エゾシマリスは一定の距離を保つように動く。そのうち一瞬で見えなくなった。

ハイマツ帯まで来ると森林限界は近い。

4合目あたりまで上ると、眼下に修験者のような白装束の男性が見えた。

森林限界を越えると、背後には素晴らしい眺めが広がっていた。

9:20 5合目を通過。西側の麓にはオンネトーが見えた。

北側にはフップシ岳が大きい。

7合目を越えてハイマツよりも砂礫が目立つようになってきた。

やっと山頂の火口縁が見えてきた。

10:10 8合目を通過。

隣の北山。剥き出しの岩肌が増えて、荒涼とした火山の雰囲気になってきた。

山頂の火口縁が近づいてきた。

妻のペースが落ちたので、先に上って写真を撮りながら待つことにした。

妻をのんびり待ちながら、道東の雄大な大地を見晴るかす。遠くが見えるのは何とも気持ちがよい。

火山らしいガレ場を上り詰めていく。

9合目に到着したが、妻は大失速のようでなかなか追いついてこない。

9合目から山頂までは火口縁を進むことになる。

9合目からちょっと進むと山頂の火口が見えたが、その巨大さに驚かされた。

山頂の火口には隣り合う火口原湖が2つあり、こちらは赤沼。

火口壁から上がる噴煙。

赤沼の湖面標高は1,298mなので、山頂との標高差は200m以上もある。火口壁の奥に阿寒富士も見えてきた。

山頂と思われる火口壁の一番高いところが見えてきた。

妻も火口縁に上がってきた。

10:40 雌阿寒岳山頂 (標高1,499m)

ひと足早く雌阿寒岳の主峰ポンマチネシリ山頂に到着。5~6名の登山者が休んでいた。

以前は山頂方位盤があったようだが、2014年に崩れて細い標柱と残骸だけとなっていた。

妻も山頂に到着。

南側の旧火口には青沼が見えて、その奥には阿寒富士がそびえる。

青沼の左上にはなだらかな火口縁。

山頂から眺めた西側の赤沼と火口縁。

北東側には中マチネシリ火口が噴気を上げていた。その右上は剣ヶ峰で、火口の向うに阿寒湖と雄阿寒岳が見える。阿寒岳として雌阿寒岳と対で語られることの多い雄阿寒岳だが、意外と距離がある。

雄阿寒岳。深田久弥の著書「日本百名山」には、火山活動による入山禁止で雌阿寒岳には登れず、雄阿寒岳だけに登ったことが記されている。

山頂の展望を楽しみながら、しばらくのんびり過ごした。

単独女性ハイカーに撮ってもらった。ひと昔前とは違い、独りで山を登る女性が珍しくなくなった。

11:30 下山開始

妻の疲れ具合からピストンするつもりだったが、火口縁を歩いてオンネトーへ下りたくなった。

火口縁と青沼と阿寒富士。

広く大きな火口縁。写真を撮っている間に、先を行く妻の姿がみるみる小さくなった。

広々とした火口縁を歩く。解放感が抜群なので、進むのがもったいないくらいだった。

歩くほどに景観が変化して飽きさせない。

徐々に阿寒富士が近づいてきた。

人が点景になると火口縁の大きさが分かる。

隣の赤沼とはまったく色が違う青沼。沼に堆積した土に酸化鉄が少ないということか。

火口縁の一番近くから眺めた円形の青沼。

火口縁を進んで阿寒富士の方向へ下っていく。

旧火口の噴煙。

阿寒富士。登りたかったが、明日の斜里岳登山を考えてスルーすることにした。

阿寒富士と火口の間を下っていく。名残惜しいが、上ったら下りなくてはならない。

しばらくすると眼下にオンネトーが見えてきた。

ハイマツ帯に入ると一気に視界が狭まる。

樹林帯に入ると急な下りが続いた。

オンネトーへ下る道でも、見事な苔の絨毯を見ることができた。

12:25 5合目を通過。4合目、3合目と通過して、ひたすら樹林帯を下った。

1合目を過ぎてしばらく下ると傾斜がゆるくなった。

フッキソウの白い実。

13:25 オンネトー

オンネトー国設野営場に到着。

オンネトー国設野営場の管理棟。

道が分からなかったが、とりあえず湖畔の方へ移動すると、散策路があった。

青々としたオンネトーの湖面。

オンネトー湖畔から樹林帯を通って雌阿寒温泉へ戻る。

風がおだやかだったので、湖面が鏡のようになっていた。

野営場から雌阿寒温泉へ向かう分岐までは0.8km。

湖畔に出られる木道があったので寄り道した。

東岸から眺めたオンネトー。

分岐に到着。雌阿寒温泉方面へ向かった。

疲れもあって、2.4kmの樹林帯歩きが長く感じられた。

びっしり広がった樹形のコケ。

14:40 雌阿寒温泉まで戻ってきた。

下山後は、ニュー阿寒ホテルで日帰り入浴。大浴場から見える阿寒湖の眺めが素晴らしかった。

その後、阿寒湖のお土産屋さんを見て回ったが、特に何も買わなかった。

阿寒湖のセブンイレブンで夕食。

斜里岳登山口で撮った天の川。20時過ぎに斜里岳登山口の清岳荘に到着。山荘は閉まっており、あたりは真っ暗だったが、ふと見上げると満天の星空が驚くほど綺麗だった。

デジカメでここまで天の川が綺麗に写るとは思わなかった。