2021年5月30日 日曜日

ウノタワ縦走

橋小屋ノ頭 1,163m 5回目

 3時半起床、4時5分出発。名郷には5時半到着。朝から曇り空だったが、風のない谷間の上りは蒸し暑くて、最初から汗がしたたり落ちた。尾根筋に出てから風がとおるようになったが、ほとんど夏山のようだった。樹木などの写真を撮りながら歩いたので行動時間が長くなってしまったが、目当てのチチブドウダンとサラサドウダンを見ることができたし、一日たっぷり山歩きを楽しめた。

 この日は午後3時頃から雨の予報で出ていた。下山するまで天気はもってくれたが、帰りの運転中に驚くようなドシャ降りに見舞われて、下山中だったら大変だったと胸をなでおろした。

登山コースデータ
単純標高差 : 783 m
累積標高差 : 1,290 m
コース距離 : 13.3 km
標準コースタイム : 6 時間 45 分
歩行データ
総歩行時間 : 8 時間 50 分
総行動時間 : 10 時間

※地図をクリックするとルートを引いた国土地理院の地図を参照できます。

 コースタイム

名郷駐車場 5:45 ⇒ 8:30 蕨山展望台 8:40 ⇒ 9:35 橋小屋ノ頭(有間山) 9:45 ⇒ ヤシンタイノ頭 10:15 ⇒ (休憩&サラサドウダン撮影 20分) ⇒ 滝入ノ頭 10:50 ⇒ 鳥首峠 11:15 ⇒ 12:30 ウノタワ 13:10 ⇒ 鳥首峠 13:55 ⇒ 鳥首峠登山口 14:55 ⇒ 大場戸橋 15:25 ⇒ 名郷駐車場 15:45

5:30 名郷 有料駐車場

名郷に到着。先着は2台。

5:45 登山スタート。蕨入橋を渡って、まずは蕨山登山口へ向かう。

道路脇に数輪だけ咲いていたユキノシタ。

今回の登山で何度も見かけたフタリシズカ。

登山口までは林道を進む。

途中から砂利道になった。

6:10 林道終点から登山道へ入る。

沢を渡ると急登が始まる。

薄暗い針葉樹林帯をひたすら上る。

無風でじっとり暑く、夏山のように汗をかいた。

尾根に出ると風が通るようになり、涼しくなった。

短い鎖場を上る。

ひたすら急坂を上っていく。

コース脇に咲いていたドウダンツツジ。まばらに残っているだけで、あわやく見逃すところだった。

今回は樹木の写真も撮りながら歩いた。こちらはリョウブの幹。

ウリハダカエデの葉についていたカワムネベニボタル。ベニボタルに擬態する昆虫が多くて同定するのは難しいが、これは間違いないような気がする。

出発から2時間以上経過しても蕨山展望台と有間山方面の分岐に出ないので、かなり遅いペースで上っていると気がついた。

8:25 やっと分岐に出た。

分岐から蕨山展望台まではひと上り。

8:30 蕨山展望台 1,033m

蕨山の展望台に到着。誰もいなかったので、マスクなしでのんびり休むことができた。

展望台ではあるが、周囲の樹々に遮られて展望はそれほどない。

河又側の山頂下に咲いていたチチブドウダン。

事前情報で山頂付近に咲いていることを知っていたので気が付いたが、名郷側から登ってきた登山者は意外と気づかないかもしれない。

真っ赤なチチブドウダン。花期に間に合ってよかった。花が小さくてなかなかピントが合わなかったが、我々だけだったのでじっくり撮ることができた。

8:40 クリームパンを食べてから移動開始。

蕨山の本当の山頂 (1,044m) を通過。

広い尾根筋をゆるやかな下っていく。

ミズナラの葉。

9:10 逆川乗越(大ダル)を通過。

気になる樹木の葉や幹を撮りながら歩くので、ゆっくりペースが続いた。

逆川乗越からは上りとなる。

トレーニングのつもりで上る。

9:35 橋小屋ノ頭 (有間山) 1,163m

橋小屋ノ頭に到着。

山頂に生えていたハウチワカエデの若葉。

10分ほど休憩して先へ進んだ。

迷彩柄のようなリョウブの幹。

ウリハダカエデの樹皮。名前の由来どおりに、木肌は瓜のようだ。

シカ避けネットまでくると、ヤシンタイノ頭まではひと上り。

10:15 ヤシンタイノ頭 (1,100m) を通過。

ヤシンタイノ頭を過ぎると眺めのよい稜線歩きがしばらく続く。

赤銅色に輝くオオセンチコガネが登山道を横切っていた。

ヤシンタイノ頭から少し進んだところに、サラサドウダンが咲いていた。

サラサドウダンはまさに満開。写真を撮ってから、近くの岩場でしばらく休憩した。

さらに進んだところに咲いていた赤が濃いサラサドウダン。チチブドウダンも見たし、この日のミッションをすべて完了した気分だった。

10:40 ショウジクボノ頭を通過してさらに進む。

10:50 滝入ノ頭 (たきのいりのあたま) 1,071m

滝入ノ頭に到着。

南側の歩いてきた稜線。ショウジクボノ頭と橋小屋ノ頭。

橋小屋ノ頭など複数のピークがある有間山。

山頂に咲いていたニガナ。

北側には大持山の山頂部と1059mピークが見えていた。

満開のサラサドウダン。

再びオオセンチコガネと遭遇。角度によって光沢の色が変わる。綺麗な甲虫だと再認識した。

前方の北側に見えた大持山。

西側の長沢背稜の山々には雲がかかっていた。

南側には川苔山や蕎麦粒山が見えた。

稜線の眺めを楽しみながら歩く。

綺麗なツツジがまだ残っていた。

鳥首峠を指す道標で、稜線から降りて右へ下る。

しばらくはかなりの急坂が続く。

小さな上り返しをはさんでさらに下る。

途中で御神木のような大スギを通過。

鉄塔に出た。

北側には大持山、天神山、1,059mピークが並ぶ。

東側に石灰石採掘場が見えた。その上に伊豆ヶ岳と古御岳。

武甲山を思わせる石灰石採掘場。

11:15 鉄塔から少し進むと鳥首峠に着いた。

峠で通行止め情報を記載した貼り紙を目にした。ウノタワから山中へ下る道は、去年は歩行できた。あれから状況が変わったとは聞かないし、日付が入っていないのでいつの情報が分からず、半信半疑だった。

とりあえずウノタワまでは行こうと先へ進んだ。

ほぼ1カ月ぶりの登山なので、早くも足が疲れてきた。

1,059mピークを越えて、開けた鉄塔跡に出た。

北東側には武川岳が見えた。

再び樹林帯に入り、天神山の上りにかかる。

上りながらウノタワから下るか、鳥首峠に戻って下るか考えていた。

天神山を越えるとウノタワはすぐ。

12:30 ウノタワ 1,075m

ウノタワに到着。いつも腰かける倒木で昼食にした。

鮮やかなメタリックグリーンのアオハムシダマシ。フタリシズカの葉についていた。

花のように見えるのはスギゴケの雄株。

ウノタワには相変わらず見事なコケが広がっていた。

めずらしく手の届く高さにホオノキの葉があった。

13:10 鳥首峠へ引き返す。状況が分からないので、リスクは取らずに鳥首峠から下ることにした。

天神山まで少し上り返す。

13:30 天神山の山頂を通過。

天神山を越えたら、延々下りが続く。

下りは早い。鉄塔跡に出た。

さらに下って、13:55 鳥首峠まで戻ってきた。

鳥首峠から白岩方面へ下る。

薄暗い針葉樹林帯の斜面に、フタリシズカが数多く群生していた。

急斜面を九十九折に下っていく。

小さな沢沿いの岩場に咲いていたヒメレンゲ。

フタリシズカの花穂は名前の通りに基本は2本だが、3~5本の花穂を出したフタリシズカが群生していた。

数か所で群生していたユキノシタ科のガクウツギ。

白岩入の沢沿いまで下りてきた。

白岩の集落跡を通過する。廃屋が不気味なので、ウノタワから下りたかったのだが、今回は仕方なし。

白岩集落跡の次は、荒廃した砕鉱場跡を通る。

モノレール沿いの登山道を進む。

朽ち果てた桟橋を迂回していく。

フェンス沿いまで来ると林道は近い。

14:55 鳥首峠登山口から林道に出た。

林道脇に咲いていたジシバリ。

白岩渓流園のキャンプ場を通過。

長々と林道歩きは続く。

15:25 大場戸橋を通過。やっとここまで来たが、まだ林道歩きは続く。

山中へと続く道は通行止め。崩落した橋の工事が始まっているようで、工事関係者以外は立入禁止になっているようだった。やはり鳥首峠から下ってよかった。

林道脇で見かけたイタヤカエデの葉。

名郷の集落まで戻ってきた。

15:45 名郷の駐車場に到着。こんな時間になるとは思わなかったが、山歩きを存分に楽しめた。

駐車場に咲いていたフランスギク。16時前に帰路に就いたが、途中で土砂降りの雨に見舞われた。ちょっと離れたところに青空も出ている変な天気で、いわゆるゲリラ豪雨のようだった。