三又沼ビオトープを散歩した時に、妻の服にひっついたオオオナモミ。妻が服から取ろうとすると、棘が指に刺さって、ちょっと血が出た。イガイガ恐るべし。
山で見かける高山植物については、登山記録を付けていく過程である程度見分けられるようになったが、道端で見かける野草に関してはまったく知識がない。数年後、孫を散歩に連れて歩く際に、これは何の野草だと説明できたらいいなと思い、目についた道草は調べて覚えていくことにした。
基本データ&特徴
- 漢字名 : 大雄生揉
- キク科 / 一年草 / 北米原産の帰化植物 / 花期 8-9月
- 果実に多数の棘がある。別名ひっつき虫で、マジックテープと同じ仕組みでくっつく。
- 同属のオナモミやイガオナモミ(ヨーロッパ原産)なども果実が同じような形をしており、一般に混同されている。よく見られるのは本種であり、オナモミは、2007年8月に環境省レッドリストに新規選定されている。
- 果包は数が多くて接して実のる。棘が密で長い。茎と葉柄は紫褐色に染まることが多く、先端の突起は大きい。葉は広卵形で浅く3-5裂。高さ50-200cm。
- 実を割ると、中に二つの種子が入っており、やや大きい方はすぐに芽を出し、もうひとつはゆっくり芽を出す。発芽時期をずらしてリスク分散させている。
オナモミ、オオオナモミ、イガオナモミの見分け方
- オナモミ 果実 0.9 – 1.8cm 表面に毛が多い 葉の鋸歯 尖らない 棘まばら
- オオオナモミ 果実 2.0 – 2.5cm 表面に毛が少ない 葉の鋸歯 深くて荒い 棘は密
- イガオナモミ 果実 2.0 – 3.0cm 表面に毛が多い 葉の鋸歯 浅い 棘は密
果実の表面に毛が少なく、棘が密ならオオオナモミ。毛が多くて棘がまばらで小さ目ならオナモミ。毛が多くて棘が密で大き目ならイガオナモミ。(実際はかなり似ていて見分けるのが難しい)
名前の由来
名前の由来はいくつか説がある。
- ひっかかるという意味の「なずむ(泥む/滞む)」に由来する。「なずむ」から「なもみ」に訛り、「雌ナモミ」に対して「雄ナモミ」となった。尚、雌ナモミは、べとべとした粘液を出す特徴がある。
- 蛇に噛まれたときなどに、葉をもんで傷口にあてがい、痛みが和らげるために使ったので「生揉(なもみ)」または「菜揉」。
ちなみに漢字では「巻耳」とも書きますが、「みみなぐさ」とも読めて、その場合は別の植物を指す。結局、なぜ耳なのかは、分からなかった。