ミドリハコベ 緑繁縷

2021/3/23 北本自然観察公園

公園内の群生している場所に名前を書いた説明板があって、間違いなくミドリハコベだと分かった。葉の明るい緑が印象的で、葉に比較して花が小さく目立たない。

一般的には、本種とコハコベを総称して「ハコベ」と呼んでいるようだが、コハコベをハコベとするサイトをいくつか見かけた。コハコベは外来の帰化種とする本もあり、であれば本種をハコベと呼ぶべきだと思うが、どうなのだろう。

基本データ&特徴

  • 別名 : ハコベ、ヒヨコ草、スズメ草
  • ナデシコ科 / 一年草、越年草 / 花期3~11月 / 在来種 / 日本全土に分布
  • 葉は対生、長さ1~3cmの卵形で、上部の葉は無柄。高さ10~30cmほどになる。
  • 花弁は5枚だが、基部近くまで2裂するので10弁に見える。
  • 花柱は3本。雄しべは4~10個。
  • 種子の表面に突起があり、靴底の裏の土にくっついて運ばれる。
  • 春の七草の「はこべら」はハコベのこと。やわらかな葉っぱは美味。
  • 薬効があり、ハコベの粉末に塩を混ぜたハコベ塩は、昔は歯磨き粉として使用された。

名前の由来

  • ハコベについては、日本最初の本草書である「本草和名」 (918年) に登場する波久倍良 (はくべら) が転訛したものと考えられているが、語源は不明。
  • 学名のステラリアは、星(スター)に由来する。白く小さな花を星に見立てたもの。
  • 別名の「ひよこ草」「すずめ草」は、ヒヨコやスズメが喜んで食べることから。
  • 英名は Chikweed で「ニワトリの雑草」という意味。

ミドリハコベの写真

2021/3/23 北本自然観察公園
2021/3/23 北本自然観察公園

ハコベの仲間の見分け方

雌しべの花柱が5本、全体的に大きい → ウシハコベ。他は3本。

雌しべの花柱が3本の場合

  • 花弁は萼片より長く、雄しべは10個 → ミヤマハコベ。
  • 花弁は萼片と同じか短く、茎が暗紫色、雄しべは1~7個 → コハコベ。
  • 花弁は萼片と同じか短く、茎は緑色、雄しべは4~10個 → ミドリハコベ。
  • 名前の由来どおり、全体的にコハコベは小さい。
  • サワハコベの花弁は浅く裂ける。
  • ノミノフスマは花弁は萼片よりも長く、深裂する。葉は無毛、無柄。
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