2026年1月 【造形】宮崎駿のブタ人形を石膏粘土で作る

目次

宮ブタ人形の作成経緯

随分前になるが、ジブリ美術館へ初めて行った時にマンマユートのレジに飾られていた宮崎駿のブタ人形 (非売品) が目に付いて、売り物なのか店員さんに尋ねたことがある。

それ以来、宮崎駿の著作本に頻出するブタ・キャラクターのフィギュアが欲しいとずっと思っていて、商品化がされないのなら自作したいと考えていた。

気が向いた時にフィギュア作りのネット動画などを見て回り、作るなら石粉粘土だろうと考えて石粉粘土とスパチュラセットは1年以上前に購入した。

ジブリ美術館で見た宮崎駿ブタのフィギュアがどういうものだったかはすっかり忘れてしまったので、基本となる造形はネットで拾った宮崎ブタ画像 (下) をそのまま真似ることにして、設計図となる実寸大の三面図も半年前には描いていた。

宮ブタ人形の画像。これくらいしか見つからなかった。

当初は予行演習的に、何か他の小品を作ろうかとも考えたが、一番作りたいモノに取り組んだ方が得られるものが多いだろうし、何となく上手く作れそうな気がしてきたので、昨年の12月に恐竜フィギュアの色塗りが終わってから造作を開始した。

年越し前後で1週間以上作業をしない時期もあったが、空いた時間に作業を進めて、やっと完成にこぎつけた。

宮ブタ人形を石膏粘土で造形する

本体のベースを作る

粘土を節約するために、スタイロフォームで人形の中に入れる土台を作る。
設計図となる三面図を基にして、スタイロフォームを適当にカットした。
使う粘土はラドールの石塑粘土。柔らかく作業がしやすいらしい。
こちらは粘土造形には欠かせないスパチュラ・セット。安価なものを石粉粘土と一緒にAmazonで購入した。
質感を均一にして粘土を扱いやすくするために、粘土に水を含ませてこねる。使っていないイレクターパイプをのし棒がわりにした。
スタイロフォームの土台をくるむようにして、頭と本体を作る。
最初は手で造形していたが、途中からスパチュラを使用した方が効率的であることに気が付いた。この時点では、きちんとしたものができるのか、自分でも疑心暗鬼であった。

顔を作る

ブタの実物写真を参考にして顔を描いていく。
眉毛は宮崎駿氏の太い眉をイメージした。どう彫ればどう見えるか確認しながら、手探りで作業を進めた。
耳にはアルミ棒の芯を入れる。頭にピンバイスで穴を開けて、耳の大きさに合わせてアルミ棒を差し込んだ。
耳の造形は難しかった。粘土はある程度柔らかくないと薄く延ばせないが、柔らかすぎると形が崩れてしまう。
正面から見て形が整っていても、横から見ると位置がずれていたりして、なかなか形が決まらなかったが、何度でもやり直せるので、最終的には納得のいく耳ができた。

身体を作る

ひと回り大きいくらいに成型して、粘土が乾いて固くなった後に削って整えようと考えた。
ある程度土台となる身体が固まったので、シャツの襟やズボンのベルトを加えていく。
途中でえりの位置が高すぎることに気が付いて、作り直した。
髭の位置を考えて、少し低いところにえりを作る。
靴の踵部分をつける。

メガネを作る

いらなくなったデスクマット (塩化ビニル) をカットして、小さなコケ瓶の蓋にしていたが、それを流用してメガネのレンズにした。
丸くカットした塩化ビニルを粘土で覆う。
メガネフレームとなる粘土が固まったら、スポンジやすりなどで削って薄くする。
メガネのテンプル部分を成形する。
実際に顔に合わせてテンプル部分の高さを調整した。

ブタ鼻を修正する

顔にメガネを合わせていて、鼻の位置が低く過ぎることに気がついた。設計図の位置と比較するとかなりズレていた。鼻をカットして、付け直すことにした。
見た目をそれらしくすることに気を取られていて、設計図でバランスを確認することを忘れていた。
メガネは取り外せるように置くだけなので、メガネが当たる場所にごく浅い溝を掘った。
メガネのブリッジ部分を成形して、2つのレンズをつなぐ。固まる前にブリッジをわずかに曲げて、顔にぴたりと合うように調整した。

頭と胴体をつなぐアルミ棒を付ける

頭と胴体をつなぐ首の補強にアルミ棒を付けた。まず胴体側にアルミ棒を差し込んで、上から見ながら首側の位置を決めた。
首と胴体を合わせてみると、隙間ができていたので、顔の角度を見ながら頭側に粘土を削ったり足したりして調整した。

髪を付け足す

後頭部にちょっとだけ髪を足すことにした。
前髪も少しだけ髪を足す。
粘土を足したり削ったりして形を整える。表面を筆で濡らしたり、スパチュラで平らにしたりして、ひたすら微調整していく。

シャツのボタンとエプロンの紐を付ける

シャツにボタンをつけて、ひだなどをそれらしく成形する。
スパチュラを使ってエプロンの紐を成形する。形の違うスパチュラの使い所が、作業を重ねるごとに分かってきた。
泥のように柔らかくした粘土を頭部とボディの接地面に塗って、頭と体を固定した。
シャツやズボンにひだを成形するなど、細部にひたすら手を入れ続けて、やっとフィギュアのベースが出来てきた。

鉛筆やタバコなどの小道具を作る

右手に持つ鉛筆を作る。形をある程度作っておいて、粘土が固まった後でやすりなどで成形した。
右手にぴったりはまるように微調整する。
エプロンのポケットに入れる工具類やタバコも成形した。

靴のかかとを作る

最初につくった踵は低すぎたので、改めて成形しなおした。
靴の踵も粘土が固まってから削って微調整した。

アクリル塗装と並行してエプロンなどを付け加える

エプロンを付けるとズボンやシャツの一部が塗装できなくなるので、隠れて筆が届かなくなる部分を先に塗装することにした。塗装には模型用のアクリル塗料 (Mr.COLOR) を使用した。

下半身と顔を塗る

最初に靴から塗った。
ズボンはジーンズをイメージして紺色にした。
重ね塗りして色むらをなくし、細かい場所は細心の注意を払って塗る。シャツも塗装して、顔は髭を付ける部分以外を塗装した。(作業中の写真を撮り忘れた)

顔に髭を付ける

髭は今回のフィギュアづくりで一番難しかった。(作業中の写真を撮り忘れた) 大まかに髭を成形してから付けようと思ったが、なかなか髭らしくならなかった。髭を顔に付ける時も、粘土が柔らかすぎて形が崩れがちとなり、何度もやり直した。
最初の髭は長すぎたので、顔に髭を付けた状態で長さを調整したが、すぐ髭の形が崩れるので難儀した。
最初に付けた髭が固まった後も、粘土を加えたり削ったりして髭の成形に時間を費やした。
がたがたの表面を削ったり筆で濡らしてならしたりして、ある程度納得のいく髭になってきたが、どの程度髭の表面をデフォルメするかも悩ましいポイントで、なかなか終わりが見えなかった。
これで十分だろうと思える瞬間が来たので、髭の成形は終了。6mmのドリルでタバコを挿し込む穴を開けた。
開けた穴にぴったり合うように、タバコの太さを調整する。

顔を塗装して目を入れる

髭をロマンスグレーに塗装する。
鼻と耳はピンクに塗った。
瞳を入れて、宮崎駿監督のように黒色の入った眉毛にした。
よい感じになってきた。ここまでくると作業はひたすら楽しい。

エプロンを付ける

エプロンを付ける。この工程もかなり手間取った。
切ったり延ばしたり曲線をつけたりと、色々試しながらエプロンを成形していく。首にかける紐の成形にも手こずった。
エプロンの土台が大体できた。

小道具を塗装してサイズ調整する

エプロンのポケットに入れる工具類を塗装する。
鉛筆は少し削って長さを調整した。

エプロンにポケットをつける

工具と重なる部分は、塗りづらくなるので先に塗装した。
ポケットに収まるように工具類をカットして、粘土がくっつきやすいように工具の見えない部分のアクリル塗料を削り落とした。
左手側のポケットを成形する。
右手側のポケットも成形。
エプロンの紐を塗装する。
色むらがなくなるように何度も重ね塗りした。
タバコと鉛筆はボンドで接着した。接着前にタバコの先端に色を追加したが、燃えている灰になかなか見えてこなくて手間取った。
本体がほぼ完成した。

メガネを塗装する

フレームにMr.COLORのつや消しブラック、レンズにターナー・ガラスペイントの「氷砂糖」を塗った。メガネをかけた感じが地味に見えたので、さらにフレームに色を加えた。
何かもの足りないと感じたので、思いつくまま色を加えて、多少の意匠もほどこした。
レンズにアクリルペンでぐるぐるを描いて、最終的にこうなった。ぐるぐるの色はかなり迷った末に青色で描いたが、ちょっと違うと感じて緑色で上塗りした。
メガネの裏側。余ったオレンジ色を塗っておいた。
よい感じに仕上がった。

台座を作る

立ち位置を固定するために、台座にダボを付けた。台座は何年も前に端材を加工して作っておいたもので、今回やっと載せられるフィギュアを作ることができた。
フィギュアの足裏にダボがはまる穴を開けた。
開けた穴を黒く塗装して、エプロン裏の見えない部分も丁寧に塗装した。
台座の大きさはぴったり。気が向いたら表札を付けたり、台座に焼き文字を入れようと思う。
台座はブライワックスのラスティックパインで塗装した。

完成した宮崎駿のブタ人形

ついに宮崎駿のブタ人形が完成した。嬉しくて色んな角度から写真を撮った。

宮崎駿のブタ人形を作り終えて

二次元の絵であれば、見たままを描くのはそんなに難しいことではないと感じるが、慣れていないこともあってか、三次元の造形は情報量と作業量が累乗で増える感覚があって、上手くいかないことが多々あった。

もっとも作業を始めると2~3時間はあっという間に過ぎてしまう感じで、作業に没入して写真を撮り忘れることが多かった。それだけ充実した時間を過ごしたわけで、難しさはそのまま楽しさにつながった。総じて言えば至福の時間であった。

想定以上に時間はかかったが、最終的に「こういうのが欲しかった」と思える納得の出来栄えとなった。正直、眺めているだけで気分がよいし、しばらくは達成感にひたっていられそうだ。

ひとつフィギュアを仕上げることで、粘土造形に必要なノウハウも得ることができた。石粉粘土の性質やスパチュラの扱いにも多少慣れたので、次回はもっとスムーズにできるだろう。

フィギュア作りは時間がかかるので、おいそれとは取り組めない気もするが、作業中の没入感や完成後の達成感には格別のものがある。作りたいモノが出てきたら、また造形にチャレンジしたいと思う。

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