見た感じの色合いや形がネバリノギランにそっくりなので、最初に本種を見た時は花の開いたネバリノギランだと思った。(実際は、ネバリノギランの花は半開しかしない) ちなみにランと名がつくが、ランの仲間ではない。
基本データ&特徴
- キンコウカ科 / 多年草 / 花期6-8月 / 北海道~九州
- 山地の草地などに生える。高さ20~50cm。
- 茎の上部に穂状花序を出し、淡黄褐色で緑色を帯びた小さな花を多数つける。
- 花被片は6個で、線状披針形。基部で合着する。
- 雄しべは6個で花被片よりやや短い。
- 雌しべは1個。子房は3室あり、柱頭は3裂する。
- 花茎や花被には腺点がなく、花穂は粘らない。
- 葉は束生して根出葉になる。葉身は倒披針形でやや厚く全縁。
名前の由来
- 「ノギ」は、イネ科植物の ノギ (芒) に由来する。ただ、どこがノギに似ているかについては諸説あるようで、① 花の様子、すなわち線状披針形の花被片や花冠から突き出た雄しべや雌しべがノギに似ているという説や、② 線形の苞がノギに似ているとする説などがある。
- 「ラン」は、ラン (蘭) の花に由来するが、こちらも ① 根出葉がランの葉に似ているからという説と、② 全体の様子がランのように見えるからという説がある。