芦ヶ久保の集落を歩いていると、道端にとても綺麗な花が咲いていた。調べてみると、春の訪れを告げる代表的な園芸種であるクロッカスだった。クロッカスの原種は80種ほどあると言われ、「クロッカス」は、アヤメ科クロッカス属の総称であり、園芸品種の流通名でもある。
秋に咲くサフランもアヤメ科クロッカス属の仲間だが、サフランが古くから薬用や香辛料、あるいは染料として用いられてきたのに対し、春先きのクロッカスは主に観賞用に品種改良されてきたもので、毒を含むものもあるという。春に咲くものはクロッカス、秋に咲くものはサフランという大まかな分類もあるようだ。
基本データ&特徴
- 別名 : 花サフラン 春サフラン
- アヤメ科 / 多年草 / 花期2-4月 / 地中海沿岸~小アジア原産
- 花色は黄色、白色、薄紫、紫、赤紫など。縦の筋や網目状の模様が入っているものもある。
- 花は地上すれすれに咲き、高さは8~15cmほど。花弁は6枚。
- 日中に開花して、曇天の日や夕方には閉じる。
- 葉は細長く縦にのび、白いすじがある。
- 茎がないように見えるが、球根部分が茎である球茎。
名前の由来
- ギリシア語の「krokos(糸)」に由来するが、もともとは長く糸状に伸びる雌しべをもつサフランを指す言葉であったらしい。
- 同属のサフランが秋に咲き、古代から薬用に用いられてきたため「薬用サフラン」と呼ばれることに対し、春咲きのクロッカスは観賞用のみに栽培されることから「花サフラン」「春サフラン」とも呼ばれる。
- ちなみにサフランの語源は、アラビア語で黄色を意味する「ザファラン」と云われ、古くから染料や香料として用いられてきたことに由来する。